制限の中で結果が出る

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1. 制限の中で『わかりやすい文書の書き方が習得できる』

 「わかりやすい文書の書き方注1)」をテーマにした社員研修やセミナーでは、日々のオンザジョブトレーニングについて解説しています。日々のオンザジョブトレーニングとは、「わかりやすい文書の書き方(「わかりやすい文書の書き方の3原則」と「6つのルールと17の書き方」)を学ぶためのトレーニングです。具体的には仕事を通して「わかりやすい文書の書き方」を学ぶことです。日々のオンザジョブトレーニングには以下の4つのトレーニングがあります。

  1. 基本のトレーニング
  2. 報連相を通したトレーニング
  3. 概要版の作成を通したトレーニング
  4. 自己添削を通したトレーニング

 c.の「概要版の作成を通したトレーニング」とは、業務が完了したらA3判の用紙1枚でその業務の概要版を作成することです注2)。「A3判の用紙1枚で作成すること」が概要版を作成するうえでの絶対条件ではありません。しかし、「概要版は簡潔に作成する」という考えに基づき、社員研修やセミナーではA3判の用紙1枚で業務の概要版を作成するように解説しています。

 人材教育

 枚数に制限がない条件で概要版を書くことは簡単です。「業務の中でやったこと」を羅列すれば概要版を書くことができるからです。

 枚数に制限がある条件で概要版を書くことは大変です。制限枚数の中で概要版を書くため、「業務の中でやったこと」を絞り込む必要があるからです。さらに、「業務の中でやったこと」を絞り込んだら、読み手に「業務の中でやったこと」が明確に伝わる構成や構成に対する書き方(明確に伝わる書き方)を考える必要があります。

 枚数制限の中で、読み手に明確に伝わる構成や構成に対する書き方を考えることは大変です。しかし、枚数制限の中で概要版を書くことでわかりやすい文書の書き方を学ぶことができます。「どのような構成にしたら枚数制限の中で概要版を書くことができるか?」、「わかりやすい文書の書き方の中で、どの書き方を使ったら枚数制限の中で概要版を書くことができるか?」と考えるからです。つまり、“枚数制限”という中で「わかりやすい文書の書き方が習得できる」という結果が出ます。

人材教育

注1):参考文献参照
注2)「A3判の用紙1枚で業務の概要版を作成すること」に関連した記事を、2018年6月1日,6月5日,6月12日および6月14日に掲載しました。

2. 制限の中で『技術士第二次試験に合格できる』

 会社員だった頃、技術士を取得した同僚と「技術士の取得」について話をしたことがあります。

 仕事で忙しい人の方が技術士の試験に合格できる

 実際、仕事が忙しく日々十分な受験勉強の時間を確保できない環境の中でも技術士の試験(技術士第二次試験)に合格した同僚が多数いました。合格した人の中には、「◯◯さんはあんなに仕事が忙しいのによく試験に合格できたな。いつ勉強したのだろうか?」と言われていた人もいました。自分のことを書くのはおこがましいですが、受験勉強していたときには本当に仕事が忙しかったです。

 「仕事で忙しく受験勉強の時間が十分に確保できない=受験勉強の時間に制限がある」と考えることができます。受...

 

1. 制限の中で『わかりやすい文書の書き方が習得できる』

 「わかりやすい文書の書き方注1)」をテーマにした社員研修やセミナーでは、日々のオンザジョブトレーニングについて解説しています。日々のオンザジョブトレーニングとは、「わかりやすい文書の書き方(「わかりやすい文書の書き方の3原則」と「6つのルールと17の書き方」)を学ぶためのトレーニングです。具体的には仕事を通して「わかりやすい文書の書き方」を学ぶことです。日々のオンザジョブトレーニングには以下の4つのトレーニングがあります。

  1. 基本のトレーニング
  2. 報連相を通したトレーニング
  3. 概要版の作成を通したトレーニング
  4. 自己添削を通したトレーニング

 c.の「概要版の作成を通したトレーニング」とは、業務が完了したらA3判の用紙1枚でその業務の概要版を作成することです注2)。「A3判の用紙1枚で作成すること」が概要版を作成するうえでの絶対条件ではありません。しかし、「概要版は簡潔に作成する」という考えに基づき、社員研修やセミナーではA3判の用紙1枚で業務の概要版を作成するように解説しています。

 人材教育

 枚数に制限がない条件で概要版を書くことは簡単です。「業務の中でやったこと」を羅列すれば概要版を書くことができるからです。

 枚数に制限がある条件で概要版を書くことは大変です。制限枚数の中で概要版を書くため、「業務の中でやったこと」を絞り込む必要があるからです。さらに、「業務の中でやったこと」を絞り込んだら、読み手に「業務の中でやったこと」が明確に伝わる構成や構成に対する書き方(明確に伝わる書き方)を考える必要があります。

 枚数制限の中で、読み手に明確に伝わる構成や構成に対する書き方を考えることは大変です。しかし、枚数制限の中で概要版を書くことでわかりやすい文書の書き方を学ぶことができます。「どのような構成にしたら枚数制限の中で概要版を書くことができるか?」、「わかりやすい文書の書き方の中で、どの書き方を使ったら枚数制限の中で概要版を書くことができるか?」と考えるからです。つまり、“枚数制限”という中で「わかりやすい文書の書き方が習得できる」という結果が出ます。

人材教育

注1):参考文献参照
注2)「A3判の用紙1枚で業務の概要版を作成すること」に関連した記事を、2018年6月1日,6月5日,6月12日および6月14日に掲載しました。

2. 制限の中で『技術士第二次試験に合格できる』

 会社員だった頃、技術士を取得した同僚と「技術士の取得」について話をしたことがあります。

 仕事で忙しい人の方が技術士の試験に合格できる

 実際、仕事が忙しく日々十分な受験勉強の時間を確保できない環境の中でも技術士の試験(技術士第二次試験)に合格した同僚が多数いました。合格した人の中には、「◯◯さんはあんなに仕事が忙しいのによく試験に合格できたな。いつ勉強したのだろうか?」と言われていた人もいました。自分のことを書くのはおこがましいですが、受験勉強していたときには本当に仕事が忙しかったです。

 「仕事で忙しく受験勉強の時間が十分に確保できない=受験勉強の時間に制限がある」と考えることができます。受験勉強の時間に制限があることで工夫して受験勉強をします。与えられた時間の中で受験勉強の成果を出すための工夫をします。つまり、“受験勉強時間の制限”という中で「技術士の試験に合格できる」という結果が出ます。

 “制限”は、精神をノンビリした受動性から苦しい能動性に追い込みます。しかし、追い込まれることで“火事場の馬鹿力”のような力が出てその結果が出るのだと思います。

 何かをするとき、自ら“制限”を設けてみたらどうでしょうか?


人材教育

【参考文献】:森谷仁著、「技術者のためのわかりやすい文書の書き方」、オーム社、平成27年3月20日

 

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この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

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