DR(デザインレビュー:設計審査)とは、キーワードからわかりやすく解説
1. デザインレビューとは
DR(デザインレビュー:設計審査)とは、企画→基本設計→原理試作→詳細設計→一次試作→量産試作といった設計のプロセスで、ポイント毎に企画、開発、設計、製造、品質、購買などの関係者が一堂に集合し、満たすべき項目をそれぞれの観点から評価し、基準を超えている事を確認してから次のステップに進む方法であり、後工程からの手戻りを防止します。
2. デザインレビューを行う目的
DRを行なう大きな目的は、製品のQCD(品質・コスト・納期)を確保することです。設計の各フェーズで、設計者が提示した成果物と設計根拠の情報をもとに、アセッサー(評価・査定者)が幅広い視点からの専門的評価・審議を行います。設定された判定基準に照らして次のフェーズへの移行可否を判断することで、品質の確保・向上およびコストの低減、トラブルの防止による開発期間短縮・納期遵守をはかります。
3. デザインレビューを行うメリット
開発プロセス関連部署のメンバーや専門家などが独自の視点から評価・提案することにより、設計や構想の問題点や改善点を抽出し、製品品質を向上させることができます。開発プロセスの中で実際のトラブルが発生する前にそれを予測して対処することができ、開発の手戻りを防止することができるため、開発期間の短縮や遅延防止に役立ちます。
また、デザインレビューを通じて関連する各部署の担当者がプロジェクトの目的や開発目標、進捗状況や問題点などを共有し、全体の整合が取れた効率的な開発が行えるようになるというメリットも見逃せません。さらにはデザインレビューのあり方を考えることが設計開発プロセスの見直し・改善につながり、組織としての効率化と開発力・設計力の向上につながることも重要なポイントです。
4. デザインレビューの具体的プロセス
DRを効果的に運用するためには、単に会議を開くだけではなく、事前の準備から終了後のフォローアップまでを体系化することが重要です。一般的には、以下のステップで進行します。
- 事前準備(資料配布と予習): 設計者は、設計根拠やシミュレーション結果、過去のトラブル事例への対策を盛り込んだ資料を事前に配布します。アセッサー(評価者)は、会議当日までに資料を読み込み、不明点や指摘事項を整理しておきます。これにより、当日の会議時間を「説明」ではなく「審議」に集中させることができます。
- DR会議の実施: 会議では、設計者が設計内容の妥当性を説明し、アセッサーとの間で活発な質疑応答を行います。ここでは、単なる間違い探しではなく、「より良くするための提案」が含まれることが理想的です。
- フォローアップ(是正処置): 会議で出された指摘事項は記録され、対策の担当者と期限が明確に定められます。すべての指摘事項に対して適切な処置が完了し、承認されるまでは次のフェーズへ進まないことが、手戻り防止の鉄則です。
5. DRにおける役割分担と視点
DRの成否は、参加者がそれぞれの役割を正しく理解しているかどうかにかかっています。
- 設計者(プレゼンター): 「何を考え、なぜこの設計にしたのか」という根拠(エビデンス)を明確に示す責任があります。主観的な判断ではなく、データに基づいた説明が求められます。
- アセッサー(評価・査定者): 製造、品質、購買、保守サービスなど、異なる視点を持つ他部署のメンバーが参加します。例えば、製造部門は「組み立てやすさ」を、購買部門は「部品調達の安定性」を、品質保証部門は「信頼性と安全性」をチェックします。
- 事務局(モデレーター): 議論が特定の技術論に偏りすぎないよう進行を管理し、決定事項や未解決課題を確実に記録する役割を担います。
6. 実効性を高めるためのポイント
DRが形骸化し、「単なる儀式」になってしまうことを防ぐためには、以下の点に注意が必要です。
まず、「批判を恐れない文化」の醸成です。DRは設計者の能力を否定する場ではなく、製品を磨き上げるための共同作業です。心理的安全性を確保し、自由な意見交換が行われる環境が、潜在的なリスクの早期発見につながります。
次に、「判定基準の明確化」です。合否の判断がアセッサーの主観に頼りすぎると、評価にバラつきが生じます。チェックリストの活用や、フェーズごとにクリアすべき数値目標(歩留まり、目標コスト、耐久時間など)を具体的に定めておくことが不可欠です。
最後に、「過去の教訓の活用」です。過去の不具合事例やクレーム情報をデータベース化し、それをDRのチェック項目に反映させることで、同じ失敗を繰り返さない組織的な学習機能を持たせることができます。
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