エネルギー原単位の見える化とは

 
  
生産マネジメント
 
 今回は、エネルギー原単位の見える化について解説します。
 

1. エネルギー原単位の見える化について

 エネルギー原単位を見える化する目的は、生産エネルギーを物理軸や事業軸・工程軸にリアルタイム(例えば、10分単位)に可視化し、エネルギー異常を把握し原因を把握し問題解決に活用したり、ものづくり改善効果の確認を容易にすることで、エネルギーや施設・人員などの経営リソースの最適化を行うものです。
 
 経営ソリースの最適化といっても抽象的ですので、もう少し噛み砕くと、把握した生産エネルギーに対し、閾値(しきい値)を設けることで現場監督者や管理者・経営陣の意思決定を迅速化したり、環境経営に向けた取り組みに活用することです。
 

2. エネルギー原単位の戦略的活用のステップ(例)

 まずはエネルギーセンジング技術を活用し、一次データとして電力、ガス、水、蒸気、温湿度、稼働状況、音、映像などを入手する必要があります。また工場毎などの物理軸、事業セグメント毎の事業別、組立や加工・検査といった工程毎に、しかも経営判断が可能なタイミング(頻度)と粒度でデータを入手します。
 
 次にセンジングデータの内容や傾向を調査・診断します。例えば、日・月年などのトレンドを見たり、各工程や工場毎の生産台数と電力消費量を比較し、例えば各工程の負荷設備の瞬間電力量と電力使用量を如何に抑えるかなどを検討します。この時、しきい値との比較から、現在のエネルギー使用量の妥当性を判断することになります。
 
 そのうえで、生産量や品質、コスト、設備保全、安全衛生などの経営視点からセンシングデータを横串で管理し、エネルギーの異常をリアルタイムで把握し、異常に対してタイムリーに対応する仕組みを構築するのです。そうすることで、エネルギーや施設・人員・生産などの経営リソースの最適化につなげることが可能となります。
 

3. EMSの構成とツールに関して

 エネルギー見える化ツール(EMS)に依存するよりまずは今ある粒度のデータを使い、入手可能なタイミングで、上記にあるようなしきい値管理をされることが良いでしょう。
 
 そのなかで経営リソースを最適化するには工場毎や事業毎、工程毎にどのようなデータがどのようなタイミングで必要かが把握できます。その上で、世の中にあるツール類と貴社の要望事項のフィットギャップ分析を行い、貴社に最適なツールを見つけられた方がよろしいでしょう。ツールありきで考えず、最も効果を上げる仕組みや改善を行った後に考えるべきです。
 

この記事の著者

野中 帝二

労働人口が減少する中、生産性を維持・向上しつつ、収益性を向上するための支援を行います。特に自律的な改善活動の醸成や少子高齢化での経営など労働環境変化に対応した解決策をサポート致します。

労働人口が減少する中、生産性を維持・向上しつつ、収益性を向上するための支援を行います。特に自律的な改善活動の醸成や少子高齢化での経営など労働環境変化に対応...

無料会員登録でさらにあなたに特化した情報を手に入れましょう。

①「生産工学」の関連記事が掲載されたらメールでお知らせ

②専門家「野中 帝二」先生に記事内容について直接質問が可能

③他にも数々の特典があります。