3. 作業時刻
ネットワークは、作業順序の組み立てが終わり、図が完成すれば、次には時間の要素を組み込んで日程計画を立てることになります。工事は納期が決められているので、この時間的制約条件に対してそれぞれの作業時間を調整します。その管理に必要な管理時刻等を次に述べます。
(1)最早開始時刻
その結合点◯iにおいて、作業◯i→◯jが最も早く開始できる時刻を最早開始時刻と言います。最早開始時刻の表示方法は、このテキストでは図3.1のように▢で表示します。
図 3.1、最早開始時刻の表示
いま図3.2のようなネットワークの場合、時間計算の手順として、矢線の尾の接する結合点の最早結合時刻にその作業の所要時間を加えて矢線の頭の接する結合点の最早開始時刻とします。スタートを0として、①→②の作業に3日かかるとすれば、結合点②から後続する作業の開始可能日は3日になります。ただし、結合点④のように2つの作業が先行している場合には①→②→③→④の経路で8日間、①→②→④の経路で6日間となります。したがって、④の最早開始時刻は8日間となります。つまり、先行する作業群の最早終了時刻のうちで最も時間の多いものが後続作業の最早開始時刻となる...