金属からプラスチックへの代替が進む現代、製品設計において避けて通れないのが「クリープ特性」の把握です。しかし、経時変化を伴うこの特性は、評価や実務への落とし込みが極めて難しい分野でもあります。本記事では、前回の基礎知識に続き、JIS規格に基づく評価チャートの見方や、短期間のデータから長期寿命を予測する「外挿法」の活用法を詳しく解説。さらに、設計現場を悩ませる「データ不足」「評価設備や手間の問題」といった実務上の高いハードルを乗り越えるための具体的なアプローチと、設計上の工夫についてご紹介します。高品質な製品設計に不可欠な、実践的なクリープ対策を学びましょう。
プラスチック製品を設計する場合、材料の特性を十分に把握することが必要不可欠です。クリープはその特性の中でも、最も対応が難しいものの一つです。今回は、
前回の「プラスチックのクリープ」に続いて解説します。
4. クリープ特性の評価
クリープ特性の試験方法は JIS K7115、K7116で規定されています。ここではいくつかのクリープ特性をグラフで紹介します。クリープ特性は温度などの使用環境や、負荷する応力によって変化するので注意して下さい。
図6. クリープ線図
図7. クリープ弾性率-時間線図
図8. クリープ破壊線図
5. クリープ破壊寿命の推定
製品は設定した寿命において、性能を維持するように設計する必要があります。しかし、製品寿命に合わせて何年にも渡って評価を行うことは現実的に不可能です。短期間で測定したデータを用いて、長期的な特性を推定する必要があります。図9は外挿法によるクリープ破壊寿命の推定を表したグラフです。実線が実測値を結んだ直線、点線はその直線を延長(外挿)したもので、それぞれの応力...