現場の観察と分析 物流マンが備えるべきスキル(その2)

更新日

投稿日

サプライチェーン

◆ 観察力と分析力

 荷主から値下げを要請されることはありますが、同時に物流効率化の要請を受けることもあります。荷主はサプライチェーントータルを効率化したいと考えていますので、単純な値下げ回答では不十分となるのです。では荷主からそのような要請を受けたらどうしたら良いでしょうか。まず提示された荷主の物流データから見えたことを回答する必要があるでしょう。

 現時点での積載率や荷姿充填率のデータを見て、的確な回答ができることが物流マンとして備えておくべきスキルの一つだと考えられます。

 荷主から相談を受けた場合、荷主の物流現場を見ることもあるでしょう。ではその時に何に注目し、どのような意見を荷主に返すことができますでしょうか。

 これは結構重要なポイントなのです。その物流マンの実力のほどはともかくとして、荷主は物流マンを「物流のプロ」だと考えているのです。ですから、何か相談を持ち掛ければアドバイスをもらえると思われていることに気づく必要があります。

 そこで慌てず、適切な回答ができるように日頃から訓練しておきましょう。その訓練の一つとして現場観察力があります。本来あるべき物流とはどのような姿であるかを頭に入れておきます。そしてその「理想形」からずれているポイントを見つけるのです。

 

 次のように『ジャストインタイムの7つのムダの視点』は物流における観察力を養うためにも効果的です。

  • つくりすぎのムダ
  • 手待ちのムダ
  • 運搬のムダ
  • 加工そのもののムダ
  • 在庫のムダ
  • 動作のムダ
  • 不良をつくるムダ

 これらの視点で物流現場を見ることで、物流工程におけるムダが浮かび上がってくるのです。さらにお客様からお金をいただけるもの、すなわち付加価値作業があります。逆にこれ以外の作業は原則ムダだといえますので、こうい...

サプライチェーン

◆ 観察力と分析力

 荷主から値下げを要請されることはありますが、同時に物流効率化の要請を受けることもあります。荷主はサプライチェーントータルを効率化したいと考えていますので、単純な値下げ回答では不十分となるのです。では荷主からそのような要請を受けたらどうしたら良いでしょうか。まず提示された荷主の物流データから見えたことを回答する必要があるでしょう。

 現時点での積載率や荷姿充填率のデータを見て、的確な回答ができることが物流マンとして備えておくべきスキルの一つだと考えられます。

 荷主から相談を受けた場合、荷主の物流現場を見ることもあるでしょう。ではその時に何に注目し、どのような意見を荷主に返すことができますでしょうか。

 これは結構重要なポイントなのです。その物流マンの実力のほどはともかくとして、荷主は物流マンを「物流のプロ」だと考えているのです。ですから、何か相談を持ち掛ければアドバイスをもらえると思われていることに気づく必要があります。

 そこで慌てず、適切な回答ができるように日頃から訓練しておきましょう。その訓練の一つとして現場観察力があります。本来あるべき物流とはどのような姿であるかを頭に入れておきます。そしてその「理想形」からずれているポイントを見つけるのです。

 

 次のように『ジャストインタイムの7つのムダの視点』は物流における観察力を養うためにも効果的です。

  • つくりすぎのムダ
  • 手待ちのムダ
  • 運搬のムダ
  • 加工そのもののムダ
  • 在庫のムダ
  • 動作のムダ
  • 不良をつくるムダ

 これらの視点で物流現場を見ることで、物流工程におけるムダが浮かび上がってくるのです。さらにお客様からお金をいただけるもの、すなわち付加価値作業があります。逆にこれ以外の作業は原則ムダだといえますので、こういった見方も物流マンには必要かもしれません。

 また物流工程のムダを定量的に示すことが物流マンに求められるわけですが、そのためには工程分析やワークサンプリングといった分析手法は使えるようにしておいた方が良いでしょう。ムダを数値化し、相手が納得いく説明が必要ですが、そのための分析力は物流マンには欠かせないアイテムなのです。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その8)

1. ブルウィップ効果を取りあげる理由    前回の連載『最先端のSCMテーマS&OP』では、その実現のためには「SCMオペレーショ...

1. ブルウィップ効果を取りあげる理由    前回の連載『最先端のSCMテーマS&OP』では、その実現のためには「SCMオペレーショ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その9)

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...


フールプルーフを導入しよう 物流品質の向上 (その6)

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
輸送コスト:物流コスト改善に取り組む(その2)

  ◆ 輸送コストの構成要素 運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。多分大...

  ◆ 輸送コストの構成要素 運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。多分大...


作業系ITサポートツール 物流をマネジメントできるシステム(その1)

        世の中多くの領域でIT化が進み、業務効率も以前に比べて見違えるほど効率化しました。これはエラーでも同じことです。ミスを回避する手段が...

        世の中多くの領域でIT化が進み、業務効率も以前に比べて見違えるほど効率化しました。これはエラーでも同じことです。ミスを回避する手段が...


稼働分析とは:物流スタッフの効果的育成法(その4)

  ◆ 稼働分析にチャレンジ  今保有している資源をどこまで有効に活用しているかを知ることは重要です。今回は改善手法の一つ「稼働分析」に...

  ◆ 稼働分析にチャレンジ  今保有している資源をどこまで有効に活用しているかを知ることは重要です。今回は改善手法の一つ「稼働分析」に...