改善活動の共通言語

投稿日

 im5コスト削減、品質改善、業務改善などの改善活動を行う時、アクションに携わるスタッフが改善の為の『共通言語』を身につけているかどうかで効率や効果が変わってきます。ここで言う『共通言語』とは改善活動に関する用語だけでなく手順やツールも含みます。
 
 改善活動の最初のフェイズでは『現状把握』を詳細に行います。現状把握はあるべき姿からのギャップを埋める為の課題を見出す為、客観的視点で行います。足りない情報があれば経験や主観で補わずさらに情報収集を行い精度を高めます。またこのフェイズを適切、且つ迅速に行うことで改善活動のスピードは大幅に加速でき、効果を早く実感することが出来ます。
 
 例えば、QC7つ道具一つに「層別」と言うものがあります。情報収集を行う時「後で層別分析を行うのでデータを紐付けして収集して下さい」と指示することが結構あります。これだけ聞いて何に気をつけデータを収集するかわかりますか。
 
 サービスが提供される流れ(プロセス)を考えると必ずしも一本道では無く、複数の分岐を経て最終的に提供されるモノに成っていると思います。製品であれば違う工場、ライン、加工装置、作業者、検査装置、輸送業者など異なるルートを経て完成し、納品されている場合が殆どです。ルートだけでなく、製品を構成する原材料や収納する容器の違いも品質の違いを生み出す要因になりえます。
 
 データを収集する段階で予めこれらの要因を紐付けておかないと後からそれを行うのは非常に手間がかかります。層別について理解していればデータ収集の方法を細かく説明しなくても「層別」というキーワードを含めればいいので簡単です。またどのような層別項目があるかも、採取する側が自身で考える事が出来ます。
 
 自社工程は実際に勤務している従業員の方が一番わかっているのですから、その方が作業効率だけでなく、項目に漏れが無いと言う点でも優れているのです。このように改善に関わるスタッフが改善に関する手法や用語を知っていれば対処にムダやムラが少なく複数のアクションを平行しても問題なく進めていけます。
 
 スポーツの指導でも指導を受ける人の経験や基礎体力の有無で到達レベルや、そこに至るスピードも異なる事でしょう。コンサルティングも同じで、言われるまま意味も良く理解しないまま進...
 im5コスト削減、品質改善、業務改善などの改善活動を行う時、アクションに携わるスタッフが改善の為の『共通言語』を身につけているかどうかで効率や効果が変わってきます。ここで言う『共通言語』とは改善活動に関する用語だけでなく手順やツールも含みます。
 
 改善活動の最初のフェイズでは『現状把握』を詳細に行います。現状把握はあるべき姿からのギャップを埋める為の課題を見出す為、客観的視点で行います。足りない情報があれば経験や主観で補わずさらに情報収集を行い精度を高めます。またこのフェイズを適切、且つ迅速に行うことで改善活動のスピードは大幅に加速でき、効果を早く実感することが出来ます。
 
 例えば、QC7つ道具一つに「層別」と言うものがあります。情報収集を行う時「後で層別分析を行うのでデータを紐付けして収集して下さい」と指示することが結構あります。これだけ聞いて何に気をつけデータを収集するかわかりますか。
 
 サービスが提供される流れ(プロセス)を考えると必ずしも一本道では無く、複数の分岐を経て最終的に提供されるモノに成っていると思います。製品であれば違う工場、ライン、加工装置、作業者、検査装置、輸送業者など異なるルートを経て完成し、納品されている場合が殆どです。ルートだけでなく、製品を構成する原材料や収納する容器の違いも品質の違いを生み出す要因になりえます。
 
 データを収集する段階で予めこれらの要因を紐付けておかないと後からそれを行うのは非常に手間がかかります。層別について理解していればデータ収集の方法を細かく説明しなくても「層別」というキーワードを含めればいいので簡単です。またどのような層別項目があるかも、採取する側が自身で考える事が出来ます。
 
 自社工程は実際に勤務している従業員の方が一番わかっているのですから、その方が作業効率だけでなく、項目に漏れが無いと言う点でも優れているのです。このように改善に関わるスタッフが改善に関する手法や用語を知っていれば対処にムダやムラが少なく複数のアクションを平行しても問題なく進めていけます。
 
 スポーツの指導でも指導を受ける人の経験や基礎体力の有無で到達レベルや、そこに至るスピードも異なる事でしょう。コンサルティングも同じで、言われるまま意味も良く理解しないまま進める人と改善手法を理解して着手する人では成功の度合い、スピード、成果全てが異なります。つまりコンサルティングをより有効なものとするために従業員の方々に改善活動に従事する基礎体力と基本技を身につけて頂きたいのです。改善の手順や手法が分かるようなら自分たちで可能なのでコンサルタントは不要では無いか、と思われるかもしれませんが、そうなる位がちょうど良いと思っています。コンサルティングを通じ改善の方法を学び、最終的には地力を高めた従業員の方だけで継続していけるようになればそれが一番良いのです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
レジリエンスを高める技術(その4)

【レジリエンスとは 連載へのリンク】 1、6つのレジリエンス・コアコンピテンシー 2、自己認識(Self-awareness) 3、セルフコントロー...

【レジリエンスとは 連載へのリンク】 1、6つのレジリエンス・コアコンピテンシー 2、自己認識(Self-awareness) 3、セルフコントロー...


技術士第二次試験対策:論文を時間内に書くための時間管理方法(その2)

  1.選択科目での時間管理方法   【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試...

  1.選択科目での時間管理方法   【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試...


教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成(その6)

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
ワークライフバランス : 新環境経営 (その35) 

   新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、...

   新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、...


人的資源マネジメント:目的(その3)

【内発的動機づけの要素である「目的」連載目次】 1. 内発的動機づけの要素である「目的」と「目標」の違いを考える 2. 本源的な質問に答えてわかる...

【内発的動機づけの要素である「目的」連載目次】 1. 内発的動機づけの要素である「目的」と「目標」の違いを考える 2. 本源的な質問に答えてわかる...


‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その45)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その44に続いて解説します。    (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確にす...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その44に続いて解説します。    (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確にす...