仕事のプロセスを改善ストーリー(SRストーリー)で可視化

更新日

投稿日

 仕事のプロセス(やり方)は、各個人や企業によって多種多様です。そのためチームや組織で課題を共有化するためには、工夫が必要です。たとえば、チームや組織内での共通言語化や可視化が有効な方策になります。そこで、F社で長年活用されてきたシンプルな可視化手法として、改善ストーリー(SRストーリー)を紹介します。Sはシステム(System)のことで、仕組みや仕事のプロセス(やり方)のことです。Rは結果(Result)のことです。図1のように、仕事のプロセス(やり方)を、過去、現在、将来と時系列に分けて、各々のプロセス(やり方)で、結果と問題点を整理します。これは、TRIZでいう仕事の進化トレンドと言ってもいいでしょう。

 S・Rストーリーの記述ポイントを次のように整理します。

①何をどうしたいのか出来る限り数値で表現する(R2→R3目標)

②R2をもたらしている今のやり方をS2として整理する

③R2がR3目標になれない原因をS2の中に見出し、その原因をつぶす対策を考えS3とする

④実施後の予測結果をR3とする

⑤自分の仕事の説明を兼ねて、過去のやり方と結果(S1/R1)も合わせて説明する

 QCストーリーと呼ばれる仕事のプロセス(やり方)の改善ステップは、次のようになっていました。①テーマの選定⇒②現状把握⇒③目標設定⇒④要因分析⇒⑤対策立案⇒⑥対策実施⇒⑦効果確認⇒⑧歯止め。これを、時系列にシンプルに...

 仕事のプロセス(やり方)は、各個人や企業によって多種多様です。そのためチームや組織で課題を共有化するためには、工夫が必要です。たとえば、チームや組織内での共通言語化や可視化が有効な方策になります。そこで、F社で長年活用されてきたシンプルな可視化手法として、改善ストーリー(SRストーリー)を紹介します。Sはシステム(System)のことで、仕組みや仕事のプロセス(やり方)のことです。Rは結果(Result)のことです。図1のように、仕事のプロセス(やり方)を、過去、現在、将来と時系列に分けて、各々のプロセス(やり方)で、結果と問題点を整理します。これは、TRIZでいう仕事の進化トレンドと言ってもいいでしょう。

 S・Rストーリーの記述ポイントを次のように整理します。

①何をどうしたいのか出来る限り数値で表現する(R2→R3目標)

②R2をもたらしている今のやり方をS2として整理する

③R2がR3目標になれない原因をS2の中に見出し、その原因をつぶす対策を考えS3とする

④実施後の予測結果をR3とする

⑤自分の仕事の説明を兼ねて、過去のやり方と結果(S1/R1)も合わせて説明する

 QCストーリーと呼ばれる仕事のプロセス(やり方)の改善ステップは、次のようになっていました。①テーマの選定⇒②現状把握⇒③目標設定⇒④要因分析⇒⑤対策立案⇒⑥対策実施⇒⑦効果確認⇒⑧歯止め。これを、時系列にシンプルに整理しなおしたものがSRストーリーです。TRIZの9画面法は、この中のシステム部分の3画面を抜粋したものと言っても良いでしょう。9画面法のように、下位システムと上位システムも整理すれば、より高度な課題解決ツールとしても使えることになります。 

SRストーリー 図1 SRストーリー体系図

   続きを読むには・・・


この記事の著者

粕谷 茂

「感動製品=TRIZ*潜在ニーズ*想い」実現のため差別化技術、自律人財を創出。 特に神奈川県中小企業には、企業の未病改善(KIP)活用で4回無料コンサルを実施中。

「感動製品=TRIZ*潜在ニーズ*想い」実現のため差別化技術、自律人財を創出。 特に神奈川県中小企業には、企業の未病改善(KIP)活用で4回無料コンサルを...


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
『価値づくり』の研究開発マネジメント (その16)

    今回も、前回から引き続きオープンイノベーションの経済学の7つ目、「取引コスト」です。「取引コスト」は、これまでオープンイノベーシ...

    今回も、前回から引き続きオープンイノベーションの経済学の7つ目、「取引コスト」です。「取引コスト」は、これまでオープンイノベーシ...


テーマの評価 技術企業の高収益化:実践的な技術戦略の立て方(その6)

  ◆ 儲かるテーマをどう見極めるのか  今回は、研究開発テーマの評価についてです。この記事を読んでいただく事で、研究開発テーマの評価方...

  ◆ 儲かるテーマをどう見極めるのか  今回は、研究開発テーマの評価についてです。この記事を読んでいただく事で、研究開発テーマの評価方...


自社のコア技術の発信 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その32)

       今回も前回に引き続き、「その1:自社のコア技術の補完技術」を探す方法としての自社のコア技術の発信について...

       今回も前回に引き続き、「その1:自社のコア技術の補完技術」を探す方法としての自社のコア技術の発信について...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
スケールド・アジャイル・フレームワーク (SAFe) の導入開始

        はたして僕が勤める企業はスケールド・アジャイル・フレームワーク (SAFe) を上手く導入で...

        はたして僕が勤める企業はスケールド・アジャイル・フレームワーク (SAFe) を上手く導入で...


人的資源マネジメント:インダストリー4.0 を追いかけるその前に(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   4. 開発・製造リンクによる製造性評価    少し具体的な例を紹介したいと思います。図...

 前回のその1に続いて解説します。   4. 開発・製造リンクによる製造性評価    少し具体的な例を紹介したいと思います。図...


設計部門の仕組み改革(その3)

【設計部門の仕組み改革 連載目次】 1. システムやツールの導入を伴う設計部門の仕組み改革の進め方 2. 設計部門の仕組み改革、事例解説 3. ...

【設計部門の仕組み改革 連載目次】 1. システムやツールの導入を伴う設計部門の仕組み改革の進め方 2. 設計部門の仕組み改革、事例解説 3. ...