リフレーミングとは、メンタルモデルを変え、新しい視点や理解を生む

投稿日

リフレーミングとは、メンタルモデルを変え、新しい視点や理解を生む

 

清掃でメンタルモデルを変えると、職場清掃が意識改革と生産性向上をもたらします。清掃時間を通じたリフレーミングと、メンタルモデル変革を目指しましょう。毎日同じ環境や状況の中で仕事をしていると、小さな変化を見逃します。今回は、それに気付いたメンバー達のリフレーミングのおはなしです。

【目次】

    1. 清掃時間を通じたリフレーミング

    ある加工職場で、清掃時間の場面に出会いました。メンバー全員がウエスを持ったり、ホウキを持ったりしながら、設備を拭いたり床を掃いていました。メンバー全員で意見を出し合い、1日15分の清掃時間を決めたそうです。これは、毎日15分という短い時間ですが、1週間で合計75分になります。

     

    そして、昼勤と夜勤を合わせると、2倍の時間を清掃に割くことになります。この間、生産を止めて清掃時間を充てるなんて、素晴らしい!と感じました。そして、私も手伝いたいと思い、腕まくりをしながら加工機の清掃を手伝いました。

     

    2. リフレーミング:人は意識しないと情報を処理できない

    すると、たった1分もしないうちに、エアーの漏れる音に気付きました。エアーの配管から、高圧空気が漏れていたのです。一緒に加工機を清掃していたメンバーに話をすると「言われるまで気にしていなかったです。」とのこと。

     

    その後、一緒にエアー漏れの箇所を探すと、なんと3箇所も見つけることができました。これでは、相当なコストの流出です。

     

    人は意識していることには気づけますが、すべての情報を処理することはできません。情報の選択をしているため、意識していない情報は処理されないのです。言い換えると「意識出来ない」のです。

     

    今回の清掃では、エアー漏れという現象が、脳内で処理されていなかったようです。私が伝えたことで、メンバーたちのメンタルモデルが変わり、たくさんのエアー漏れを発見できました。

     

    メンタルモデルとは、人が物事を理解するために持つ心の中の枠組みやパターンのことです。私は「物の見方/捉え方」とよくおはなしをします。私達の脳は、問題だと思って見ると問題として捉え、問題にならないと思って見ると、問題事象なのに問題だと認識できないのです。

     

    しかし、メンタルモデルを変えることで、新しい視点や理解が生まれ、問題解決の能力が高まります。これを促す行為をリフレーミングと言います。リフレーミングは、問題を新しい視点から捉え直すことで、新たな解決策や気づきを生む手法です。

     

    清掃は単なる作業ではなく、リフレーミングを促すことが重要です。問題や課題の発見、そして解決につながる能力を育みながら人財育成を進めてこそ、真の目的を果たせます。

    関連解説記事:メンタルモデル でムダを清掃する

     

    3. リフレーミング:何に気づかせるべきか

    ただ拭いたり掃除をするだけでなく、リフレーミングを与える清掃を行うことで、多くの発見や気づきが得られます。

     

    今回紹介した、加工機清掃の話しには、清掃時間は単なる掃除だけでなく、メンタルモデルの変革や問題解決のきっかけにもなり得ることを示しています。工場での清掃は、単なる環境整備だけでなく、チーム全体の発展や問題解決能力の向上にも繋がる可能性があるのです。もちろん、この時、メンバー全員で気付いたこ...

    リフレーミングとは、メンタルモデルを変え、新しい視点や理解を生む

     

    清掃でメンタルモデルを変えると、職場清掃が意識改革と生産性向上をもたらします。清掃時間を通じたリフレーミングと、メンタルモデル変革を目指しましょう。毎日同じ環境や状況の中で仕事をしていると、小さな変化を見逃します。今回は、それに気付いたメンバー達のリフレーミングのおはなしです。

    【目次】

      1. 清掃時間を通じたリフレーミング

      ある加工職場で、清掃時間の場面に出会いました。メンバー全員がウエスを持ったり、ホウキを持ったりしながら、設備を拭いたり床を掃いていました。メンバー全員で意見を出し合い、1日15分の清掃時間を決めたそうです。これは、毎日15分という短い時間ですが、1週間で合計75分になります。

       

      そして、昼勤と夜勤を合わせると、2倍の時間を清掃に割くことになります。この間、生産を止めて清掃時間を充てるなんて、素晴らしい!と感じました。そして、私も手伝いたいと思い、腕まくりをしながら加工機の清掃を手伝いました。

       

      2. リフレーミング:人は意識しないと情報を処理できない

      すると、たった1分もしないうちに、エアーの漏れる音に気付きました。エアーの配管から、高圧空気が漏れていたのです。一緒に加工機を清掃していたメンバーに話をすると「言われるまで気にしていなかったです。」とのこと。

       

      その後、一緒にエアー漏れの箇所を探すと、なんと3箇所も見つけることができました。これでは、相当なコストの流出です。

       

      人は意識していることには気づけますが、すべての情報を処理することはできません。情報の選択をしているため、意識していない情報は処理されないのです。言い換えると「意識出来ない」のです。

       

      今回の清掃では、エアー漏れという現象が、脳内で処理されていなかったようです。私が伝えたことで、メンバーたちのメンタルモデルが変わり、たくさんのエアー漏れを発見できました。

       

      メンタルモデルとは、人が物事を理解するために持つ心の中の枠組みやパターンのことです。私は「物の見方/捉え方」とよくおはなしをします。私達の脳は、問題だと思って見ると問題として捉え、問題にならないと思って見ると、問題事象なのに問題だと認識できないのです。

       

      しかし、メンタルモデルを変えることで、新しい視点や理解が生まれ、問題解決の能力が高まります。これを促す行為をリフレーミングと言います。リフレーミングは、問題を新しい視点から捉え直すことで、新たな解決策や気づきを生む手法です。

       

      清掃は単なる作業ではなく、リフレーミングを促すことが重要です。問題や課題の発見、そして解決につながる能力を育みながら人財育成を進めてこそ、真の目的を果たせます。

      関連解説記事:メンタルモデル でムダを清掃する

       

      3. リフレーミング:何に気づかせるべきか

      ただ拭いたり掃除をするだけでなく、リフレーミングを与える清掃を行うことで、多くの発見や気づきが得られます。

       

      今回紹介した、加工機清掃の話しには、清掃時間は単なる掃除だけでなく、メンタルモデルの変革や問題解決のきっかけにもなり得ることを示しています。工場での清掃は、単なる環境整備だけでなく、チーム全体の発展や問題解決能力の向上にも繋がる可能性があるのです。もちろん、この時、メンバー全員で気付いたことを話し共有しました。多くのメンバー達が、あらたな気付きとエネルギーロスの認識を深めたとのことでした。

      • 清掃時間の目的はなにか?
      • 何に気づかせるべきか?
      • 気付きをどのように共有するか?

       

      清掃時間を通じたリフレーミング、メンタルモデルの変革や問題解決のきっかけにして、その意味を再度考えてみましょう。

       

      ◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!
       【ものづくり セミナーサーチ】 セミナー紹介:国内最大級のセミナー掲載数 〈ものづくりセミナーサーチ〉 はこちら!

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      坂田 和則

      現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

      現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!


      「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      物流技能向上プログラムの導入 物流人財育成(その6)

        【物流人財育成 連載目次】 1.物流マンへの期待値 2.物流IEを育成する 3.物流技術スタッフを育成する 4.物流現場管理を...

        【物流人財育成 連載目次】 1.物流マンへの期待値 2.物流IEを育成する 3.物流技術スタッフを育成する 4.物流現場管理を...


      問題解決を停滞させるメンタルモデルの違いとは

        ◆ メンタルモデルの違いに気付くことが、問題解決の第一歩 問題解決には問題分析も大切なのですが、その問題の構造を捉え「問題定義」を統...

        ◆ メンタルモデルの違いに気付くことが、問題解決の第一歩 問題解決には問題分析も大切なのですが、その問題の構造を捉え「問題定義」を統...


      内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その13)

        「6つのルールと18の書き方」に関し、「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方...

        「6つのルールと18の書き方」に関し、「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方...


      「人財教育・育成」の活用事例

      もっと見る
      【SDGs取り組み事例】環境対策を基盤に、働き甲斐と経済成長を実現 株式会社エフピコ

      サステナブルな社会を目指した“人の輪づくり” 地球温暖化など環境問題が重要な社会課題として世界的に認識され、その保護気運の高...

      サステナブルな社会を目指した“人の輪づくり” 地球温暖化など環境問題が重要な社会課題として世界的に認識され、その保護気運の高...


      人材の課題 伸びる金型メーカーの秘訣 (その20)

       今回、取り上げる金型メーカーは、I 精機株式会社です。同社は、高い職人技術で、金型製作から試作板金、部品加工まで幅広く手がけてきましたが、今後はその職人...

       今回、取り上げる金型メーカーは、I 精機株式会社です。同社は、高い職人技術で、金型製作から試作板金、部品加工まで幅広く手がけてきましたが、今後はその職人...


      名選手、名監督にあらず:物流管理者の育て方(その1)

        ◆ 名選手、名監督にあらず 昔から「名選手、名監督にあらず」ということが言われています。プロ野球でもよくあることです。一流選手が監督...

        ◆ 名選手、名監督にあらず 昔から「名選手、名監督にあらず」ということが言われています。プロ野球でもよくあることです。一流選手が監督...