人的資源マネジメント:褒める気持ちを伝えるには技術が必要(その1)

更新日

投稿日

1. 同時にやるシクミづくりとヒトづくり、やっと気づいた改革の本質

 
 あなたは同僚や、部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと褒めることができていますか?今回は“効果的称賛”についてです。前回に引き続き、人との良好なつながりをもつための技術をご紹介します。
 
 人との良好なつながりを持つことは、辛いときや悲しいときにそこから抜け出す力を与えてくれるだけでなく、ポジティブな感情や生きる意欲を増やし、精神的にも身体的にも健康な状態をもたらすことが、様々な研究結果として報告されています。
 
 前回は、人との良好なつながりをもつための技術として、コミュニケーション・スタイルとその中のひとつ、アサーティブ・コミュニケーションについて詳しく解説しました。今回は前回に引き続き、効果的称賛について紹介したいと思います。
 

2. 効果的称賛(Effective Praise)

 
 褒めることはお互いの理解を深め、よい関係を継続するために効果的な方法です。褒められてうれしいと思った経験は誰もが持っていると思いますし、褒めることが大切だというのは誰もがわかっていることだと思います。
 
 良い関係を作るために褒めるというと打算的な感じになりますが、褒めるというのは相手に良い成果を継続してもらいたいという、相手に対する心からの興味、関心からの行動であり、相手のモチベーションを高めることにつながります。その結果、お互いの関係が強化されることになります。褒めることの直接の目的ではないのですが、そんな関係ができていることで、もし自分が落ち込んだときには、声をかけてもらえたり勇気づけてもらえたりすることもあるのです。
 
 さて、あなたは同僚や部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと褒めることができているでしょうか?自分の行動を振り返ってみると、褒めるというのはなかなか難しいものだと感じるのではないでしょうか。たとえ、自分は普段から褒めることを心がけているという人でも、「よくやった」「いいね」というようなお決まりの台詞だけになっているのではないでしょうか。
 
 心から褒めているのに相手に伝わらないのはとても残念なことですから、効果的な褒め方を身につけておくことは大切です。それでは、効果的な褒め方とはどういうものでしょうか?
 
図152. 効果的な褒め方のポイント
...

1. 同時にやるシクミづくりとヒトづくり、やっと気づいた改革の本質

 
 あなたは同僚や、部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと褒めることができていますか?今回は“効果的称賛”についてです。前回に引き続き、人との良好なつながりをもつための技術をご紹介します。
 
 人との良好なつながりを持つことは、辛いときや悲しいときにそこから抜け出す力を与えてくれるだけでなく、ポジティブな感情や生きる意欲を増やし、精神的にも身体的にも健康な状態をもたらすことが、様々な研究結果として報告されています。
 
 前回は、人との良好なつながりをもつための技術として、コミュニケーション・スタイルとその中のひとつ、アサーティブ・コミュニケーションについて詳しく解説しました。今回は前回に引き続き、効果的称賛について紹介したいと思います。
 

2. 効果的称賛(Effective Praise)

 
 褒めることはお互いの理解を深め、よい関係を継続するために効果的な方法です。褒められてうれしいと思った経験は誰もが持っていると思いますし、褒めることが大切だというのは誰もがわかっていることだと思います。
 
 良い関係を作るために褒めるというと打算的な感じになりますが、褒めるというのは相手に良い成果を継続してもらいたいという、相手に対する心からの興味、関心からの行動であり、相手のモチベーションを高めることにつながります。その結果、お互いの関係が強化されることになります。褒めることの直接の目的ではないのですが、そんな関係ができていることで、もし自分が落ち込んだときには、声をかけてもらえたり勇気づけてもらえたりすることもあるのです。
 
 さて、あなたは同僚や部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと褒めることができているでしょうか?自分の行動を振り返ってみると、褒めるというのはなかなか難しいものだと感じるのではないでしょうか。たとえ、自分は普段から褒めることを心がけているという人でも、「よくやった」「いいね」というようなお決まりの台詞だけになっているのではないでしょうか。
 
 心から褒めているのに相手に伝わらないのはとても残念なことですから、効果的な褒め方を身につけておくことは大切です。それでは、効果的な褒め方とはどういうものでしょうか?
 
図152. 効果的な褒め方のポイント
 
 効果的な褒め方のポイントは、図152 にあるように3つに整理することができます。これを見ると、相手に関心を持って接していることが前提だということがわかります。つまり、効果的に褒めるというのは、相手のことを気にして見ているからこそできる行動なのです。
 
 次回も、このテーマを進めます。
 
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
【2分でわかる】フレキシキュリティ(Flexicurity)

  日本において非正規雇用が増え、正規雇用との格差が社会問題化しているためフレキシキュリティが注目されています。従来のフルタイムの正規雇用...

  日本において非正規雇用が増え、正規雇用との格差が社会問題化しているためフレキシキュリティが注目されています。従来のフルタイムの正規雇用...


教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成(その7)

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...


教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成(その1)

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その47)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その46に続いて解説します。      (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その46に続いて解説します。      (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確...


『坂の上の雲』に学ぶ先人の知恵(その2)

 『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場で勝利をおさめる...

 『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場で勝利をおさめる...


『坂の上の雲』に学ぶ先人の知恵(その27)

 『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場で勝利をおさめる...

 『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場で勝利をおさめる...