しつこく繰り返して、発見や発明を生んだ事例1-噴射式復水器、蓄音機-

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット

 
 産業革命を推進する原動力となった蒸気機関。その実用化に成功したのは、イギリスの技術者ジェームズ・ワットです。蒸気の力を利用したポンプとしては、すでに、パパン機関やそれを発展させたニューコメン機関などが考え出されていました。ニューコメンの蒸気機関は鉱山などで実際に使われていたのですが、蒸気の消費量が多いので、効率が悪く不経済という欠点がありました。
 
 ワットは、科学器具製造業の経験を経て、グラスゴー大学で精密機械製造を担当していました。その間に彼は、物理学、化学、力学などをはじめ、幅広い科学的知識を得ています。あるとき、ニューコメン機関の修理をする機会に恵まれた時、ワットは、蒸気についての基礎知識があったため、その欠点にすぐに気がつき、改良に取り組むことになります。
 
 ワットは、蒸気の性質を詳しく調べることから始めます。そして、これまでのようにシリンダーごと中の蒸気を冷やすのではなく、蒸気を外に出して冷やす方法を考えつきました。この効率アップの装置が噴射式復水器です。噴射式復水器の開発によって、蒸気の圧力そのものによってピストンを動かす真の蒸気機関が誕生したといえます。その後、ワットは往復運動を回転運動に変える改良を加え、動力源としての実用化を進めました。
 

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2.電信の自動送受信機を研究し、音を録音・再生する蓄音機の原理を発明した、アメリカの発明王 トーマス・アルバ・エジソン

                                  
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 生涯に1093点もの特許をとった発明王エジソン。だが、彼が発明王と呼ばれるゆえんは、数多い発明の中でもやはり蓄音機を発明したことにあります。音を記録、再生するというのは、それまでにないまったくユニークな発想でした。ところが、蓄音機は他のことを研究中に偶然生まれたものです。エジソンが30歳の1877年、電信の研究中に、自動的に電信を送受信する機械をつくろうとしていました。
 
 彼の構想は、紙の円盤に刻み目をつけて電信文を記録し、円盤を回転させると、刻み目が小さなテコを上下させ、連動したスイッチで自動的に電信を送るというものでした。しかし、研究中彼は奇妙な音に気づきました。テコの振動によって音が出ていました。そこで彼は、「人の声を刻み目に記録すれば、その声を再生できるはず」と直観的に思いつきました。エジソンは不眠不休で取り組みました。紙ではなく錫箔を貼った円筒をつくり、人の声で振動膜が振れると針が刻み目を彫る装置をとうとう完成させました。そして、彼は、あの有名になった『メリーさんの羊』を大声で歌いました。針をもとにもどし、円筒を回転させると、見事エジソンの声が再生されていたのでした。
 
                 出典:「ひらめきの法則」 髙橋誠著(日経ビジネス人文庫)

この記事の著者

髙橋 誠

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