動機付けでチームの安全意識を高めるには

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人的資源マネジメント

 

私たちの行動は、モチベーションの高さで決まります。モチベーションが高ければ、意識も高まり、その行動の『質』が高まると同時にパフォーマンスも比例して高まります。そして、この動機には「内的動機付け」と「外的動機付け」があります。

 

内的動機付けとは、自らの意志でモチベーションを高め、意識の向上や行動量を増やすことを指し、外的動機付けとは、周囲の人や環境によりモチベーションが高まり、意識の向上や行動量が増えることを指します。

 

安全衛生を例にとると、内的動機付けと外的動機付けにより、安全意識が高まり安全行動が増えることで、組織やチームの安全性が高まり災害を予防することができます。モチベーションの高まったチームや組織では、事故やミスが4割減ったというデータも文献で紹介されています。今回は「動機付けでチームの安全意識を高めるには」を解説します。

【この連載の前回:コーチングスキルを身につけて、リーダーシップを発揮しようへのリンク】

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1.どのようにして動機付けを促したらよいでしょうか?

リーダーにできるチームのモチベーション向上施策は外的動機付けです。そして、リーダーの動機付けで、メンバーの安全意識と行動に変容を与えるのです。外的動機付けには、安全衛生教育や訓練を施し、その力量を高め、メンバーの知識と技能を高めることが効果的です。

 

しかし、これだけでは足りないのです。

 

どんなに、知識と技能が身に付いたとしても、メンバーの”意識”が高まらない限り、安全行動が増えることはありません。そう、リーダーは、メンバーの”意識”をも高めなければならないのです。そして、”意識”の向上と共に安全衛生に対するモチベーションが向上します。

 

リーダーがチームの”意識”やモチベーションを高める方法として、良好なコミュニケーションがその1つとして上げられます。具体的には、「解りやすい説明」です。

 

解りやすい説明のためには、視覚・聴覚/言語覚・情動覚を刺激しながら説明をすると良いでしょう。私は、ホワイトボードに絵と文字を書きながら話し、メンバーの視覚・聴覚/言語覚を刺激するよう説明します。そして、ワークや実習を含めた「体を動かす」ことを行いつつ、情動を刺激するように実践しています。

 

併せて、説得力のある説明も必要です。

 

説得力のある説明とは、メンバーが「これをやれば自ら得をする」と思わせるような説明です。その安全行動をとることでメンバーがどのようなメリットが未来に渡って生じるのか、を伝えなければなりません。

 

2.安全衛生管理の新しい領域へ

安全衛生管理を含め、様々なシーンでリーダーの説明力と説得力が試されるため、リーダーには、それなりのコミュニケーション訓練も必要でしょ...

人的資源マネジメント

 

私たちの行動は、モチベーションの高さで決まります。モチベーションが高ければ、意識も高まり、その行動の『質』が高まると同時にパフォーマンスも比例して高まります。そして、この動機には「内的動機付け」と「外的動機付け」があります。

 

内的動機付けとは、自らの意志でモチベーションを高め、意識の向上や行動量を増やすことを指し、外的動機付けとは、周囲の人や環境によりモチベーションが高まり、意識の向上や行動量が増えることを指します。

 

安全衛生を例にとると、内的動機付けと外的動機付けにより、安全意識が高まり安全行動が増えることで、組織やチームの安全性が高まり災害を予防することができます。モチベーションの高まったチームや組織では、事故やミスが4割減ったというデータも文献で紹介されています。今回は「動機付けでチームの安全意識を高めるには」を解説します。

【この連載の前回:コーチングスキルを身につけて、リーダーシップを発揮しようへのリンク】

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1.どのようにして動機付けを促したらよいでしょうか?

リーダーにできるチームのモチベーション向上施策は外的動機付けです。そして、リーダーの動機付けで、メンバーの安全意識と行動に変容を与えるのです。外的動機付けには、安全衛生教育や訓練を施し、その力量を高め、メンバーの知識と技能を高めることが効果的です。

 

しかし、これだけでは足りないのです。

 

どんなに、知識と技能が身に付いたとしても、メンバーの”意識”が高まらない限り、安全行動が増えることはありません。そう、リーダーは、メンバーの”意識”をも高めなければならないのです。そして、”意識”の向上と共に安全衛生に対するモチベーションが向上します。

 

リーダーがチームの”意識”やモチベーションを高める方法として、良好なコミュニケーションがその1つとして上げられます。具体的には、「解りやすい説明」です。

 

解りやすい説明のためには、視覚・聴覚/言語覚・情動覚を刺激しながら説明をすると良いでしょう。私は、ホワイトボードに絵と文字を書きながら話し、メンバーの視覚・聴覚/言語覚を刺激するよう説明します。そして、ワークや実習を含めた「体を動かす」ことを行いつつ、情動を刺激するように実践しています。

 

併せて、説得力のある説明も必要です。

 

説得力のある説明とは、メンバーが「これをやれば自ら得をする」と思わせるような説明です。その安全行動をとることでメンバーがどのようなメリットが未来に渡って生じるのか、を伝えなければなりません。

 

2.安全衛生管理の新しい領域へ

安全衛生管理を含め、様々なシーンでリーダーの説明力と説得力が試されるため、リーダーには、それなりのコミュニケーション訓練も必要でしょう。そして、そのリーダーへの教育訓練効果が高まり、継続してその能力を発揮していることを確認するために「コミュニケーション監査」も行うと良いでしょう。

 

この監査も、簡単にできます。安全文化を向上するポイントは次の3点です。そして、安全文化は、組織やチームのコミュニケーション力で左右されるのです。

  • 解りやすい説明。
  • 説得のある説明。
  • コミュニケーション監査。

 

 

 

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この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

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