PERT (その1) スケジュール管理に使われる工程表

 工程が複雑なプロジェクトでは、1つの工程が遅れると、その遅れが累積し、慢性的納期遅れ、開発の後戻り等を発生させます。そこで、プロジェクト全体を把握しながら、各工程の流れと、その工程にかかる日数を図解する方法を順次紹介します。うまく使いこなせば、遅れてはいけないポイントを洗い出せます。プロジェクトリーダーの基本スキルです。
 

1. 主な工程表

1.1 ガントチャート

 アメリカのガント(H. L. Gantt1861~1919)により提案された管理図表の一つです。時間を区切った図表に計画を示し、各計画に対応する時間の実績を逐次記入します。具体的には図1.1のように、作業項目(タスク)、開始日、完了(予定)日、作業内容、担当者、作業間の関連、マイルストーン等を記述します。ガントチャートを一言で表現すれば、何かの作業を進めていく「段取り」を項目別にまとめた表のことです。優れている点は、全体の計画を見える化し、ある時点における計画と実績がパッと見ただけで把握できることです。
 
ガントチャート
図1.1 ガントチャート
[注]
バーチャート、PERTと区別するために、ここではGanttが考えたシンプルなガントチャートを示しました。
 

1.2 バーチャート

 縦軸に作業項目をとり、横軸に時間(暦日等の月・日数)をとって、各作業の開始から終了までを棒状で表現した工程表のこと。見やすく、判り易い等の長所があるが、各作業の関連性や作業の余裕度がわかりにくい等のデメリットもあります。ガントチャートと似た表現方法であり、「棒(状)工程表」とも呼ばれています。実際には、建設工事で広く使われてきました。図1.2のように、縦軸に工期全体の出来高をとり、予定進捗曲線を記入しておけば進捗管理ができます。S字の曲線となることからSカーブとも呼ばれています。
 
PERT
図1.2 バーチャート
 

1.3 PERT

 PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、ある仕事を、要素作業に分解し、作業の順序関係を図1.3のようなネットワーク図で表します。作業をどんな順序で、いつ開始すれば、1つの仕事にかかる時間を最小にできるかを考える手法のことです。
 
PERT
図1.3 PERT
 
 プロジェクトの開始から終了に至るまでの仕事の処理時間にクリティカルパス(遅れてはならない作業を繋いだパス=余裕のない経路)を明確にして、予定工期までにプロジェクトを完成できるかどうかの計画の実行可能性を検討し、管理の重点を明らかできます。主に土木建築工事の工程管理、研究開発、ソフトウェア開発等におけるスケジュール短縮化に活用されています。PERTの作業手順は以下のようになります。
 
(1)作業を分解する。
(2)作業間の前後関係の明確にする。
(3)作業に要する時間を予測する。
(4)作業を矢印で繋ぎ、全工程をネットワーク図で表し、総作業時間を見積もる。
(5)クリティカルパスを発見し、短縮化を図る。
 

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1.4 主な工程表の比較

表1.1 主な工程表の特徴 
PERT
 
 主な工程表の特徴を4段階の基準で整理したものが表1.1になります。この表から判断できることは、短期の工事や単純な作業はガントチャート、数カ月以上の工事や複数の利害関係者が係わるものはバーチャート、不確実性要素の多いプロジェクトは、PERTが適していると判断できます。
  

この記事の著者

粕谷 茂

「感動製品=TRIZ*潜在ニーズ*想い」実現のため、差別化技術力、自律人財創出を支援します。

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