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QUESTION 質問No.429

研究開発テーマ

設計・開発アイデア発想法 |投稿日時:
お世話になります。
初めて質問させて頂きます。
よろしくお願い致します。

私は地方の中小企業(土建屋)の研究所に勤めています。

本業とは全く違った分野で何か売れるものを作って欲しい
ということで、研究所では環境浄化材料の開発を行なって
きました。一応、開発した材料の特許も取り、商品にも
なり、売り出しましたが思ったように売上げが上がりませんでした。

開発も含めて10年ほど行ないましたが、このテーマは
オーナー判断でもう終了という方向になりました。

ちなみに、研究所には数人しかおらず、開発、製造、営業など
一連のことを全て行なっています。
また、人数も少ない為、一つのテーマだけを皆で行なって
きました。

次の開発テーマを決めないといけないのですが
会社からは『何か売れるもの』『本業とは別分野』
という曖昧な指示しかありません。

本業とは別分野なので、営業から顧客のニーズを聞く等
出来ませんし、特許部の社員も本業に特化していて協力が
得られません。

その上、研究所は来年度から2人になってしまいます。

来年度中に新しい研究開発テーマを決定し、スタートしないと
ならないのですが、どのように探して良いのかわかりません。

地方の中小企業の2人しかいない研究所で本業とは全く別で
何か売れるものの研究開発テーマってどのように探したら
良いでしょうか?

皆様のお知恵をお貸し頂けたら幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

もくもく様

はじめまして。
ものづくりドットコム登録専門家、新規事業・新商品開発コンサルタントの川崎響子と申します。

来年度中に2名で、本業以外の売れる研究開発テーマを決めるという非常に難しいミッションをお受けしたのですね。

本オーダーは「本業以外」と「2名」でという条件がポイントになりそうです。
「本業以外」という条件ですが、御社の将来の経営戦略、例えばどういった分野・ターゲットに進出したいというトップの意志を確認できる指標はないでしょうか?
例えば、医療分野や環境分野などといった大きなカテゴリでもあるならば、そこをヒントにまずはインターネットなどでトレンド調査を行うことをおすすめします。
「2名」という条件ですので、インターネット調査や官公庁や民間企業が発行している未来予測年表から既存技術と相乗効果が狙えるアイディア出しを行うことで効率的に進められます。

もし指標がないのであれば、目標の商品リリース時期や売り上げ規模からターゲットや商品を仮説し、オーナー様ともくもく様(研究所メンバー)で協議することがよいと考えます。
おそらくオーナー様も明確な答えが出せない状況であるかと推察しますので、ボトムアップで仮説と検証を繰り返し、双方向のコミュニケーションで開発テーマを決めることが売れる研究開発テーマの最短経路かと考えます。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

社長から開発を命じられる、しかも本業以外で売れるモノを、という難題?をいただいたわけですね。「よく知らない分野で売れるモノをなんて、簡単にできるもの?」と社長に聞いてみたい、そんな状況ではないでしょうか。

ひとつ言えることは、開発要員を本業以外にあてることができる御社は優れた企業ではないか、ということです。開発できる余裕がある企業、開発者にとってこのことは大事で貴重なことでではないでしょうか。

もしかしたら「もくもく」様の本当のお悩みは、「楽しく仕事したい」ということかもしれませんね。かつての開発で出した特許出願の権利化や商品化でわくわくした楽しみはありましたでしょうか。もしなかったとしたら、現在もやりたいことが見つかっていないとしたらそのままのお気持ちで仕事を続けるのはしんどいと思います。仮にそのようなお気持ちでしたら、覆せるだけの「切り換え」が「もくもく」様にも会社にとっても必要な気がいたします。

そのようなお悩みの場合、悩みの解決方法はないか。例えば、社長に正式に報告する前のアイデアは自由ではないでしょうか。そうでしたら思いっきり本業から考えてみられてはいかがでしょうか。本業のアイデアではあるが、異業種にも使えるものでしたら、社長も納得してくれる可能性があります。つまりアプローチを改善してみることです。常に成功するとは申せませんが、本業のほうに楽しさがあるのでしたら現状よりプラスの感情になるかと思います。ということでアプローチを改善する工夫を考えられてはいかがでしょうか。

さて、本題です。新しいご発明(開発テーマ)を考えるのでしたら、
1.関心のある従来技術(発明)があれば、類似する従来技術をできるだけ複数(数が無ければ一つでもよい)集め、それらの発明をもっと優れたものに改良(優れた全く異なる発明に飛躍)するための課題(問題点)を全て挙げる。
2.従来技術の発明の肝の部分(発明のうち最も大事な必要最小限のからくり)を見つけ、その部分の課題に絞って拾い集める。
3.絞って拾い集めた課題群から全ての課題を包含する一つの大きな(上位概念の)課題の文言を見つける。
4.その大きな課題がいずれの従来技術に載っていないか、つまり課題が新しいかどうかを確認する(ここで更なる緻密な従来技術の公知例調査とそのためのスキルが必要になることが多い)。
5.一応新たらしいと確認した課題を解決するための発明を全て列挙する(物の発明、方法の発明及び製造方法の発明がのうち考えられる発明を含む)。
6.特許請求の範囲を検討する(上位概念の発明、中位概念の発明及び下位概念の発明の抽出を含む)。
7.適宜公知例調査(他者権利侵害調査を含む)を追加しつつ開発を実行する。

かなり大雑把ですが、こうした検討を必要に応じて上記の意味が少しでも理解できる専門家とご一緒になさることが考えられます。
もっと詳しくお知りになりたいようでしたら、その旨コメントいただければもう少し情報を提供するご用意があります。
がんばってください。




ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

もくもく様、

川崎専門家や菊池専門家の回答にもありますように、兎に角、まずはたくさんのアイデアを創造し続けることをお勧めします。今は質よりも量が大切です。どんなにくだらないアイデアでも、すべて保存しておいて下さい。きっとアイデアのデータベースができるでしょう。

ある程度の量のアイデアが溜まったら、次の段階に進むことができます。この段階では、色々なアイデアを組み合わせて、さらに新しいアイデアを創造していきます。

ところで発明を促すツールにTRIZというものがあります。TRIZは4万件の特許情報を元にGenrich Altshullerによって生み出されましたが、Altshullerによれば、

レベル1. 既存の技術や知識の応用による特許(32%)
レベル2. 既存の分野における小さな技術発明や改善(同分野の技術知識の応用)(45%)
レベル3. 既存の分野における大きな技術発明(他分野の技術知識の応用)(18%)
レベル4. 新しい科学的発明(他の科学技術の応用)(4%)
レベル5. 発見(新しい科学)(1%)

さらにAltshullerによれば、

- レベル1から3(95%を占める)の特許は、他の分野からの技術移転
- レベル1については発明ではないく、すでに知られた技術
- レベル5についてはほとんどない
- TRIZを使えば、レベル2から4(67%を占める)の発明を促すことができる

と、いうことです。

もくもく様も、まったく新しい奇をてらったアイデアを創造する必要はなく、既存の技術の組み合わせから始めてみてはどうでしょうか。

もし既存の技術を組み合わせたときに矛盾が生じたら(例えば、Aを上げるとBが下がる)、TRIZを使えばさらに新しいアイデアが生まれます。

それが売れる商品になるかどうかは、コンセプトの選択、マーケティングの4Pなどにもかかってくるので一概には言えません。しかしもし私が”もくもく様”の立場でしたら、「リーン・スタートアップ」の手法を使って、潜在的な顧客と一緒に新しい商品を開発すると思います。またアイデアを商品化するときに技術的な課題があれば、DFSS(Design for Six Sigma)という手法も使うでしょう。

少しでも参考になりましたら、幸いです。




ANSWER
回答No4 | 投稿日時:

全く違った分野の開発、本当に大変ですね。

ご自身の経過に記載されているように、開発、製造に成功しても「売れるとは限らない」、いや、売れる可能性はかなり低いのが実態です。

効率よく検討を進めるためのアプローチを以下に記載します。

①目的を明確にする
 「売れる」のが目的でしたら、行っていることが「目新しい製品」ですと行動に不一致が発生していますから、出発段階から困難を抱えることになります。
 「目新しい製品」=「売れる」は事実(現実)でしょうか?それとも一般論からくる思い込みでしょうか?
 もしかすると異分野の製品で何かを売る、という指示自体が別の目的を持っているかも知れません。まず、そこの考えの共有を深く進めることが必須になります。

②何を売るのか決める
 エンジニアは当たり前のようにコストに見合う「性能」「機能」が製品が提供する価値だと考えていますが、購入する側はその判断で動かないことが多いのです。
 例えば、ご自身の趣味の関連で購入した製品は「必要な性能を一番低いコスト」で購入していますか?「他ではだせない臨場感」とか「他で手に入らない」などの価値観を満足させる作用で判断しているはずです。
 もちろん、価格競争で売れるものはたくさんありますが、本当にそうであるなら、何も考えずに「既存製品よりとにかく安い」で既存市場で戦う戦略になります。
 ちなみに、最近は米国のシェアーズが破綻するなどディスカウント路線の行きつく先はかなり厳しいものがあります。

 まとめますと、「製品という入れ物に入れたどんな満足を売るか」になります。
例を記載するなら、昔、テレビは家具のように立派なつくりで見栄えが大切でした。そこに手のひらに乗る小型テレビを持っていっても売れないのです。
 「いつでもどこへでも持っていけるテレビ」という「新たな満足の価値観」を教えないと「価値が分からない」のです。
 道にダイヤモンドが落ちていても同じです。食べられないし、エネルギーを生み出すわけでもないし、何も教えられなければ価値は感じないのです。でも、市場で凄い価格がつくと教えられて「価値を感じる」ようになります。
 当たり前に思えるかもしれませんが、エンジニアは製品にもこのプロセスを考える必要があります。

③手順・手段を決める
 ここは①②が決まれば案が自然に出来上がります。注意することは「手順・手段」が目的化しないように注意すること。目的のためには躊躇なく初案は改訂、棄却することです。また、改訂、棄却されるとしても「手順・手段」を最初に定めておくことはゴールまで行きつくための軌道修正に必須です。

④手段の調達
 技術、生産、伝え方の調達が必須になります。技術、生産は探せばたいてい調達できると思います。
多くの場合のボトルネックは「伝え方」です。②で説明したように「価値」を伝えられなければ製品のニーズが生まれないからです。
 お客様の手元で使われてこそ技術の意味がある、と私は考えています。
私の方法でなくても構いませんので、試しに、そういう分野の情報も対象してみたらいいのではと思います。

ちなみに、「伝え方」を使ったアプローチを採用されたエンジニアは皆さん楽しそうに仕事されてます(自分が価値を創り出していく仕事にワクワクされています)。

紙面では伝えられる情報がかなり限られています。
ご興味がありましたらお気軽にご連絡下さい!




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回答No5 | 投稿日時:

もくもく様
テクノスケープの内藤と申します。

専門家の皆様方のご指摘のとおり、難しいミッションですが、研究開発テーマを探すことはできると思います。この質問を投稿されて4ケ月が過ぎているので、すでに何らかの活動をされていると思います。

新しい製品や開発テーマを探すためには拠り所になる指標が欲しいところですが、それがない場合は保有技術や強み弱みなど、自社の現状分析から始めるのがよいと思います。それに世の中のトレンドを重ね合わせて、市場ニーズを予測して、自社技術との相乗効果のあるものを抽出するのがよいでしょう。

私は米国で最新技術や市場の動向調査をして、それを日本企業の皆様に提供しています。上記のトレンド分析の部分で具体的なお手伝いができるのではないかと思います。

しかし、本件の最大の課題は、選定した研究開発テーマにどのように取り組むか、そしてそれを本当に売れる形で事業化できるかです。

売れる製品を開発するための方策としては、やはり市場のニーズを把握して「マーケット・プル」の形にするのが理想です。

もう一つ重要な点は製品化までの時間です。次も10年かけるのは許されないので、目標としては3年くらいでしょうか。こんな短期間でゼロから製品化までもっていくのはほぼ不可能です。そこで「オープンイノベーション」の考え方を導入することをお勧めします。オープンイノベーションは“手法”ではなく“考え方の総称”なので決まった方法論はありません。御社に合わせた“手順”を考えるところから始めることになります。

まずは、自社の現状分析をしていただいて、その上で個別にご相談いただければ、具体的な進め方を議論できると存じます。

ご検討をお祈りしています。