新QC七つ道具: PDCA-TC法の使い方(その1)

 
 
PDPC
 
【目次】
序論   ←掲載済
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方←今回
 

第10章 PDCA-TC法の使い方

10.1 不測事態への対応状況管理用手法

 いわゆる「新QC七つ道具」の説明は、前章のPDPC法で終わったので、この「PDCA-TC法」は8番目の手法説明です。
 
  “書名が「新QC七つ道具の使い方」なのに、なぜ8つなのか?”については、N7提唱のリーダーである納谷先生の「“新QC七つ道具”は元来道具箱の意味であって、それ以外に新QC七つ道具の考え方の中に入る有用な手法があるなら積極的にこれらを採り入れて活用することが期待される。現在のところ、候補の1つとしては、PDCA-TC(PDCA Tracing Chart)が有用として報じられている」(Engineers No.464、P.4:日科技連)との発言を受けた形の追加です。
 
 ただ、この追加は、単にそのような紹介を受けたからだけではなく、手法の技術的側面からも、「不測事態への対応状況管理用手法」として、この「PDCA-TC法」を採用することにより、本書のテーマの一つである「挑戦管理」が、より充実した形で完結するわけで、上で引用した言葉にある“N7の考え方に則した手法”といえるのではないかと考えています。
 

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10.2 PDCA-TC法とは

10.2.1 PDPC法のフォロー用としての活用

 本手法は、筆者のオリジナルによるもので、PDPC法のフォロー用としての活用をN7研で紹介したところ好評を得て活用されていますが、この機に開発経緯も含め取りまとめて紹介・説明します。
 

10.2.2 開発の経緯

 筆者の現役時代(1971年ごろ)、半年かけてPDCAのサイクルを7回まわして結論を得た実験結果についてリポートをもとに顧客に説明したところ、本来担当者に説明すれば済むはずが、係長、課長と3者に説明する羽目になり、ついに部長からの呼び出しを受けるに及んで困り抜き、PDCAのサイクルをチャート式にまとめたものを表紙に添付したのが原型で、リポートだけでの説明では、3者とも2~3時間かかってもすっきりしなかったものが、30分で終わり、「よく分かった。リポートは後で読んでおく」となったのでした。
 
 「図形思考法」という本(二見良治著、日科技連出版、1985年)がありますが、まさに「図形思考法」の威力を痛感する出来事でした。ちなみに、その実験経緯の特徴は次のようなものです。
 
  1. PDCAのサイクルが、7回もまわっている。
  2. 各サイクルの“C、A段階”における判断結果が複数で、しかも、相互(サイクル間も含む)に関連している。
  3. 文献など多くの外部情報が、各サイクルの進行に影響している。
 
 要するに、リポートでの逐次説明では、事の本質を伝えきれないのです。
 
 以上が開発の契機ですが、その後1N7研で知ったPDPC法のフォロー用に使ってみて後述するような効果があったので、そのことをN7研で紹介したところ好評で、N7研では市民権を得て活用されました。
 
 ここにご紹介するものは、このような事例(主として技術開発関連)に活用しつつ改良を重ねて到達したものに、今回執筆に際して検討した内容を加えたものです。
 

10.2.3 PDCA-TC:名前の由来

 当初は、その都度「~の経過フローチャート」としていましたが、N7研で納谷先生から手法としての命名依頼があり、内容をそのまま表現しました「PDCA-TC(PDCA Tracing Chart)」とし、1980年2月に開催された第2回「新QC七つ道具」シンポジウムで発表したところ、N7研の仲間からは、長過ぎる、PDPCと紛らわしい、とあまり評判が良くなかったのですが、「TQC推進のための方針管理」納谷嘉信著(日科技連出版、1982年、P.61)に「PDCA-TC」の名称で紹介を受け、オーソライズされた形で今日に至っています。
 
次回は、10.2.4 用途から解説を続けます。
 

この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

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