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プロジェクトマネジメントのエッセンス (その1)プロジェクトマネジメントとは

 企業の採用担当者の視点で、技術者の最重要スキルは、コミュニケーション能力だと言われます。確かに、プロジェクトの成否を分けるのがコミュニケーションです。本稿では、技術分野を問わずチームのシナジー効果を上げる仕事の進め方の基本として、プロジェクトマネジメントを紹介します。多くの技術者は、プロジェクトマネジメントが、建設現場やIT開発のプロジェクトリーダーのスキルだと思い込んでいないでしょうか。どんな少人数のチームでも、このスキルを活用できると非常にメリットがあります。筆者の元の勤務先では、プロジェクトマネジメントの概念が体系化される前から、上司が米国からこの考え方を持ち込み、技術者に教育してきました。筆者らはそれを日常業務に活用しながら、後輩や他部門の技術者にも普及してきました。ここでは、技術者が実践面で活用すると効果的な重要項目を中心に、現在の体系と対比しながら5回に分けて記述します。

 

1. プロジェクトマネジメントとは

1.1 プロジェクトマネジメントの定義

 初めにプロジェクトの意味について確認します。プロジェクトの定義は、「特定の目的を達成するために構成された、チームや組織で行う活動」のことを言っています。

 では、プロジェクトマネジメントはどうでしょう。米国プロジェクトマネジメント協会(PMI: Project Management Institute)が制定したルールブック「PMBOK」(The guide to the project management body of knowledge)が1987年以降グローバルスタンダードとして普及しています。日本では、日本版PMBOKとして、P2M(a Guidebook for Project & Program Management for Enterprise Innovation)を2000年に制定し普及活動を推進しています。

プロジェクトマネジメントの構成
 ところで、なぜプロジェクトを組まなければいけないのでしょうか。その主な目的は、通常業務の縦割組織の弊害と考えられる課題の「部分最適解決策」から「全体最適解決策」に変換を図ること、新しい付加価値を創造すること、従業員の意識改革などにあります。

 プロジェクトマネジメントの構成をPMBOKでは図1のように考えます。つまり、スコープ(範囲)マネジメントでマネジメントをどこまでやるかを確認し、何をやるのか(目的)を定義するわけです。次に、プロジェクトの品質(QCT)を明確化します。そして、それらをうまく実現させるために、組織マネジメント、コミュニケーションマネジメント、リスクマネジメント、調達マネジメントを連携させ、最終的に統合させていくという考え方です。ここでは、各項目がイメージとして捉えられればよいでしょう。  

                          図1 プロジェクトマネジメントの構成

1.2 プロジェクトマネジメントのプロセスと実施項目

 図2にプロジェクトマネジメントのプロセスとその主な実施項目の全体像を整理しました。縦軸に、立ち上げ⇒計画⇒実行・コントロール⇒完了といった仕事のプロセスを表し、横軸に、各プロセス項目の主な内容と実施手順を表しています。

 これらの中で、技術者にとって、耳慣れないキーワードについて少し説明しておきます。まず、プロジェクトチャーター(プロジェクト憲章)とは、プロジェクトオーナーが発行するプロジェクトの公式認可文書のことです。プロジェクト名、背景、ニーズ、目的、組織図/報告先、前提条件、納期、予算などを記述します。

 スコープ記述書とは、プロジェクトチャーターをよく議論して作成する詳細の全体計画書のことです。ここでプロジェクトは何のためにやるのかを、よくディスカションしておくことが重要です。目的の展開をコアメンバーで実施し共有化しておきましょう。さらに、詳細化できた段階では、経済性工学の投資効果が適切かどうかも把握しておきます。ここが不十分なプロジェクトは、成功する確率が非常に小さくなります。 

プロジェクトマネジメントの実施項目

 図2 プロジェクトマネジメントの実施項目



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(かすや しげる) / 専門家A / ぷろえんじにあ

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【自分史&想い】埼玉県川越生れ、神奈川在住、質実剛健の風土育ち。子供の頃の夢は自動車の開発でしたが、オイルショックで方向転換し、井深大氏最後のプロジェクトに参画できました。感動製品開発のソニースピリッツは直伝。先輩のノウハウをベンチマークしながら、体系的仕事のやり方、技術者育成法を学びました。品質… 続きを読む

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