清潔 5Sの基本(その5)

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5S

 

【5Sの基本 連載目次】

 

◆5Sの基本(その5) 清潔

【目次】
1.清潔
2.清潔の進め方
3.5Sの到達レベル

【この連載の前回:5Sの基本(その4)清掃へのリンク】

 

1.清潔

整理、整頓、清掃の3つのSができたら、次は清潔です。清潔とは、整理、整頓、清掃の維持継続を徹底することをいいます。

  • ①整理、整頓、清掃を推進し、常に清潔な状態を保つ
  • ②5S活動を始めたら途中であきらめず、徹底してやり抜く

3Sを継続するための「清潔」を怠ると、すぐに元に戻ってしまい、それが当たり前となってしまします。単なる掃除、美化活動という意識があると「どうせできない」、「形だけやっておけばよい」、「忙しいから今日一日くらいはしなくて良い」とかいう気持ちが芽生えてしまいがちです。

 

しかし、整理、整頓、清掃という一見誰にでもできるようなことでも、その意義をしっかり理解して、一度決めたら愚直に徹底してやり抜いていくということは誰にでもできることではありません。トヨタ自動車では、5Sではなく4Sといいますが、トヨタ自動車の強さの源泉は、4Sやカイゼンについての教育をしっかり行い、従業員全員がそれを徹底してやり抜いていく風土と行動があるところだと思います。

 

2.清潔の進め方

(1)常に5Sの意識を持つこと

やはり、従業員全員が常に5Sの意識をもつことが重要になってきます。そのために、多くの工場では、5Sパトロールによる巡回チェック、ポスターなどの掲示、年度や半期ごとのスローガンやテーマの募集、5S週間の設置などを行って、従業員の意識を高める工夫をしています。

 

(2)5S改善活動の実施

また、5Sの状態をさらに高めていく取り組みとして、5S改善活動を実施することも大切です。5Sの学習会を行って改善事例を学んだり、5Sパトロールによって改善できる場所を見つけたりしていきます。

 

(3)5S推進の動機付け

5Sを推進する際には、職場単位で目標を設定するのも効果的です。また、作業者一人一人が各自の作業スペースの5Sの維持と改善に責任を持つようにします。優良な職場を表彰し、それを目標としながら各職場で競い合うのも良いでしょう。

 

(4)会社のレベルアップに繋がる動機付け

会社全体のレベルアップにつながるように、同業他社と比較するなどして会社全体の5Sレベルを把握し、具体的な改善活動に繋げていくことも大切になってきます。

 

3.5Sの到達レベル

5Sの達成レベルは、次の表にある5段階を目安にすると良いでしょう。

 

一番下のレベル1では、ごみや工具、部材などが床に落ちていることはありませんが、日頃の活動に落とし込まれておらず、お客様が来社する前に慌てて片付けているような状態です。

 

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5S

 

【5Sの基本 連載目次】

 

◆5Sの基本(その5) 清潔

【目次】
1.清潔
2.清潔の進め方
3.5Sの到達レベル

【この連載の前回:5Sの基本(その4)清掃へのリンク】

 

1.清潔

整理、整頓、清掃の3つのSができたら、次は清潔です。清潔とは、整理、整頓、清掃の維持継続を徹底することをいいます。

  • ①整理、整頓、清掃を推進し、常に清潔な状態を保つ
  • ②5S活動を始めたら途中であきらめず、徹底してやり抜く

3Sを継続するための「清潔」を怠ると、すぐに元に戻ってしまい、それが当たり前となってしまします。単なる掃除、美化活動という意識があると「どうせできない」、「形だけやっておけばよい」、「忙しいから今日一日くらいはしなくて良い」とかいう気持ちが芽生えてしまいがちです。

 

しかし、整理、整頓、清掃という一見誰にでもできるようなことでも、その意義をしっかり理解して、一度決めたら愚直に徹底してやり抜いていくということは誰にでもできることではありません。トヨタ自動車では、5Sではなく4Sといいますが、トヨタ自動車の強さの源泉は、4Sやカイゼンについての教育をしっかり行い、従業員全員がそれを徹底してやり抜いていく風土と行動があるところだと思います。

 

2.清潔の進め方

(1)常に5Sの意識を持つこと

やはり、従業員全員が常に5Sの意識をもつことが重要になってきます。そのために、多くの工場では、5Sパトロールによる巡回チェック、ポスターなどの掲示、年度や半期ごとのスローガンやテーマの募集、5S週間の設置などを行って、従業員の意識を高める工夫をしています。

 

(2)5S改善活動の実施

また、5Sの状態をさらに高めていく取り組みとして、5S改善活動を実施することも大切です。5Sの学習会を行って改善事例を学んだり、5Sパトロールによって改善できる場所を見つけたりしていきます。

 

(3)5S推進の動機付け

5Sを推進する際には、職場単位で目標を設定するのも効果的です。また、作業者一人一人が各自の作業スペースの5Sの維持と改善に責任を持つようにします。優良な職場を表彰し、それを目標としながら各職場で競い合うのも良いでしょう。

 

(4)会社のレベルアップに繋がる動機付け

会社全体のレベルアップにつながるように、同業他社と比較するなどして会社全体の5Sレベルを把握し、具体的な改善活動に繋げていくことも大切になってきます。

 

3.5Sの到達レベル

5Sの達成レベルは、次の表にある5段階を目安にすると良いでしょう。

 

一番下のレベル1では、ごみや工具、部材などが床に落ちていることはありませんが、日頃の活動に落とし込まれておらず、お客様が来社する前に慌てて片付けているような状態です。

 

レベル2では、一応、整理整頓されていそうですが、一部に徹底されていない箇所が見受けられる状態です。5Sパトロールを行うと、そこそこの数の改善指摘が出てくる状態といっても良いかもしれません。最終的には、全員参加で5Sやカイゼンが継続している状態を愚直に目指していきたいものです。

 

5S

 

次回に続きます。

 

 

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この記事の著者

今澤 尚久

「商品を買う側(小売業)」と「商品を作る側(製造業)」の両方の業界経験をベースに実効性のある経営戦略を策定します。現場・現物・現実の三現主義で現状把握から施策立案・課題解決までの全工程を支援します。

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