トラック合わせ生産とは ものづくりと物流の同期化(その2)

投稿日

 
  物流
 

1. 後工程は、お客様

 後工程はお客様という言葉があります。職種を問わず自分の仕事の後工程はすべてお客様であり、お客様のためになる仕事をやっていこうという趣旨です。製造会社で物流が軽視されがちだということをお話しましたが、この思想に基づけば間違った発想であると言わざるを得ません。もちろん、この思想がなくてもこの時代に物流を軽視することは企業経営にとってマイナスであることは言うまでもありません。
 
 生産統制が取れていない場合、好き勝手にものづくりを行い、その結果として在庫に振れが出てしまう場合があります。その影響、特にマイナスの影響を物流が受けていることは改めなければなりません。
 

2. 出荷トラックに合わせた生産とは

 トラック合わせ生産という生産方式があります。これはその名の通り、出荷トラックに合わせた生産を行うことを指します。トラック1台が満車になるように生産を調整します。ちょうどトラック1台分となる生産ロットを組むということです。
 
 即ちこれはものづくりが物流に同期化している典型的な例なのです。これはお客様へお届けする時刻から逆算し、トラック出発時刻や生産完了時刻、生産開始時刻などを決めていくことになります。
 
  • お客様到着 翌日14時
  • トラック出発 翌日11時
  • 荷揃え完了 翌日10時
  • 生産完了 翌日9時
  • 生産着手 当日16時
 
 このようにお客様到着時刻からさかのぼって各...
 
  物流
 

1. 後工程は、お客様

 後工程はお客様という言葉があります。職種を問わず自分の仕事の後工程はすべてお客様であり、お客様のためになる仕事をやっていこうという趣旨です。製造会社で物流が軽視されがちだということをお話しましたが、この思想に基づけば間違った発想であると言わざるを得ません。もちろん、この思想がなくてもこの時代に物流を軽視することは企業経営にとってマイナスであることは言うまでもありません。
 
 生産統制が取れていない場合、好き勝手にものづくりを行い、その結果として在庫に振れが出てしまう場合があります。その影響、特にマイナスの影響を物流が受けていることは改めなければなりません。
 

2. 出荷トラックに合わせた生産とは

 トラック合わせ生産という生産方式があります。これはその名の通り、出荷トラックに合わせた生産を行うことを指します。トラック1台が満車になるように生産を調整します。ちょうどトラック1台分となる生産ロットを組むということです。
 
 即ちこれはものづくりが物流に同期化している典型的な例なのです。これはお客様へお届けする時刻から逆算し、トラック出発時刻や生産完了時刻、生産開始時刻などを決めていくことになります。
 
  • お客様到着 翌日14時
  • トラック出発 翌日11時
  • 荷揃え完了 翌日10時
  • 生産完了 翌日9時
  • 生産着手 当日16時
 
 このようにお客様到着時刻からさかのぼって各工程の時刻を決めていくのです。いかがでしょうか。ものづくりと物流が同期化することで余分な在庫を防ぐことができるとともに、物流ロスも削減することが可能になるのです。一足飛びにこのレベルに達しなくても、まず物流が生産ラインから完成品を引き取るタイミングを決めることだけから始めても良いかもしれません。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
調達物流 儲ける輸送改善 (その4)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その10)

   第10回 道具7「物流会社指導マニュアル」  前回のその9に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 &n...

   第10回 道具7「物流会社指導マニュアル」  前回のその9に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 &n...


SCM構築の必要性・目的を明確にすることの重要性 SCM最前線 (その4)

 前回のその3に続いて解説します。    3. SCM構築が進まない最大の理由:SCM構築の必要性と目的が曖昧  ...

 前回のその3に続いて解説します。    3. SCM構築が進まない最大の理由:SCM構築の必要性と目的が曖昧  ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流5機能の中で最重要な機能とは パッケージングエンジニアリング(その1)

  ◆ 物流5機能の中で最も重要な機能  この連載で何度も取り上げていますが、物流には次の5つの機能があるといわれています。 輸送...

  ◆ 物流5機能の中で最も重要な機能  この連載で何度も取り上げていますが、物流には次の5つの機能があるといわれています。 輸送...


後工程はお客様:後工程合わせの仕事で効率化(その1)

  ◆ 後工程はお客様   工場でも物流倉庫でも後工程の要請に合わせて仕事をしなければならないところですが実態はいかがでしょうか。仕事を...

  ◆ 後工程はお客様   工場でも物流倉庫でも後工程の要請に合わせて仕事をしなければならないところですが実態はいかがでしょうか。仕事を...


共同で取組む物流

1. 物流資源の共同利用  物流はボリュームを集めることで効率が向上する特徴があります。現在の物流を見ていると、小刻みに実施される傾向が強く、この特...

1. 物流資源の共同利用  物流はボリュームを集めることで効率が向上する特徴があります。現在の物流を見ていると、小刻みに実施される傾向が強く、この特...