人的資源マネジメント:思考スタイルを知って「逆境力」を高める(その2)

 前回のその1に続いて解説します。
  

3. 思い込みを知る

 人はそれぞれ自分の思考パターン持っているわけですが、その思考は無意識で行われるため、自分の思考パターンを把握するのは容易ではありません。無意識に一定傾向に考えてしまうので ABCモデルでは固定観念となっていますが、ここでは「思い込み」とよぶことにしたいと思います。
 
 レジリエンスを高めるための第一歩は、感情や行動を決めている自分の思い込みを知ることです。そのためには、思い込みを言語化する必要があります。
 
 それでは「思い込みワークシート」を使って思い込みを言語化してみましょう。
 
人的資源マネジメント
図128.思い込みワークシート
 
 まず、今日起こった出来事を左の欄に書き出します。基本的にネガティブな出来事や問題にします。出来事は今日起きたものでなくてもいいのですが、そのときの感情や考えていたことをしっかりと思い出すことができるものにしてください。
 
 次に、そのときの感情や行動を右の欄に書きます。基本的にどのような感情だったのかを書きますが、その感情によって引き起こされた行動まで書いてもかまいません。最後に、その出来事をどのように考えたのか、どのような思考だったのかを思い出して上の欄に書きます。そのときの状況、そのときの気持ちになって、先に書いた感情を導いた思考を思い出してください。
 
 思い込みはひとつではないので、何か気になった出来事や問題が起きたときには、その度に、このワークシートを書いて自分の思い込みを言語化すると効果的です。
 

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4. 説明スタイルをコントロールしてレジリエンスを高める

 思い込みワークシートで言語化した思い込みは、前回の楽観的説明スタイルを明らかにしたのと同様に、出来事に対する説明スタイルを明らかにしたものです。このようにして、自分の思い込みを説明スタイルとして正確に把握することが、レジリエンスを高めるための第一歩になります。
 
 そして、違う説明スタイルを知ることが、レジリエンスを高めるための次のステップになります。自分の説明スタイルとは違うものにはどのようなものがあり、どのような感情や行動になるのかを知ることが大切です。そのために、思い込みワークシート(その2)を用意しました。
 
人的資源マネジメント
図129. 思い込みワークシート(その2)
 
 まず、思い込みワークシートで言語化した内容を思い込みワークシート(その2)の上段に書き写します。これは、自分が「いつも」そうしている説明スタイルです。そして、下段中央に、同じ問題や出来事が起きたときの別の考え方を書きます。「いつもはそう考えないけれどもこんな風に考えることもできるな」ということを、できるだけ複数考えて記入します。さらに、そう考えることで、感情や行動がどうなるのかを考えて下段右側の欄に書きます。
 
 このワークシートでの演習を繰り返すことで、自分とは違う思考パターン(説明スタイル)があることを知り、それにより違う結果(感情、行動)になることを実感することができます。思考パターンを変えるのに大切なものは「意志力」です。意志の力によって感情はコントロールできることを忘れないでください。
 
 今回は、ABCモデルを使って自分の思考パターンを知りコントロールすることが、レジリエンスを高めるそのために大切だということを解説しました。普段から、思考パターンを広げ、コントロールすることを意識してみてください。そうすることで、逆境に陥ったときにはレジリエンスが高くなっていることを実感できるはずです。
  

この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

社会や生活を変える「ものづくり」と、そんな製品やサービスを開発する「ひとづくり」を行う組織づくりのために、日科技連石川賞を受賞した仕組み改革の実績や、オリンピック金メダルを生んだコーチング技術を活用した意識改革の実績など、持っているリソー…

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