人的資源マネジメント:実行力の鍛え方 (その3)

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 実行力 

5. 必要なのは完全主義とのお別れ

 
 さて、これでやることが決まり、やる気持ちもでたのではないかと思います。次に必要なのは確実に実行することです。脳科学者の池谷裕二氏は次のように言っています。『やりはじめないと、やる気は出ません。脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、側坐核は、何かをやりはじめないと活動しないので。』行動すれば側坐核というところが活動し、やる気のもととなる脳内物質を出すのです。つまり、やらなくちゃと考えているだけではやる気は出ず、とにかく行動を起こすしかないということです。全然気持ちが乗っていなかったのに、やってみたらその気になってやめられなくなったとか、原稿を書くのが嫌で後回しにしていたけど、やり始めるとどんどん書くことができたとか、運動するのが億劫だったけど、やり始めると気持ちよくなったとか、行くのが嫌だなと思っていたけど、行ってみたら楽しかった、など、やってみたらやる気が出たという経験があるのではないでしょうか。つまり、やることが決まったらとにかくやる、Just do it. です。そのための方法をいくつか紹介しましょう。
 

(1)「やることを具体的にする」

 
 To Do に相当する単なる行動だけの記述としないで、場所や順番や方法などまで具体的にします。たとえば、「掃除する」ではなくて「リビングの半分を掃除機で掃除する」、「勉強する」ではなくて「◯◯の第1章を読みポイントをノートに書き出す」という感じです。
 

(2)「やることをスケジュールに書き込む」

 
 時間ができたらやろうとか、明日中にやろうというのはダメです。空いた時間ができるのを待ってても一生できないでしょう。現代人はとにかく忙しくて空いた時間を作るのは大変ですし、空いた時間ができたとしても反対に気が抜けてしまってダラダラしそうです。スケジュールした他人との約束は破ることはできないでしょう。そこで、自分の用事もスケジュールに書き込みます。自分のスケジュールは自分との約束です。自分との約束を守ることは自分を大切にすることにもなります。
 

(3)「やる時間を決める」

 
 スケジュールするときには開始時刻と終了時刻を明確にします。そして、その時間が来たら必ずそれをやる。このルールを徹底することが大切です。他人との約束の時間は絶対ですよね。自分との約束の時間も同じです。たとえ何か他のことをやっていたとしても、開始時刻が来たら無条件にその決めたことをやります。そして終了時刻が来たらどんなに続けたくてもやめる。これが大切です。
 

(4)「その場でリスケジュールする」

 
 もし、どうしてもスケジュール通りにできない場合は、できないとわかった時点ですぐにスケジュールを見直します。後で見直そうというのはダメです。すぐにその場でスケジュールを決めることが大切です。
 

(5)「やる時間を短く設定する」

 
 やる時間は 15分とか短い時間にします。長い時間だと着手するのが億劫になりますし、もっとやりたいのにもう終わりなのかと思うくらいにしておくと、なかなかやろうと思わなかったそのことが好きになります。本当ですよ。試してみてください。
 

(6)「ちゃんとやろうとしない」

 
 やるからにはきちんとやりたいと多くの人が思います。でも、この気持ちがやる気を削ぐことにもなっています。ちゃんとやろうと思うから気が重くなる。最初に言ったように、大切なのはとにかく行動することですから、ちゃんとやろうと思わないこと。これが大切です。
 

(7)「最後までやろうとしない」

 
 同じようなことに、やるからには最後までやりたい、仕上げたいと思いがちです。でも、この考え方は取りかかるときに気が重くなる原因の一つです。だから、取り組むときには中途半端でいいんです。最後までやろうと思わないようにしましょう。
 

(8)「効果が出るまでやろうとしない」

 
 同様に、やるからには何かしら効果が出ることを期待します。でも、これも取りかかるときには逆効果です。効果が出ることは考えずに、や...
 実行力 

5. 必要なのは完全主義とのお別れ

 
 さて、これでやることが決まり、やる気持ちもでたのではないかと思います。次に必要なのは確実に実行することです。脳科学者の池谷裕二氏は次のように言っています。『やりはじめないと、やる気は出ません。脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、側坐核は、何かをやりはじめないと活動しないので。』行動すれば側坐核というところが活動し、やる気のもととなる脳内物質を出すのです。つまり、やらなくちゃと考えているだけではやる気は出ず、とにかく行動を起こすしかないということです。全然気持ちが乗っていなかったのに、やってみたらその気になってやめられなくなったとか、原稿を書くのが嫌で後回しにしていたけど、やり始めるとどんどん書くことができたとか、運動するのが億劫だったけど、やり始めると気持ちよくなったとか、行くのが嫌だなと思っていたけど、行ってみたら楽しかった、など、やってみたらやる気が出たという経験があるのではないでしょうか。つまり、やることが決まったらとにかくやる、Just do it. です。そのための方法をいくつか紹介しましょう。
 

(1)「やることを具体的にする」

 
 To Do に相当する単なる行動だけの記述としないで、場所や順番や方法などまで具体的にします。たとえば、「掃除する」ではなくて「リビングの半分を掃除機で掃除する」、「勉強する」ではなくて「◯◯の第1章を読みポイントをノートに書き出す」という感じです。
 

(2)「やることをスケジュールに書き込む」

 
 時間ができたらやろうとか、明日中にやろうというのはダメです。空いた時間ができるのを待ってても一生できないでしょう。現代人はとにかく忙しくて空いた時間を作るのは大変ですし、空いた時間ができたとしても反対に気が抜けてしまってダラダラしそうです。スケジュールした他人との約束は破ることはできないでしょう。そこで、自分の用事もスケジュールに書き込みます。自分のスケジュールは自分との約束です。自分との約束を守ることは自分を大切にすることにもなります。
 

(3)「やる時間を決める」

 
 スケジュールするときには開始時刻と終了時刻を明確にします。そして、その時間が来たら必ずそれをやる。このルールを徹底することが大切です。他人との約束の時間は絶対ですよね。自分との約束の時間も同じです。たとえ何か他のことをやっていたとしても、開始時刻が来たら無条件にその決めたことをやります。そして終了時刻が来たらどんなに続けたくてもやめる。これが大切です。
 

(4)「その場でリスケジュールする」

 
 もし、どうしてもスケジュール通りにできない場合は、できないとわかった時点ですぐにスケジュールを見直します。後で見直そうというのはダメです。すぐにその場でスケジュールを決めることが大切です。
 

(5)「やる時間を短く設定する」

 
 やる時間は 15分とか短い時間にします。長い時間だと着手するのが億劫になりますし、もっとやりたいのにもう終わりなのかと思うくらいにしておくと、なかなかやろうと思わなかったそのことが好きになります。本当ですよ。試してみてください。
 

(6)「ちゃんとやろうとしない」

 
 やるからにはきちんとやりたいと多くの人が思います。でも、この気持ちがやる気を削ぐことにもなっています。ちゃんとやろうと思うから気が重くなる。最初に言ったように、大切なのはとにかく行動することですから、ちゃんとやろうと思わないこと。これが大切です。
 

(7)「最後までやろうとしない」

 
 同じようなことに、やるからには最後までやりたい、仕上げたいと思いがちです。でも、この考え方は取りかかるときに気が重くなる原因の一つです。だから、取り組むときには中途半端でいいんです。最後までやろうと思わないようにしましょう。
 

(8)「効果が出るまでやろうとしない」

 
 同様に、やるからには何かしら効果が出ることを期待します。でも、これも取りかかるときには逆効果です。効果が出ることは考えずに、やると決めたからやると割り切りましょう。心配しなくても、そのうちに必ず効果は出るのです。
 

(9)「『ながら』で良しとする」

 
 これまで言ってきたことと違いますが、どうしても取りかかることができない場合は、「ながら」でも良しとします。集中して聞くのではなく BGM として英会話の教材を流しておくとか、健康器具をテレビを見ながらちょっとやってみるとか、あるいは、教材をただ近くに置いて気が向いたら手に取るとか、そんな適当なことでも良しとします。やり始めるときに気が重くなるのを避けることができます。
 
 次回も、実行力の鍛え方 (その4)で解説を続けます。
 
  

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この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

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