プロジェクト管理:プロジェクトを可視化する重要性(その8)

 
 前回までは、メトリクスを利用したプロジェクトの進ちょく管理の仕組みを構築する方法を解説しました。今回は、ここから少し範囲を広げたメトリクスの仕組みとして、1.マトリクス組織における開発進ちょく管理、2.個人の行動(振る舞い)へのフィードバックの、二つを解説します。
 

11.マトリクス組織での仕組み

 多くの開発組織では、プロジェクト軸と技術要素軸によるマトリクスの組織構成を取っています(図1)
 
    
プロジェクトマネジメント
                     図1.プロジェクト軸と技術要素軸のマトリクス組織
 
 プロジェクト軸は、高機能型と普及機、あるいは国内向けと北米向けというような製品系列による分類です。一方、技術要素軸は電子回路、機構、ソフトといった、開発に必要となる技術による分類です。マトリクス組織では、この両方の軸に責任者を置き、技術者は両方の軸の責任者から指示を受けて、進ちょくを報告します。
 
 マトリクス組織にする理由は、プロジェクトごとに技術者を専任化したのでは製品開発をこなせないからです。技術者に同時に複数プロジェクトを担当してもらうことで、従来の技術者数で、今まで以上の開発プロジェクト数をこなしたいのです。
 
 従って、マトリクス組織での開発は、通常よりも精密で複雑なプロジェクト管理が要求され、そのためメトリクスによる進ちょく管理の仕組みが非常に有効なのです。次に、マトリクス組織におけるメトリクスを利用した管理の仕組みを解説します。
 

(1)役割分担の明確化

 最初にすべきことは、プロジェクト軸と技術要素軸それぞれにおける役割分担の明確化です。プロジェクト単位にはプロジェクト・マネジャー(PM)もしくはプロジェクト・リーダー(PL)という責任者、技術要素単位にはグループごとに責任者〔グループマネジャー(GM)もしくはグループリーダー( G L )〕がいます。
 
 PM/PLとGM/GLの役割を明確にすることが重要です。プロジェクトの進ちょく管理やプロジェクトのQCD(品質・コスト・納期)は、PM/PLの責任、技術者などのリソースのアサインと調整、担当している技術要素の開発効率と品質の改善はGM/GLの責任と考えるのが基本です。
 
  次回、その9は、11項(2)進ちょく管理から解説をはじめます。
 

この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

社会や生活を変える「ものづくり」と、そんな製品やサービスを開発する「ひとづくり」を行う組織づくりのために、日科技連石川賞を受賞した仕組み改革の実績や、オリンピック金メダルを生んだコーチング技術を活用した意識改革の実績など、持っているリソー…

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