マインドセットとは

更新日

投稿日

 今回は「マインドセット」について解説したいと思います。アディダスがそのブランドイメージを伝える宣伝でとても印象的なことをいっていました。
 
  人的資源マネジメント 
 モハメド・アリの言葉だそうです。自分自身と自分の能力に対して持っている自分たちの信念が、自らの経験に対する解釈を決め、限界も定めてしまうのです。「限界を決めるのは自分」なのです。
 
 「不可能」のラインを、やる前から自分で決めると、そこまでしか到達しない、そこから先の上達はないのです。この「Impossible is Nothing」は限界を決めない、どこまでも上のレベルを目ざすというのは「熟達」のための考え方がよくわかります。
 
 不可能に対する考え方と同じように、目標に対する考え方からも「熟達」を知ることができます。
 
 目標には「遂行(達成)目標(performance goal)」と「学習目標(learning goal)」とがあります。たとえば、チームの中で打率トップになるというのは遂行(達成)目標。苦手な内角低めをもっとうまく打てるようになるというのは学習目標です。遂行目標は結果フォーカスで、多くの場合は他人と比較した上で他人よりも優れた結果を目指します。学習目標はプロセスフォーカスで、自分自身がどれだけ上達しているのかに重きをおき、能力を伸ばすことを目指します。
 
 さて、あなたは何かをやろうと決めたとき、設定した目標は達成目標になりがちですか? それとも学習目標になりがちですか?
 
 遂行目標は一見良さそうに思えますが、自分が達成できるような目標を選ぶようになる、あるいは、達成できないようなものはあきらめてしまう恐れがあります。自分にはその問題をクリアするだけの能力がないから、その課題を達成するのはあきらめようと思ってしまうのです。たとえば、自分は補欠で、チームの中で打率トップはとても無理だと思うと、打撃トップという目標設定をしないことが多いと思いますし、自分よりもうまいチームメイトの存在が大きくなると、目標達成をあきらめてしまうことになりがちです。「限界を決めるのは自分」というのを、今の自分にできることが自分の目標(限界)と解釈するのです。
 
 一方、学習目標に明確なゴールはありません。上達するたびにどこまでも目標を高く設定します。能力は鍛えられるものであり、そのためには努力が必要だけれども、必ず課題を解決する方法があると考え前進するのが学習目標です。目標を苦手な...
 今回は「マインドセット」について解説したいと思います。アディダスがそのブランドイメージを伝える宣伝でとても印象的なことをいっていました。
 
  人的資源マネジメント 
 モハメド・アリの言葉だそうです。自分自身と自分の能力に対して持っている自分たちの信念が、自らの経験に対する解釈を決め、限界も定めてしまうのです。「限界を決めるのは自分」なのです。
 
 「不可能」のラインを、やる前から自分で決めると、そこまでしか到達しない、そこから先の上達はないのです。この「Impossible is Nothing」は限界を決めない、どこまでも上のレベルを目ざすというのは「熟達」のための考え方がよくわかります。
 
 不可能に対する考え方と同じように、目標に対する考え方からも「熟達」を知ることができます。
 
 目標には「遂行(達成)目標(performance goal)」と「学習目標(learning goal)」とがあります。たとえば、チームの中で打率トップになるというのは遂行(達成)目標。苦手な内角低めをもっとうまく打てるようになるというのは学習目標です。遂行目標は結果フォーカスで、多くの場合は他人と比較した上で他人よりも優れた結果を目指します。学習目標はプロセスフォーカスで、自分自身がどれだけ上達しているのかに重きをおき、能力を伸ばすことを目指します。
 
 さて、あなたは何かをやろうと決めたとき、設定した目標は達成目標になりがちですか? それとも学習目標になりがちですか?
 
 遂行目標は一見良さそうに思えますが、自分が達成できるような目標を選ぶようになる、あるいは、達成できないようなものはあきらめてしまう恐れがあります。自分にはその問題をクリアするだけの能力がないから、その課題を達成するのはあきらめようと思ってしまうのです。たとえば、自分は補欠で、チームの中で打率トップはとても無理だと思うと、打撃トップという目標設定をしないことが多いと思いますし、自分よりもうまいチームメイトの存在が大きくなると、目標達成をあきらめてしまうことになりがちです。「限界を決めるのは自分」というのを、今の自分にできることが自分の目標(限界)と解釈するのです。
 
 一方、学習目標に明確なゴールはありません。上達するたびにどこまでも目標を高く設定します。能力は鍛えられるものであり、そのためには努力が必要だけれども、必ず課題を解決する方法があると考え前進するのが学習目標です。目標を苦手な内角低めをもっと打てるようになりたいと設定すると、内角低めに関する打率はどこまでも伸ばすことができるでしょうし、克服する弱点はいくつも見つかるでしょう。あることができるようになったら、さらに上のレベルを目ざすために別のことをやりはじめるのです。「限界を決めるのは自分」だからこそ限界を決めないのです。
 
 どちらが「熟達」のために適したマインドセットなのかは明らかですね。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
技術士第二次試験対策:分かりやすい答案で合格に一歩近づく

  1. 技術士第二次試験: 合格か不合格か 【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文...

  1. 技術士第二次試験: 合格か不合格か 【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文...


中国工場の実状を知る、経営層について 中国工場の品質改善(その12)

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【経営層について】  前回のその11に続いて解説します。 (3)日系中国工場  日系中国工場...

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【経営層について】  前回のその11に続いて解説します。 (3)日系中国工場  日系中国工場...


中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その7)

  【第2章 中国工場の実状を知る】   【作業者について】  中国工場で働いている作業者とは、いったいどんな人だちなので...

  【第2章 中国工場の実状を知る】   【作業者について】  中国工場で働いている作業者とは、いったいどんな人だちなので...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
キャリアパスの複線化とは (その1)

 副業を超えた「複業」は、従業員だけでなく企業にもメリットがあり、そして少子高齢化が進む日本の社会全体にも貢献するトリプルウィンです。近江商人のモットーで...

 副業を超えた「複業」は、従業員だけでなく企業にもメリットがあり、そして少子高齢化が進む日本の社会全体にも貢献するトリプルウィンです。近江商人のモットーで...


研修効果が低いベテラン管理職

 人材育成の相談を受け、面談をしたり、社内セミナーを受講してもらう時に抵抗感のような壁を感じるのは主にベテランの管理職の方々からです。この方々は大きく二つ...

 人材育成の相談を受け、面談をしたり、社内セミナーを受講してもらう時に抵抗感のような壁を感じるのは主にベテランの管理職の方々からです。この方々は大きく二つ...


人的資源マネジメント:建設的、積極的な話の聞き方とは

 誰かが嬉しそうに話をしてきたとき、あなたはどのように反応していますか?人が自分に起きた良い出来事をあなたに伝えるときのあなたの姿勢によって、その関係を深...

 誰かが嬉しそうに話をしてきたとき、あなたはどのように反応していますか?人が自分に起きた良い出来事をあなたに伝えるときのあなたの姿勢によって、その関係を深...