人的資源マネジメント:モチベーションとは (その3)

更新日

投稿日

【モチベーションの考察 連載目次】

人的資源マネジメント
 モチベーションとは (その2)に続いて、解説します。
 

4. やれないのはモチベーションのせいか

 
 今回は、実行のエネルギーの強さについて考えたいと思います。
 

(1) 持ちたいのは、強い「たい」

 
 目標とは「~たい」という願望です。この「たい」にはいろいろなものがありますが、次のように分類できます。
 
「~という資格を手に入れたい」
「~の技術を身につけたい」
「~を成功させたい」
 
                       というような結果の「たい」。
 
「~をはじめたい」
「~をやりたい」
「~したい」
 
                       というような行動の「たい」。そして、
 
「~のような自分でいたい」
「~のように過ごしたい」
「~でありたい」
 
                       という在り方の「たい」。
 
 実は、この「たい」によって目標実現のためのエネルギーが違います。強いエネルギーを持つ「たい」ほど目標実現のためのエネルギーが強いというわけです。
 
 では、3つの「たい」のうちどれが一番強いエネルギーを持った「たい」だと思いますか? 
 

(2)「在り方」の「たい」

 
 在り方とは、自分らしいとはどういうことか、自分が大切にしたい価値観はどういうことかということであり、人生の「目的」にもつながるもっとも強いエネルギー源といわれています。
 
 そして、目標が「結果」の「たい」であっても、「行動」の「たい」であっても、「在り方」の「たい」に結びつけることで、実現のための強いエネルギーを持つことができます。たとえば、「今年は周りの人を笑顔にするような自分でいたい。そのためには、まずはちゃんと挨拶することを目標にするぞ」というような目標設定です。
 
 目標を達成するということは挑戦であり、自分らしさや自分の価値観を確かめることであり、すべては自分の在り方に関係しているのです。つまり、自分はどんな人間でいたいのか、どういうことを大事にしたいのか、どんなことを喜びとしたいのか、というような自分の在り方を明確にすることが大切なのです。
 
 私も仕事を通じて「ものづくり」に貢献したいと考えているのですが、改めてその在り方の「たい」を考えてみました。ちょっと恥ずかしいのですが紹介します。
 
 技術が世の中を変えることを信じ
 新しいことへのチャレンジ精神を忘れずに行動し
 技...

【モチベーションの考察 連載目次】

人的資源マネジメント
 モチベーションとは (その2)に続いて、解説します。
 

4. やれないのはモチベーションのせいか

 
 今回は、実行のエネルギーの強さについて考えたいと思います。
 

(1) 持ちたいのは、強い「たい」

 
 目標とは「~たい」という願望です。この「たい」にはいろいろなものがありますが、次のように分類できます。
 
「~という資格を手に入れたい」
「~の技術を身につけたい」
「~を成功させたい」
 
                       というような結果の「たい」。
 
「~をはじめたい」
「~をやりたい」
「~したい」
 
                       というような行動の「たい」。そして、
 
「~のような自分でいたい」
「~のように過ごしたい」
「~でありたい」
 
                       という在り方の「たい」。
 
 実は、この「たい」によって目標実現のためのエネルギーが違います。強いエネルギーを持つ「たい」ほど目標実現のためのエネルギーが強いというわけです。
 
 では、3つの「たい」のうちどれが一番強いエネルギーを持った「たい」だと思いますか? 
 

(2)「在り方」の「たい」

 
 在り方とは、自分らしいとはどういうことか、自分が大切にしたい価値観はどういうことかということであり、人生の「目的」にもつながるもっとも強いエネルギー源といわれています。
 
 そして、目標が「結果」の「たい」であっても、「行動」の「たい」であっても、「在り方」の「たい」に結びつけることで、実現のための強いエネルギーを持つことができます。たとえば、「今年は周りの人を笑顔にするような自分でいたい。そのためには、まずはちゃんと挨拶することを目標にするぞ」というような目標設定です。
 
 目標を達成するということは挑戦であり、自分らしさや自分の価値観を確かめることであり、すべては自分の在り方に関係しているのです。つまり、自分はどんな人間でいたいのか、どういうことを大事にしたいのか、どんなことを喜びとしたいのか、というような自分の在り方を明確にすることが大切なのです。
 
 私も仕事を通じて「ものづくり」に貢献したいと考えているのですが、改めてその在り方の「たい」を考えてみました。ちょっと恥ずかしいのですが紹介します。
 
 技術が世の中を変えることを信じ
 新しいことへのチャレンジ精神を忘れずに行動し
 技術や製品を開発している人や会社に役立つものを提供することで
 技術による価値創造に貢献する
 
 こうやって文章にしてみると、思いが一層明確になるように思います。ぜひ、皆さんも目標を自分の「在り方」として文章にしてみてはいかがでしょうか
 
 次回も、「やれないのはモチベーションのせいか」の続きです。
 
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ワーク・エンゲージメントとは

◆「やる気」の数値化、グラフ化で効果を定量把握   ◆関連解説『人的資源マネジメントとは』  企画から設計、製造、販売、そして保守という広...

◆「やる気」の数値化、グラフ化で効果を定量把握   ◆関連解説『人的資源マネジメントとは』  企画から設計、製造、販売、そして保守という広...


人件費の適正水準とは

 人件費は、どんな企業でも「常に悩ませる課題」の一つです。人件費の適正水準とはなんでしょうか。今回は、人件費の適正水準を判断する指標として、なにがあるのか...

 人件費は、どんな企業でも「常に悩ませる課題」の一つです。人件費の適正水準とはなんでしょうか。今回は、人件費の適正水準を判断する指標として、なにがあるのか...


社会人基礎力とは、社会人基礎力の意味をわかりやすく解説

【目次】 今回は、「社会人基礎力」について解説します。 1. 社会人基礎力の定義 社会人基礎力の定義は『「基礎学力」「専門知識」...

【目次】 今回は、「社会人基礎力」について解説します。 1. 社会人基礎力の定義 社会人基礎力の定義は『「基礎学力」「専門知識」...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
人的資源マネジメント:チーム体制作りとは(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   3. モジュール化体制    開発現場でも同じことがいえます。「チーム」を製品開発に取...

 前回のその1に続いて解説します。   3. モジュール化体制    開発現場でも同じことがいえます。「チーム」を製品開発に取...


開発現場における本当の危機(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   1. メンタルヘルス問題を引き起こす出来事    メンタルヘルス問題に至った出来事につ...

 前回のその1に続いて解説します。   1. メンタルヘルス問題を引き起こす出来事    メンタルヘルス問題に至った出来事につ...


『坂の上の雲』に学ぶ全体観(その5)

   『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場...

   『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場...