新QC七つ道具: マトリックス図法の使い方(その1)

 
 
マットリックス図法
 
 
 

第6章  マトリックス図法の使い方

6.1 基本計画立案時の検討範囲の欠落防止

 本章から、第2章で説明した「挑戦管理」にふさわしいN7の使い方の説明に入りますが、トップの専権に関わる“挑戦対象の決定”、すなわち、“どうなりたいために、何に挑戦するのか”は決定されたものとして、その高い目標に向かった挑戦が成功するための「挑戦計画」にふさわしいN7の使い方から入ります。その最初である本章では、基本計画立案時の「検討範囲の欠落防止」のためにふさわしい「マトリックス図法」の使い方の説明です。
 

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6.2 マトリックス図法とは

 マトリックス(matrix)という英語は、一般的には、物事の母体や基盤の意で、レコードの溝複製のための“母盤”を意味したりしますが、ここでは、マトリックス・データ(MD)解析法でも使った、数学用語の“行列(2次元的に配列された数表)”の方です。
 
 ただ、MD解析法とは違って、数学とは関係なく、行列の形(2元表)を表わす言葉として使っています。「マトリックス図法」としての定義は、N7提唱の書「管理者・スタッフの新QC七つ道具」(P.26)から、下記に紹介します。
 
 『マトリックス図法とは、問題としている事象の中から対になる要素を見つけだし、行と列に配置し、その交点に各要素の関連の有無や関連の度合いを表示することによって、2元的な配置の中から問題の所在や問題の形態を探索する。2元的な関係の中から、問題解決の着想を得る。など、この交点から「着想のポイント」を得て問題解決を効果的にすすめていく方法です。マトリックス図法では、用いるマトリック図をそのパターンにより、 L型マトリックス、 T型マトリックス、 Y型マトリックス、 X型マトリックス、 C型マトリックス、などに分類、命名しています』
 
 以上が、N7としての定義ですが、この連載で注目する「検討範囲の“欠落防止”」には触れられていません。しかし、「パソコン新QC七つ道具」二見良治著(日科技連出版) P.100に「マトリックス図法によって得た着眼点をもとに考えていくと、(中略)方策を漏れなく得ることができる」とあります。
 
 また、「研究開発ガイドブック」(日科技連出版) P.431でも、TA(テクニカル・アセスメント)の起点である科学技術の与えるインパクトを抽出する手段として“インパクト・マトリックス法”(注6-1) を紹介し「これにより、(中略)引き起こすインパクトを極めて網羅的に集め、それらの位置関係を示すことができる」とあります。
 
 以上2つの事例でも分かるように、マトリックス図法を実際に使ってみると、この「検討範囲の欠落防止」機能がポイントになることが多いのです。
 
 これは、L(2元)型を例にとると、行と列に記入された要素について、検討すべき点を“交点(マス)”で網羅する“マトリックス図”が持つ根源的な性質から来る効用で、語るまでもないともいえますが、マトリックス図法を使うとき、意識して念頭に置くべき貴重な効用の一つです。
 
 ところで、前掲書「パソコン新QC七つ道具」では、定義にある5種類に加え、“正五角形を中心に置いたマトリックス図”を6番目のタイプとしてあげ、「P型マトリックス」と命名し紹介しています。この“P”は、Polygon(多角形)の頭文字ですが、「今のところ六角形以上のマトリックスには遭遇していない」という著者二見氏の言を添えておきます。
 
 (注6-1) インパクトを与えるもの(Subject)を縦軸に、インパクトを受けるもの(Object)を横軸においたS・Oマトリックスにインパクトを表示する方法。
 

この記事の著者

浅田 潔

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