改善を推進するための考え方

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 経営工学会の機関紙である「経営システム」の2013年1月号に掲載されていた、富士フィルム木内清吾さんの記事「改善遂行のためのSWC思考」は、業務を革新する際に共通して直面する障壁とその対応方法に関連する内容で、多くの関係者の参考になりますので、要約して紹介します。

 多くの企業では改善活動を企画、計画しますが、必ずしも順調に進みません。その状態として(1)改善をすべきとは思わない、(2)改善をすべきだが、したくない、(3)改善をしたいが、できない、の3フェーズがあると分類し、それぞれのフェーズに以下のアプローチが効果的だと提案します。

(1)のフェーズでは、論理的な分析、説明だけでなく、直観的な危機意識を芽生えさせる。

(2)のフェーズでは、改善の業務に見合った正当な評価尺度を設定する。

(3)のフェーズでは、既存業務をシンプルにして、現場に余裕を持たせる。

 実際にはこの順番で状態が遷移するわけではなく。各状態があるなしで8つのパターンがあり、それぞれに応じてスタッフが現場を支援する必要があります。

 

 以上が要約で、以下筆者の感想です。

 私の経験でも、企業内には決して主業務以外の事をやろうとしない技術者、管理者が必ず存在します。そのためには、まず経営陣、管理職が革新の必要性を認識するのが必須条件であり、その上で(3...

 経営工学会の機関紙である「経営システム」の2013年1月号に掲載されていた、富士フィルム木内清吾さんの記事「改善遂行のためのSWC思考」は、業務を革新する際に共通して直面する障壁とその対応方法に関連する内容で、多くの関係者の参考になりますので、要約して紹介します。

 多くの企業では改善活動を企画、計画しますが、必ずしも順調に進みません。その状態として(1)改善をすべきとは思わない、(2)改善をすべきだが、したくない、(3)改善をしたいが、できない、の3フェーズがあると分類し、それぞれのフェーズに以下のアプローチが効果的だと提案します。

(1)のフェーズでは、論理的な分析、説明だけでなく、直観的な危機意識を芽生えさせる。

(2)のフェーズでは、改善の業務に見合った正当な評価尺度を設定する。

(3)のフェーズでは、既存業務をシンプルにして、現場に余裕を持たせる。

 実際にはこの順番で状態が遷移するわけではなく。各状態があるなしで8つのパターンがあり、それぞれに応じてスタッフが現場を支援する必要があります。

 

 以上が要約で、以下筆者の感想です。

 私の経験でも、企業内には決して主業務以外の事をやろうとしない技術者、管理者が必ず存在します。そのためには、まず経営陣、管理職が革新の必要性を認識するのが必須条件であり、その上で(3)のように改善も本来業務であるとして就業時間の一定割合をそこに割り当て、(2)の評価尺度で充分なモチベーションを与えることが必要と考えます。 原文は具体的な事例も交え、「あるある」感のある内容になっていますので、機会があればご覧になってください。

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この記事の著者

熊坂 治

ものづくり革新のナレッジを広く共有、活用する場を提供することで、製造業の課題を解決し、生産性を向上します。

ものづくり革新のナレッジを広く共有、活用する場を提供することで、製造業の課題を解決し、生産性を向上します。


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