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パラメータ設計 (その2)

 

3.コストがかからない方法とは

 
品質工学
ばらつきの対処方法としては、次の4点などが行われます。
 
  ① 公差や、機械設備の管理を厳しくする。
  ② ばらつきの少ない部品を購入する。
  ③ 加工や検査の工程を追加する。
  ④ ばらつきを補正する機構を追加する。
 
 しかし、これらはコストがかかり現実的ではありません。では、コストがかからない方法はあるのでしょうか。様々なばらつきに対して影響を受けにくい設計を、コストを掛けずに行おうとする場合には、「品質工学」の力を借りることになります。
 

(1)品質工学とは

 品質工学は、「ばらつき」に強い設計をするための手法です。別名「ロバスト設計」とも呼ばれるように、様々なばらつき原因に対してロバストな(頑健な、影響されにくい)技術/製品を最短期間で能率よく開発・設計する手法です。
 
 品質工学は実験計画法の大家である田口玄一博士によってよって創始されましたが、実験計画法にはない、ロバストネス(robustness)という概念を持ち込み、それを実現する道筋を示し、実験計画法とは異なる独立した分野に発展しました。 
 

(2)パラメータ設計とは

 ロバストネスを実現するための設計の最適化手法は品質工学の中で「パラメータ設計」と呼ばれます。設計パラメータ(制御因子)を最適化することによって、ばらつきの原因(誤差因子)に対して強い、影響を受けにくい設計を実現する手法です。
 
 いろいろな設計パラメータに対して誤差因子によって揺さぶりをかけて、最も安定な設計条件を見つける、というのが基本的な考え方です。また、設計パラメータのいろいろな組合せ条件を「直交表」で発生させて実験することにより、実験能率の向上を図っています。
 

(3)2段階設計とは

 二段階設計は、パラメータ設計の実質的な部分で、品質工学の真骨頂とも言える部分です。実験計画法を駆使して、パラメータ(条件)を決めます。その点は、実験計画法そのものなのですが、パラメータの決め方が、二段階からできているので、二段階設計と呼ばれます。 二段階設計の一段階目が、ロバスト設計という考え方から来ている部分です。
 
 ばらつきを小さくしてから、目的の物性値に動かすという手順です。平均値と標準偏差という言葉を使うなら、 標準偏差を小さくできる条件をまず見つけ、それから、平均値が目的の値になるように調整するとも言えます。この順序が逆だと、品質のばらつきに振り回されることになると提言しています。
 

4.大切なフロントローディング

 ものづくりは開発の早い段階に負荷を掛けて、コストと品質の作り込を行い、その結果、総負荷を低減するとともに、開発期間も短縮させます。ロバスト設計は、まさに製品開発のフロントローディングであり、製造段階のコスト削減や、市場へ出てからのクレームをゼロにする最も有効な手段と考えられます。
 

5.開発設計方式の重大な問題点

 タグチメソッドを組織的に活用し、開発プロセスの改革を推進する必要があると言われています。
 

(1)現在の開発方式の問題点

 設計 ⇒ 第一次試作 ⇒ ノイズを加えて試験 ⇒ 改良
 第二次試作 ⇒ ノイズを加えて試験 ⇒ 改良 ・・・
 量産 ⇒ 市場投入 ⇒ 品質トラブル流出
 
 一般的な開発プロセスは、このようなステップで行われています。これでは、開発期間、費用はかさんでしまい、なおかつ完全には品質が安定せずに、多数の品質トラブルに追いまくられることになります。
 

(2)タグチメソッドの開発方式(2段階設計法)

 ノイズに強い設計 ⇒ 目標値に調整する
 量産 ⇒ 市場投入 ⇒ 品質トラブルは最小化
 
 タグチメソッドでは、作ってからノイズに強いかどうか試験するのではなく最初にノイズに強い設計にすることです。タグチメソッドの体系を企業の開発方式に組み込めば、現在の開発の問題点の多くが解決できると考えられます。
 
 自動車に例を取るならば、騒音などの問題が市場クレームとなったとき、騒音という特性に対して、その要因となっているシリンダー、ピストン、ピストンリングの形状、寸法、材質などに改良を加えることになる。そして、図面や規格で規定します。
 
 しかしながら、使用部品の信頼性は、図面や規格だけでは規定できません。タグチメソッドの中心的な考えは、この部品のばらつきや使用環境などのノイズに対するロバストネスを源流である技術開発段階で追求しようとするものなのです。
 

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(はまだ かねお) / 専門家B / 高崎ものづくり技術研究所

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