プロジェクト管理:プロジェクトを可視化する重要性(その4)

 

5.進捗は伝える相手を明確に

 最後に、進捗を見える化したメトリクスを紹介します。進捗については、ほとんどの組織で何らかの定量化が行われていますが、定量化したデータの活用はなかなか進んでいません。その原因は、進捗を伝える工夫が十分ではないことにあります。とくに、誰に分かってもらうのかという視点が不足しています。
 
 進捗を可視化する際に最も重要なことは,トップマネジメント(上級管理者)にプロジェクトの進捗を分かりやすく(分かってもらえるように)伝えることです。進捗の可視化は、プロジェクト内では解決できない課題に対してトップマネジメントに動いてもらうためのツールなのです。同様にプロジェクトに直接かかわっていないキーパーソンに協力を仰ぐためのツールでもあります。
 
     
プロジェクトマネジメント
                                               図5.アクティビティセンター
 
 図5は、一つの指標で進捗を表現した例です。「アクティビティセンター」とよぶ指標で、トップマネジメントにも一目で進捗を把握してもらうことを狙っています。開発工程を縦軸に取り、横軸には時間軸(図5 では1週間単位)を取ります。その週で実施している作業の広がりを上下の線で表し、その工数重心をプロットすれば、時間経過とともに開発作業の進み具合が分かります。全体の開発工程の中で、プロジェクトの過去と現在が分かるわけです。さらに、予定線を加えて予定と実績とを比較できるようにすれば、作業が計画通りに進んでいるのかどうかも一目で把握できるようになります。図5を見ると、12月末ぐらいからプロジェクトが遅れたこと、そして、予定も実績もグラフが蛇行していることから、計画段階から手戻りがあることを想定しており、実際にも手戻りが発生していることが分かります。計画段階から非効率な進め方になっていたわけです。
 
 今回は、メトリクスとは何か、そしてプロジェクト管理にメトリクスを利用することがどういうことなのかを、実例を使って紹介しました。次回は、このようなメトリクス管理の仕組みをシステマチックに構築するための方法を紹介します。
 

この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

社会や生活を変える「ものづくり」と、そんな製品やサービスを開発する「ひとづくり」を行う組織づくりのために、日科技連石川賞を受賞した仕組み改革の実績や、オリンピック金メダルを生んだコーチング技術を活用した意識改革の実績など、持っているリソー…

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