作業抽出・カード作成 新QC七つ道具: アロー・ダイヤグラム法の使い方(その4)

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第8章 アロー・ダイヤグラム法の使い方

 

8.4 挑戦計画立案のためのアロー・ダイヤグラム法の基本ステップ

 
 

8.4.2 挑戦計画立案のためのアロー・ダイヤグラム法の基本ステップ

 
 前回のその3に続いて解説します。
 

Step  6:作業の抽出・カード作成

 
 前ステップであげた管理点をカード化し、コピーボード上のネットワークを参考にA1のロール紙の上に配置し、上流の管理点から先行作業・後続作業を抽出・カード化し、順次配置していきながらネットワークを形成します。
 

【ポイント 1】必ず全メンバーが参画する

 
 理由は、前ステップと同じです。改めて前ステップでの全員参加の意義を補足しますと、このステップでは各部署に具体的な負荷が発生する議論になるので、全員が前ステップを経ていることによりセクショナリズムの弊害を除くことができる、という意味があります。
 

【ポイント 2】時間的には数時間を予定する

 
 挑戦計画ともなれば作業数が最終的に二百数十になると思われますが、このような場合は、前ステップと合わせて6時間くらいがめどです。
 
 経験的には、午前中に前ステップ(管理点ネットワーク)と、このステップの最初の管理点に取りかかるくらいまでを終え、昼食休憩と1時間ぐらいの段取り時間をみて再開すると、その間の各人の思考時間がその後の作業に好影響を与えるようです。
 

【ポイント 3】ロール紙は3m、カードはKJ手帳サイズ1冊を用意する

 
 イベント数が二百数十になると、最長パスは40~50枚のカードになるので、KJ手帳サイズ(15×40mm)を使っても、全長は2~3mになります。
 
 カードは、あらかじめ中央に線を引いておき、上半分に作業名を、下半分に所要日数・担当職場などを記入します。
 
 カードの切り離しは、縦方向はミシン目を使わず、カードの幅にハサミで切っておき、横方向は、使うときに同じくハサミでカードのサイズに切り離して使います。こうするのは、仮止め状態でも結合点を記入できるし、コピーしたときカード周辺がきれいになるからです。カード枚数は、KJ手帳1冊(396枚綴り)で十分です。また、起点・終点用ラベルは、24×53mmがよいでしょう。
 

【ポイント 4】抽出した作業は順次カード化して配置する

 
 メンバー間で抽出した作業を書記係がカード化しますが、表現など要領が分かってくると各メンバー間で内容を確認の上、各自が抽出作業をカードに記入して提案するのがより効率的です。
 
 カードの配置は、仮置きなので神経質になる必要はないのですが、目安として直列の場合は結合点円(φ10mm)用に10~15mm、並列の場合は書き込みように10cmくらいあけておくとよいでしょう。ネットワーク上の管理点を起点にして、抽出、カード化、配置を順次同時進行させることにより、次のようなメリットがあります。
 
  • 抽出のための思考がネットワーク上で行われるので、抽出が漏れなく的確となる。
  • 前後関係が明確なので、作業名の表現が簡単になる。
  • リストアップ、カード化、ネットワーク配置といった作業を同時に進めるので効率がよく、時間が短縮できる。
 
 要するに、アロー・ダイヤグラム法の長所を、作業抽出にも生かそうというわけです。
 

【ポイント 5】ふと思いついた作業やアイデアはカード化しておく

 
 管理点を起点としたネットワーク上での系統的な抽出は、漏れなく効率的だが、その作業途上で、それとは関係ない作業やアイデアを思いつくことがあります。これらは、往々にして貴重なものが多いが、後でそれと関係したときに提案するつもりでいると忘れてしまうので、その場でカード化しておきます。
 

Step  7:作業カードの位置仮止め

 
 作業の抽出が終わり、作業カードの概略配置ができたところで、起点カードに近いところから、作業の内容、先行作業の欠落、並行作業にできないか、などのチェックをしながら、結合点(φ10mm)を挟んで順次作業カードを仮止めします。
 

【ポイント 1】仮止めは左端5mmの糊部を使う

 
 蝋紙の左端5mmくらいを切り落とし、露出した糊部で仮止めします。残った蝋紙部分は、作業カードの位置が最終的に決まるまでそのままとします。
 

【ポイント 2】作業に挑戦的内容を含んだものは別途リストアップしておく

 
 リストアップされた作業は、挑戦管理のステップ「不測事態への対応計画作成」の対象にします。
 

【ポイント 3】作業が先行作業と並列になり得るものはマークしておく

 
 Step13のポイント1で後述しますが、「金型設計製作」の先行作業は「正式図出図」ですが、「金型設計製作」を細分化した作業それぞれの開始要件を調べると、連...
 
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第8章 アロー・ダイヤグラム法の使い方

 

8.4 挑戦計画立案のためのアロー・ダイヤグラム法の基本ステップ

 
 

8.4.2 挑戦計画立案のためのアロー・ダイヤグラム法の基本ステップ

 
 前回のその3に続いて解説します。
 

Step  6:作業の抽出・カード作成

 
 前ステップであげた管理点をカード化し、コピーボード上のネットワークを参考にA1のロール紙の上に配置し、上流の管理点から先行作業・後続作業を抽出・カード化し、順次配置していきながらネットワークを形成します。
 

【ポイント 1】必ず全メンバーが参画する

 
 理由は、前ステップと同じです。改めて前ステップでの全員参加の意義を補足しますと、このステップでは各部署に具体的な負荷が発生する議論になるので、全員が前ステップを経ていることによりセクショナリズムの弊害を除くことができる、という意味があります。
 

【ポイント 2】時間的には数時間を予定する

 
 挑戦計画ともなれば作業数が最終的に二百数十になると思われますが、このような場合は、前ステップと合わせて6時間くらいがめどです。
 
 経験的には、午前中に前ステップ(管理点ネットワーク)と、このステップの最初の管理点に取りかかるくらいまでを終え、昼食休憩と1時間ぐらいの段取り時間をみて再開すると、その間の各人の思考時間がその後の作業に好影響を与えるようです。
 

【ポイント 3】ロール紙は3m、カードはKJ手帳サイズ1冊を用意する

 
 イベント数が二百数十になると、最長パスは40~50枚のカードになるので、KJ手帳サイズ(15×40mm)を使っても、全長は2~3mになります。
 
 カードは、あらかじめ中央に線を引いておき、上半分に作業名を、下半分に所要日数・担当職場などを記入します。
 
 カードの切り離しは、縦方向はミシン目を使わず、カードの幅にハサミで切っておき、横方向は、使うときに同じくハサミでカードのサイズに切り離して使います。こうするのは、仮止め状態でも結合点を記入できるし、コピーしたときカード周辺がきれいになるからです。カード枚数は、KJ手帳1冊(396枚綴り)で十分です。また、起点・終点用ラベルは、24×53mmがよいでしょう。
 

【ポイント 4】抽出した作業は順次カード化して配置する

 
 メンバー間で抽出した作業を書記係がカード化しますが、表現など要領が分かってくると各メンバー間で内容を確認の上、各自が抽出作業をカードに記入して提案するのがより効率的です。
 
 カードの配置は、仮置きなので神経質になる必要はないのですが、目安として直列の場合は結合点円(φ10mm)用に10~15mm、並列の場合は書き込みように10cmくらいあけておくとよいでしょう。ネットワーク上の管理点を起点にして、抽出、カード化、配置を順次同時進行させることにより、次のようなメリットがあります。
 
  • 抽出のための思考がネットワーク上で行われるので、抽出が漏れなく的確となる。
  • 前後関係が明確なので、作業名の表現が簡単になる。
  • リストアップ、カード化、ネットワーク配置といった作業を同時に進めるので効率がよく、時間が短縮できる。
 
 要するに、アロー・ダイヤグラム法の長所を、作業抽出にも生かそうというわけです。
 

【ポイント 5】ふと思いついた作業やアイデアはカード化しておく

 
 管理点を起点としたネットワーク上での系統的な抽出は、漏れなく効率的だが、その作業途上で、それとは関係ない作業やアイデアを思いつくことがあります。これらは、往々にして貴重なものが多いが、後でそれと関係したときに提案するつもりでいると忘れてしまうので、その場でカード化しておきます。
 

Step  7:作業カードの位置仮止め

 
 作業の抽出が終わり、作業カードの概略配置ができたところで、起点カードに近いところから、作業の内容、先行作業の欠落、並行作業にできないか、などのチェックをしながら、結合点(φ10mm)を挟んで順次作業カードを仮止めします。
 

【ポイント 1】仮止めは左端5mmの糊部を使う

 
 蝋紙の左端5mmくらいを切り落とし、露出した糊部で仮止めします。残った蝋紙部分は、作業カードの位置が最終的に決まるまでそのままとします。
 

【ポイント 2】作業に挑戦的内容を含んだものは別途リストアップしておく

 
 リストアップされた作業は、挑戦管理のステップ「不測事態への対応計画作成」の対象にします。
 

【ポイント 3】作業が先行作業と並列になり得るものはマークしておく

 
 Step13のポイント1で後述しますが、「金型設計製作」の先行作業は「正式図出図」ですが、「金型設計製作」を細分化した作業それぞれの開始要件を調べると、連携さえ緻密であれば、かなりの並行作業期間を手に入れることができる、といったケースです。このステップでこのようなめどを立てておくと、計画の日程短縮ニーズが出てきたときの対応が迅速になります。
 

【ポイント 4】チーム関連部署以外が関わる作業はマークしておく

 
 社内他部門(工場内他部署、他工場、本社)及び、社外(顧客、仕入先)が関わる作業は、プロジェクトへの影響度に軽重をつけてマークし、リーダーが責任をもってフォローする目印にします。
 
 次回、Step  8:アロー・ダイヤグラム(Ⅰ)の作成に続きます。
 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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