問題解決が進まないチームには、同じような「クセ」がある

投稿日

人的資源マネジメント

 

問題の再発防止策を立てたはずなのに、また再発してしまう。これは、本当に辛いモノです。ありとあらゆる手を尽くしたにもかかわらず、再発してしまった時の「虚無感」は、ただ立ち尽くすしかないのです。問題解決が進まず 「問題の慢性化」 傾向の強いチームには、3つの特徴が見られます。今回は、その特徴についてのおはなしです。

 

1. 繰り返す不具合

ある現場では、作業ミスが続発し、その原因として「作業者の不注意」ということが挙げられていました。そして「朝礼で注意喚起をした」という改善策が取られていました。しかし、いつまでたってもその作業ミスが無くならず、リーダーが現場に対する不信感を持ち現場も疲弊し、職場の雰囲気も悪循環ループに陥っているという状況でした。

 

職場の雰囲気は悪くなり、問題は再発し続ける。下手をすると職場崩壊となってしまう寸前の状態だったのです。このチームでは、何が起こっていたのでしょうか?そして、どのような悪い問題解決のパターンが繰り返されていたのでしょうか?

 

2. あなたの職場は、大丈夫ですか?

問題解決が進まないチーム の行動にはクセがあるのです。それを捉えるだけでも、チームの問題解決行動は変えられます。『なんとかしたい・・・』という工場長からの相談をいただき、このチームが過去に行った原因追及や対策立案に関わる書類を読んで確認したところ、ある特徴が見えてきました。

 

その特徴とは「原因は、作業者の不注意でした」と必ず書類に書いてあることでした。対策に関しても「注意喚起を行った」や「注意喚起のため、掲示/標示物を貼った」という内容がほとんどでした。さらにチームの問題解決行動を分析すると、次の3つの特長を見つけ出すことができました。

 

3. 問題解決が進まないチームの特長

(1)なぜ?問題が発生したかという理由を、問題解決の原理原則に従って検討していなかった。

この職場の場合、リーダーの過去の経験と知識のみで問題解決が行われており「ロジカルシンキング」や「なぜなぜ分析」など、問題解決ツールが一切使われていなかったのです。そのために、問題の捉え方を誤っていたり、問題を分解して考えるなどの問題解決を円滑に進めるというアクションがとられていませんでした。

 

(2)原因は1つだと思い込んで、ほかの原因に気付こうとしない。

問題は、複数の原因が絡み合うように発生するケースが多いにも関わらず、1つの原因を見つけると安心してしまい、対策完了と思い込み、再発を止められなかったのです。

 

(3)対策内容に具体性がなく、現場で何をどのように注意すれば良いのか解らない。

作業ミスの原因をプロセスを立てた形で導いていないため、リーダー自身も対策内容を解りやすく説明と説得をすることができなかった。また、対策を立てても現場の納得感が得られておらず長続きしない状況でした。対策内容に具体性がないと、現場に対策が浸透しません。

 

4. まとめ

あなたの職場は、大丈夫でしょうか。問題...

人的資源マネジメント

 

問題の再発防止策を立てたはずなのに、また再発してしまう。これは、本当に辛いモノです。ありとあらゆる手を尽くしたにもかかわらず、再発してしまった時の「虚無感」は、ただ立ち尽くすしかないのです。問題解決が進まず 「問題の慢性化」 傾向の強いチームには、3つの特徴が見られます。今回は、その特徴についてのおはなしです。

 

1. 繰り返す不具合

ある現場では、作業ミスが続発し、その原因として「作業者の不注意」ということが挙げられていました。そして「朝礼で注意喚起をした」という改善策が取られていました。しかし、いつまでたってもその作業ミスが無くならず、リーダーが現場に対する不信感を持ち現場も疲弊し、職場の雰囲気も悪循環ループに陥っているという状況でした。

 

職場の雰囲気は悪くなり、問題は再発し続ける。下手をすると職場崩壊となってしまう寸前の状態だったのです。このチームでは、何が起こっていたのでしょうか?そして、どのような悪い問題解決のパターンが繰り返されていたのでしょうか?

 

2. あなたの職場は、大丈夫ですか?

問題解決が進まないチーム の行動にはクセがあるのです。それを捉えるだけでも、チームの問題解決行動は変えられます。『なんとかしたい・・・』という工場長からの相談をいただき、このチームが過去に行った原因追及や対策立案に関わる書類を読んで確認したところ、ある特徴が見えてきました。

 

その特徴とは「原因は、作業者の不注意でした」と必ず書類に書いてあることでした。対策に関しても「注意喚起を行った」や「注意喚起のため、掲示/標示物を貼った」という内容がほとんどでした。さらにチームの問題解決行動を分析すると、次の3つの特長を見つけ出すことができました。

 

3. 問題解決が進まないチームの特長

(1)なぜ?問題が発生したかという理由を、問題解決の原理原則に従って検討していなかった。

この職場の場合、リーダーの過去の経験と知識のみで問題解決が行われており「ロジカルシンキング」や「なぜなぜ分析」など、問題解決ツールが一切使われていなかったのです。そのために、問題の捉え方を誤っていたり、問題を分解して考えるなどの問題解決を円滑に進めるというアクションがとられていませんでした。

 

(2)原因は1つだと思い込んで、ほかの原因に気付こうとしない。

問題は、複数の原因が絡み合うように発生するケースが多いにも関わらず、1つの原因を見つけると安心してしまい、対策完了と思い込み、再発を止められなかったのです。

 

(3)対策内容に具体性がなく、現場で何をどのように注意すれば良いのか解らない。

作業ミスの原因をプロセスを立てた形で導いていないため、リーダー自身も対策内容を解りやすく説明と説得をすることができなかった。また、対策を立てても現場の納得感が得られておらず長続きしない状況でした。対策内容に具体性がないと、現場に対策が浸透しません。

 

4. まとめ

あなたの職場は、大丈夫でしょうか。問題解決が進まないチーム の行動にはクセがあります。問題の捉え方に誤りがあると、問題の慢性化が起きやすくなるのです。このチームではその後、リーダーが『なぜなぜ分析』などの問題解決思考法や『コミュニケーション』を学びながら、問題の捉え方を変化させ、大きく成長を遂げることができるようになりました。上記の特徴に陥っていないか?確認をしてみてはいかがでしょう。

 

次回に続きます。

 

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
相手をひきつける「話し方」とは

  研修やwebセミナーを受けていて「”ひきつけられる”様な感じで、時間も短く感じた。」という経験はありませんか?...

  研修やwebセミナーを受けていて「”ひきつけられる”様な感じで、時間も短く感じた。」という経験はありませんか?...


“施策”と“方策”の違いを考える

   前回の記事では、技術士第二次試験での問題(技術的体験論文)に関する内容を書きました。今回も、技術士第二次試験での問題に関する内容を書きます。  ...

   前回の記事では、技術士第二次試験での問題(技術的体験論文)に関する内容を書きました。今回も、技術士第二次試験での問題に関する内容を書きます。  ...


技術者能力の評価基準 -成果を出し続ける技術者の要件-

1. 能力の評価基準策定の背景  前回、個人能力の市場価値評価、キャリアチェンジがあることは当たり前を解説しました。今回は、成果を出し続ける技術者の要件...

1. 能力の評価基準策定の背景  前回、個人能力の市場価値評価、キャリアチェンジがあることは当たり前を解説しました。今回は、成果を出し続ける技術者の要件...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
金型・機械加工メーカー:人材タイプ別、やる気のコントロール方法

   今回は、金型・機械加工メーカー業界の皆さんの関心が高い、人材、従業員のタイプ別に見た、やる気のコントロール方法について解説します。そもそ...

   今回は、金型・機械加工メーカー業界の皆さんの関心が高い、人材、従業員のタイプ別に見た、やる気のコントロール方法について解説します。そもそ...


人を誉める時は順番を考えよ -クリーン化診断の例を添えて-

 前回は人を誉める時のタイミングについてでした。今回はその順番についてお話します。 1.誉める順番を考える  現場に行って、「あれがいけない、これがい...

 前回は人を誉める時のタイミングについてでした。今回はその順番についてお話します。 1.誉める順番を考える  現場に行って、「あれがいけない、これがい...


社員教育:日頃の報連相

  1. VIP名簿の大切さ  ブランドメーカーのB社では、書類のファイリングや会議、面談、出張等のスケジューリング管理をすべて社長秘書が担当して...

  1. VIP名簿の大切さ  ブランドメーカーのB社では、書類のファイリングや会議、面談、出張等のスケジューリング管理をすべて社長秘書が担当して...