社員教育:日頃の報連相

 

1. VIP名簿の大切さ

 ブランドメーカーのB社では、書類のファイリングや会議、面談、出張等のスケジューリング管理をすべて社長秘書が担当しています。主要取引先やメインバンクとのVIP交流もさかんで、秘書の接遇は会社の信用そのものに直結しています。
 
 株主総会が近づいてきたある日、大株主のE氏より社長へ取次依頼の電話がかかってきました。秘書は初めて聞く名前だったため、取次に際して用件や身分について丁寧に確認しました。するとE氏は「俺を知らないのか。すぐ社長へつなげ!」と声高にいいました。驚いた秘書は、急いで社長にE氏より電話が入っている旨を伝えました。 
 
 
人材教育
 
 電話に出た社長に、E氏は「大株主の名前を秘書に教えていないのか」と用件をいう前にクレームをつけ、株主への思慮が足らないからだと苦言を述べました。社長は気まずい思いとなり、友好的な話ができなかったことに不満をつのらせました。そして電話を切った後、秘書に厳しいお小言をいったため、秘書はその日一日、明るい対応ができなくなってしまったということです。
 
 慶弔見舞いの通知リスト、緊急連絡先、主要取引先の重役、大株主、団体役員、代議士など、重要な方々については肩書、名前を書いた写真付きリストなどを用意し、秘書に周知させておけば、大きな無礼は防げることでしょう。
 
 最近では名刺の整理もIT化していますが、名簿の機能別(目的別)にすぐ取り出せるようにデータベース(DB)化することをお勧めします。DBが出来ていれば名前を検索して直ちに情報確認ができます。Excelでも十分作成できます。
 

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2. 日頃の報・連・相+確認

 教えてない事、訓練してないことについての失敗は、叱ってはいけないでしょう。ましてや、怒ってはいけないのです。教えていないのは、社長本人の責任なのです。もし、訓練をしたのにもかかわらず、2~3度繰り返すようであれば、教え方もさることながら、本人の適性も検討することになるでしょう。あらゆる場面を想定して、日頃からの教育訓練とデータを備えることが大事なのです。
 
 
人材教育
 
 今回の事態を招いた原因は、日頃の「報・連・相+確認」が十分ではないことです。秘書のケアーをどのようにしているかです。情報は鮮度が「いのち」ですので常時メンテナンスをしましょう。どんな厳しい叱り方をしても、育てよう・自立させようとの心使いがあれば、信頼は強まります。この社長は、大株主にどのように謝ったのでしょうか、秘書には自分の不備を認めたのでしょうか。それとも、秘書の能力にすり替えたのでしょうか。
  

この記事の著者

石川  昌平

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