シックスシグマ (その3) 問題・課題解決型サイクル DMAIC

1.DMAICサイクルの概要

 前回のその2に続いて解説します。DMAICはDefine、Measure、Analysis、Improve、Controlの5つの活動フェイズのイニシャルを繋げた名称で、問題・課題解決に用いられるシックスシグマの代表的活動サイクルです。ディマイック、ドゥメイクなどと呼称されます。DMAICはPDCAに似ていますが、これはシックスシグマが日本の品質管理システム、改善活動をお手本に米国式にチューニングされたからです。元々DMAICは最初のDが無くてMAICでしたが、GE社によってDefineフェイズが加わりました。
 

(1)Define:定義  問題・課題の現状把握とプロジェクトのゴールを設定します

 問題のビジネス的背景や、ネガティブインパクト、将来的な拡大含め現状認識し、解決する為の具体的な取り組み内容と達成目標を数値で定義します。プロジェクトメンバーや活動タイムラインと合わせ、これらをプロジェクトチャーターに記載します。
 

(2)Measure:測定  現状把握を行うためのデータ収集と測定方法の決定

 問題解析の為に収集する情報パッケージを決定し、データ収集を行います。次のAnalyzeでの分析を考え、紐付けして収集するデータセットを吟味します。またデータの信頼性を担保する為、測定システムの評価を行います。改善前の工程能力算出も行います。
 

(3)Analyze:分析  問題点や因果関係の把握及び要因推定

 採取したデータを解析し、ゴールとのギャップを把握します。改善対象Yのばらつきを生み出している要因を見出します。データを解析し、要因の中でYへの影響力が大きい、制御すべき要因を抽出します。
 

(4)Improve:改善  改善策立案と検証実験の実行

 改善対象Yと、Yへ著しい影響を与える主要因Xとの関係を伝達関数Y=f(x)として設定します。Yのばらつきを抑制し顧客が許容出来る範囲に収める(規格内)ため、Xの制御範囲を決め、実際の効果を検証します。
 

(5)Control:効果確認  対策効果の確認と標準化

 対策実行後、再度工程能力の測定を行い改善効果が確実且つ継続的であるか評価します。目標を達成していれば、効果を定着・持続するために標準類の制定、現場へのトレーニング及び、顧客を含めた利害関係者への説明を行います。
 
        
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図1.DMAICサイクルイメージ
 
 これらのフェイズ(Phase:段階を意味する)は一方通行では無く、必要に応じて活動の中で何度も行き来します。例えばMeasureフェイズで採取したデータをAnalyzeフェイズで分析した所、追加でデータの採取が必要になる等の場合が該当します。
 

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2.DMAICの各フェイズの詳細

 開発・新規ビジネスへのシックスシグマの活用について、DMAICサイクルに伴う活動は、様々な経営上の問題や課題の解決に応用できますが、次のような場合は別のアプローチが必要となります。
 
 ・一部プロセス変更では目的の達成が困難で、新しいプロセスへの置き換えが必要な場合
 ・既存のプロセスを改善するだけでは顧客の要求する品質を達成できない場合
 ・全く新しい製品やサービスを開発する場合
 
 上記のようなケースでは、企業は目的を達成する為にコアプロセスを新規若しくは再設計する必要が生じます。この様なプロセス新規設計・再設計にシックスシグマを応用する場合をDFSS(Design for Sixsigma)と言います。DFSSは顧客の声に始まり、顧客の声に終わると言うほどVOC把握を重視してプロセス設計を行います。DMAICの様な汎用的な活動サイクルの雛形はありませんが、DMADVやIDOV等がポピュラーです。どちらも基本的な進め方は大きく違いません。
 
・Identify:確認  VOCを集めCTQを明確にする
・Design:設計  重要特性を決め、それを生み出す新プロセスを設計する 
・Optimize:最適化  より効果的なCTQを見出し、設計の最適化を図る 
・Validate:検証  試作品を流動し、目標とのギャプを検証する
 
 DFSSでは、QFDDOE、DFMEAなどの開発段階で有用なツールや手法が用いられます。シックスシグマの基本的考えは顧客要望を満たすようばらつきを最小限に抑える事です。開発業務への応用も同じ考えに基づいており、顧客ニーズに十分にマッチした(即ちばらつきが少ない)製品やサービスを開発する事で、低COPQを実現します。
  

この記事の著者

眞名子 和義

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