【安全設計手法 連載目次】
- 1. フェールセーフ
- 2. フールプルーフ
- 3. プラスチックのクリープ特性1
- 4. プラスチックのクリープ特性
- 5. プラスチックの応力緩和1
- 6. プラスチックの応力緩和2
- 7. プラスチックの応力
- 8. プラスチックのひずみ
- 9. プラスチック製品設計における安全率設定の考え方
前回はリスク低減の原則である「3ステップメソッド」について解説しました。「3ステップメソッド」はリスク低減の優先順位の考え方を示したものですが、今回からはフェールセーフとは:安全設計手法(その1)について解説します。
1. 安全設計手法(フールプルーフ/フェールセーフ)とは
安全設計手法は多々提案されていますが、フールプルーフ、フェールセーフはその代表です。 フールプルーフは、危険な行動をしようとしてもできない誤操作防止の構造に設計することで、フェールセーフはトラブル発生時に設備が安全側に自動的動作して、停止する仕組みです。
生産性向上を狙うには、ムダの廃除が挙げられますが、さらにリードタイム短縮も不可欠です。ムダとそのリードタイムを長くしている要因の1つに、工程内の不良・手直しが数多く発生していることが挙げられます。
その要因として、ヒューマンエラーと言われるポカミスやヒヤリハットなど、気がかり因子の対策が取れないまま放置されているのです。故障時に信号が出て動作しブレーキがかかり安全が確保されるなど、1つひとつがたわいもないことのゆえに、毎日繰り返され気づかなくなっているのが危険な要因と考えます。
それが積み重なるとハインリッヒの法則のごとく、次第に大きなミスや事故になり、やがて市場でのクレームに陥っています。そのために、現場では不良対策が十分に取られないまま綱渡りのような生産活動が行われています。
ポカミスやヒヤリハットをなくには、前述の安全設計手法、フールプルーフ、フェールセーフの考え方が重要になります。
2. フェールセーフの位置づけ
3. フェールセーフとは
4. フェールセーフの事例
※2 調速機:エレベーターの速度が規定値を超えたことを検出し、停止させる装置