アジア各国に工場を進出し、従業員はなんとか集めたものの早期退職者が相次ぎ、操業を継続するのに苦労している企業が数多く存在します。現地工場で従業員の退職率を低く保ち、しかも現地採用者によって事業が発展できたらどんなに嬉しい事でしょう。
今回は製造業ではありませんが、フィリピンで成功した経営者の事例を紹介します。現地従業員の組織へのロイヤリティについて、考えさせられます。
マニラにドレミ(仮名)という日本食レストランがあります。営業開始以来、20年以上経ちますが、いまでもこのお店は盛況です。この日本人の経営者から聞いた実話です。
開業してしばらくの間、佐藤(仮名)社長自らが厨房に入り、7人のフィリピン人を手取り足取りで、調理の指導をしていました。その努力が実り、ドレミはマニラでも1、2位を争う日本食レストランへと成長します。ところが数年後のある日、このうちの1人が若くして病気で帰らぬ人となるのです。