PERT (その6) 日程短縮

 

【PERTの連載目次】

1.スケジュール管理に使われる工程表
2.基本用語と基本ルール
3.作業時刻
4.余裕時間
5.クリティカルパス
6.日程短縮
7.フォローアップ
8.配員計画
9.最小費用による日程計画
10.まとめ及び用語の意味

6. 日程短縮

 
 ネットワークを作成して手順の相互関係を検討し、各作業に標準状態の見積りを入れる段階までをプランニングといいます。これに対して、計画全体を所定の目標に合った形に調整する手続きを一般にスケジューリングと呼びます。
 
 ネットワークが作成され、各作業の時間見積りをして、余裕時間、クリティカルパスが計算されると、標準状態でその工期に何日かかるかがわかります。しかし、その工事が与えられた工期に間に合えばよいが、完成工期を超えてしまっていたとすれば、クリティカルパス上の作業のいずれかを超えた日数だけ短縮しなければなりません。合理的に対策を立て易いのがネットワークの特徴です。図に沿って手法を説明します。
 
PERT
図6.1 ネットワークモデル
 
 図6.1においては、最終結合点に48日で到達できることがわかります。ここで工期が48日でちょうど間に合う状態とすれば、最遅終了時刻は48日でセットされ、余裕時間、クリティカルパスが計算されます。この場合は、図の表のように最大余裕時間が全て0またはプラスの場合となります。もし、工期を41日とすると日程を7日間短縮しなければならなくなります。そのためにはどこかの工程を短縮します。日程短縮の場合には、クリティカルパスだけでなく最大余裕時間の少ない経路についても着目しなければいけません。
 
 そこで、図6.2のようにまず、最終結合点⑩の ■ の中に希望日数41(48-41=7)を入れて、最大余裕時間を計算します。その結果、計算された最大余裕時間は図6.2のようになります。このように各結合点を計算していくと、クリティカルパス以外にもマイナス符号の付いた最大余裕時間をもつ経路(リミットパス)が現れます。
 
PERT
図6.2 最大余裕時間
 
 このままでは、ネットワークは完成しないため、作業の所要時間を短縮する必要が生じます。その手段として、マイナスの経路が発生する作業を考えてみましょう。図6.3の場合、-7の最大余裕時間は、①→②→③→④→⑤→⑦→⑨→⑩の経路に発生しています。また、-4の余裕時間は④→⑥→⑦に発生しています。このマイナスを消去するために作業③→④で2日、④→⑤で5日短縮すると、図6.4のようになります。クリティカルパスは7日短縮できるが、最終結合点には43日しか到着できず、目的通り全体を7日短縮できなくなります。その理由は、クリティカルパスだけ短縮してもその他のマイナスの余裕時間をもつ経路④→⑥→⑦が新たにクリティカルパスとなり。これによって工期が決定されるためです。そこで、図6.5のようにクリティカルパスを短縮するにあたり、相対的に長くなる経路④→⑥→⑦に対しても考慮すれば、クリティカルパスを7日間短縮すると同時に全体も目的通り7日短縮可能となります。
 
PERT
図6.3 マイナスの経路が発生する作業
 
PERT
 図6.4 マイナス消去の為の作業短縮
 
PERT
 図6.5 クリティカルパスの短縮
 
 したがって、日程短縮の手順として(-7)の余裕時間をもつクリティカルパスの経路と、(-4)の余裕時間をもつ経路の共通部分①→②&...
 

【PERTの連載目次】

1.スケジュール管理に使われる工程表
2.基本用語と基本ルール
3.作業時刻
4.余裕時間
5.クリティカルパス
6.日程短縮
7.フォローアップ
8.配員計画
9.最小費用による日程計画
10.まとめ及び用語の意味

6. 日程短縮

 
 ネットワークを作成して手順の相互関係を検討し、各作業に標準状態の見積りを入れる段階までをプランニングといいます。これに対して、計画全体を所定の目標に合った形に調整する手続きを一般にスケジューリングと呼びます。
 
 ネットワークが作成され、各作業の時間見積りをして、余裕時間、クリティカルパスが計算されると、標準状態でその工期に何日かかるかがわかります。しかし、その工事が与えられた工期に間に合えばよいが、完成工期を超えてしまっていたとすれば、クリティカルパス上の作業のいずれかを超えた日数だけ短縮しなければなりません。合理的に対策を立て易いのがネットワークの特徴です。図に沿って手法を説明します。
 
PERT
図6.1 ネットワークモデル
 
 図6.1においては、最終結合点に48日で到達できることがわかります。ここで工期が48日でちょうど間に合う状態とすれば、最遅終了時刻は48日でセットされ、余裕時間、クリティカルパスが計算されます。この場合は、図の表のように最大余裕時間が全て0またはプラスの場合となります。もし、工期を41日とすると日程を7日間短縮しなければならなくなります。そのためにはどこかの工程を短縮します。日程短縮の場合には、クリティカルパスだけでなく最大余裕時間の少ない経路についても着目しなければいけません。
 
 そこで、図6.2のようにまず、最終結合点⑩の ■ の中に希望日数41(48-41=7)を入れて、最大余裕時間を計算します。その結果、計算された最大余裕時間は図6.2のようになります。このように各結合点を計算していくと、クリティカルパス以外にもマイナス符号の付いた最大余裕時間をもつ経路(リミットパス)が現れます。
 
PERT
図6.2 最大余裕時間
 
 このままでは、ネットワークは完成しないため、作業の所要時間を短縮する必要が生じます。その手段として、マイナスの経路が発生する作業を考えてみましょう。図6.3の場合、-7の最大余裕時間は、①→②→③→④→⑤→⑦→⑨→⑩の経路に発生しています。また、-4の余裕時間は④→⑥→⑦に発生しています。このマイナスを消去するために作業③→④で2日、④→⑤で5日短縮すると、図6.4のようになります。クリティカルパスは7日短縮できるが、最終結合点には43日しか到着できず、目的通り全体を7日短縮できなくなります。その理由は、クリティカルパスだけ短縮してもその他のマイナスの余裕時間をもつ経路④→⑥→⑦が新たにクリティカルパスとなり。これによって工期が決定されるためです。そこで、図6.5のようにクリティカルパスを短縮するにあたり、相対的に長くなる経路④→⑥→⑦に対しても考慮すれば、クリティカルパスを7日間短縮すると同時に全体も目的通り7日短縮可能となります。
 
PERT
図6.3 マイナスの経路が発生する作業
 
PERT
 図6.4 マイナス消去の為の作業短縮
 
PERT
 図6.5 クリティカルパスの短縮
 
 したがって、日程短縮の手順として(-7)の余裕時間をもつクリティカルパスの経路と、(-4)の余裕時間をもつ経路の共通部分①→②→③→④及び⑦→⑨→⑩で7日間短縮することを考えます。それが不可能な場合は、その短縮可能な日数を④→⑤→⑦及び④→⑥→⑦の間で短縮し、(-7)と(-4)の余裕時間を消去することになります。この場合、できるだけ早めの作業で短縮することが推奨されます。
 
  

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この記事の著者

粕谷 茂

「感動製品=TRIZ*潜在ニーズ*想い」実現のため差別化技術、自律人財を創出。 特に神奈川県中小企業には、企業の未病改善(KIP)活用で4回無料コンサルを実施中。

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