新QC七つ道具: 系統図法の使い方(その5)

第7章  系統図法の使い方

7.4 系統図法の「抽出項目欠落防止機能」について

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7.4.2 事例に見る系統図法の「要実施事項抽出における欠落防止機能」

 前回のその4に続いて解説します。
 

(2)「欠落防止型」系統図の事例に見る要実施事項の抽出結果

 ここでは、系統図法の「欠落防止機能を発揮させる使い方」を説明しますが、そのポイントは次の2つです。
 

【ポイント1】展開は、上位から「逐次2項目展開」にする

 「逐次2項目展開」というのは、展開対象を2つの項目に展開することを原則として、各次元の展開を順次行うことを意味しています。これを第1のポイントにしたのは、展開項目の欠落防止を達成するために必須と考えられる次の2点を達成する上で、非常に有用だからです。
 
  •  展開対象の全貌をカバーした展開になっていること
  •  展開された項目が相互に独立していること
 
 どのように有用なのかを、各々について説明します。
 

 ① 展開対象の全貌をカバーした展開になっていること 

 これは、欠落防止をねらったものですが、N7が対象とするようなテーマの場合、いろいろな事柄が複雑に絡んでいることが多く、漠然と取り組んだのでは達成は至難です。これを可能にするのが“2項目展開”ですが、その理由は、まず最初に、複雑な展開対象を漏れなく二分できる側面で把握するための分析がなされるからです。事例としてあげた図7-1の1次展開は、テーマである「活発なQCC活動」を、“活動母体という側面”で“QCCそのものの活動”と“支援部隊の活動”に二分することで全貌をカバーしています。
 

 【図7-1の概要説明】

 この系統図は、「QCサークル活動を活発にする」ための要実施事項を漏れなく抽出するために作成したものです。系統図法の欠落防止機能を発揮させる使い方のポイントは次の2つです。
 
  1. 展開は、上位から「逐次2項目展開」にする
  2. 末端までの展開は、展開項目が“自己完結型”になっており、“問題解決の核心母体が中心”となっているものを優先実施する
 
 最初のポイントである「逐次2項目展開」に従って2次まで展開し、2つめのポイントに従って末端までの展開項目を選ぽうとしたろころ、いずれも厳密にぱ自己完結型”に疑問がありました。そこで、“問題解決の核心母体が中心”を優先して一番上の項目を選び、その内容の大半を受けて展開されている「QCCが活動のPDCAを回すことができる態勢にある」を最初に末端まで展開しました。展開し終えて気づいたことは、点線で囲っだ未展開項FF’は、いずれもすでに展開された項目と深く関わっており、「逐次2項目展開」の原則の1つ。である“独立性”が成り立っていない点である。
 
 そこで、それらの項目を、展開された項目の関係からよく検討してみたところ、未展開項目はいずれも活動支援に関わるもので、関係する展開項目支援ニーズといえます。したがって、この展開を終えたいま必要なことは、既展開項目に現われている支援ニーズに応え得る活動支援態勢の構築といえます。一方、展開された22の末端項目を見るかぎり、テーマに対する要実施項目としては欠落なく網羅されているといえる上、独立性の点から見ても未展開項目の末端までの展開は不要として未展開のままとしました。
 

  【図7-1の考察】

◆ 末端までの展開を実施する項目の選択

 オリジナルのVA/VEの価値分析における機能系統図のように各項目が完全に独立しておれば問題はありませんが、スタッフが取り組むテーマは複雑で、この事例のように、ある面(活動母体)では独立していても、展開するにしたがい何らかの関係(支援の授受)が生じるように項目間の独立性が保てない場合が多いのです。このようなケースの場合の全項目の末端までの展開は意味がなく、強引に実施すると混乱を招きかねないので、最優先項目の展開が完了したところで、項目間の独立性をよく検討してから他の項目の展開をする心構えが必要です。
 
  
系統図
 図7-1. 系統図:QCサークル活動を活発にするには<< クリックで拡大 >>
 
 一方、発想展開型の場合は、ブレーンストーミングなどによる抽出済み項目の中から、相対的に次元の高いものが1次展開項目として採用されるが、抽出項目の次元の判定は意外に難しく、表7-2でも分かるように、同じ項目でもグループにより次元の判定が変わってくるのです。
 
 このことは、発想展開型の展開状況からは、次元の判定に影響すると思われる“グループの特殊事情”や“メンバーの関心の度合い”は分かるものの、“全貌のカバー”という観点では見通しが立たず、ひいては、欠落防止機能は保証できないことになります。
 
 次回に続きます。
 

この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

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