トラック同期生産とは:SCMの本質(その2)

投稿日

SCM

 

◆トラック同期生産とは

サプライチェーンの全体リードタイムを短縮するために必要となるのが同期生産です。すべての工程が同じスピードで動いていくことで、途中の余分な滞留を防ぐことができます。前後工程を同期化していくことはサプライチェーン効率化にとっては必須条件となるわけです。工場の中の工程にとどまることなく、会社間をまたがっての同期化も必要です。

 

この会社間をまたがる同期化とは、すべての工程が同じ情報で動くということです。つまり予測で生産計画をつくるのではなく、確定情報で生産計画を立案し、それに従ってモノづくりを行うということになるのです。会社間をまたがって同期化することは簡単なことではありません。なぜなら途中に「輸送」という工程が入るからです。

 

輸送工程は大抵トラックにて行われると思います。トラックは一定のサイズがありますから、その大きさを無視してスカスカで走らせることはムダを生じさせます。そこで発想を変えて、トラックに合わせた生産を行うということを考えてみてはいかがでしょうか。今まで輸送は生産を行った結果の荷物を運ぶという姿勢だったと思います。

 

これをあらかじめトラック満載になるように、そしてトラック出発時刻の少し前に生産が終わるように計画をつくるのです。これを行うことで、トラックの積載率をキープできますし、トラックの出発時刻を常に気にすることで、トラックを待たせることも少なくなると考えられます。

 

もしトラック一杯になる荷量があるのであれば、この考え方で生産計画を組んでみてはいかがでしょうか。これも同期生産の一つです。それはトラックに同期しているからです。

 

次にモノの調達について考えてみましょう。生産用部品は協力会社から調達することになりますよね。この調達の仕方もSCMの重要な機能になります。サプ...

SCM

 

◆トラック同期生産とは

サプライチェーンの全体リードタイムを短縮するために必要となるのが同期生産です。すべての工程が同じスピードで動いていくことで、途中の余分な滞留を防ぐことができます。前後工程を同期化していくことはサプライチェーン効率化にとっては必須条件となるわけです。工場の中の工程にとどまることなく、会社間をまたがっての同期化も必要です。

 

この会社間をまたがる同期化とは、すべての工程が同じ情報で動くということです。つまり予測で生産計画をつくるのではなく、確定情報で生産計画を立案し、それに従ってモノづくりを行うということになるのです。会社間をまたがって同期化することは簡単なことではありません。なぜなら途中に「輸送」という工程が入るからです。

 

輸送工程は大抵トラックにて行われると思います。トラックは一定のサイズがありますから、その大きさを無視してスカスカで走らせることはムダを生じさせます。そこで発想を変えて、トラックに合わせた生産を行うということを考えてみてはいかがでしょうか。今まで輸送は生産を行った結果の荷物を運ぶという姿勢だったと思います。

 

これをあらかじめトラック満載になるように、そしてトラック出発時刻の少し前に生産が終わるように計画をつくるのです。これを行うことで、トラックの積載率をキープできますし、トラックの出発時刻を常に気にすることで、トラックを待たせることも少なくなると考えられます。

 

もしトラック一杯になる荷量があるのであれば、この考え方で生産計画を組んでみてはいかがでしょうか。これも同期生産の一つです。それはトラックに同期しているからです。

 

次にモノの調達について考えてみましょう。生産用部品は協力会社から調達することになりますよね。この調達の仕方もSCMの重要な機能になります。サプライチェーンの上流工程がこの部品調達なのです。前工程はサプライヤーですから、SCMの原則からいえばサプライヤーにも同期してもらうということになります。

 

先ほどのトラック合わせ生産をサプライヤーに行ってもらい、自社がトラックを仕立てて引き取りに行くという方法が考えられます。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その13)

1.例えば単価10万円の商品で考えて見ましょう    前回のその12に続いて解説します。商品単価が安い商品なら品切れも欠品も、消費者にとって...

1.例えば単価10万円の商品で考えて見ましょう    前回のその12に続いて解説します。商品単価が安い商品なら品切れも欠品も、消費者にとって...


スピードこそがサプライチェーンのコア・コンピタンス

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...


サプライチェーンマネジメントの最終目標とは

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流業の知名度向上:物流の地位向上とは(その5)

  ◆物流業の知名度向上 一部の物流企業がテレビCMを打っています。これはその会社だけではなく、物流業の知名度向上に役立つ活動だと思いま...

  ◆物流業の知名度向上 一部の物流企業がテレビCMを打っています。これはその会社だけではなく、物流業の知名度向上に役立つ活動だと思いま...


提案営業とは 提案型物流営業の基本(その1)

       (1) 提案型営業のできる人財を育成  3PL企業の人財育成の狙いとして必ず上位に来るのが提案型営業のできる人財を育成するという...

       (1) 提案型営業のできる人財を育成  3PL企業の人財育成の狙いとして必ず上位に来るのが提案型営業のできる人財を育成するという...


非効率な物流自動化:物流現状把握の重要性(その5)

  ◆ 非効率な物流自動化  ムダな投資が実際に発生している事例を紹介します。ある工場では工程間運搬を効率化するために無人運搬車を導入し...

  ◆ 非効率な物流自動化  ムダな投資が実際に発生している事例を紹介します。ある工場では工程間運搬を効率化するために無人運搬車を導入し...