物流の認知度 物流地位向上に向けて (その1)

投稿日

 SCM物流の仕事に少しでも関わったことがある方ならわかることですが、物流の地位は残念ながら低いと言わざるを得ません。
 私たちの生活は物流で成り立っています。つまり生活に必要なすべてのものは物流によって運ばれている事実があります。それにも関わらず、物流の認知度は高くありません。震災や大雪などの天災があると、生活必需品が手に入らなくなります。その時だけは「物流は大切だ」という論議がなされます。しかし、それも一段落するとまた物流は忘れられてしまうのです。
 
 季節の食べ物があります。その季節に食べてこそ、美味しさは100倍、それを楽しむ雰囲気も最高ですね。しかし今やその季節を超えて手に入れることができます。 それは物流の技術があってこそ成り立つものです。物流の重要機能として保管というものがあります。簡単にいうと倉庫で一定期間ものを留め置く機能のことを指します。
 
 季節の食物は高度な保管技術、すなわち、温度や湿度管理などを適正に行い、品質を保ちながら季節を外れて出荷することができます。また、産地から遠く離れたところにも物流をもって届けることができます。これは物流の輸送機能によって行います。
 
 今では日本の高品質食物が、東南アジアに輸出されています。これも航空機を使った輸送機能で可能になります。このような高度な物流は消費者にとても喜ばれます。どちらかというと、これらは「目立つ物流」ですから、消費者に喜ばれやすいのです。
 
 しかし、その他多くの物流は、目立つことなく、淡々と仕事をしているのです。それだけ...
 SCM物流の仕事に少しでも関わったことがある方ならわかることですが、物流の地位は残念ながら低いと言わざるを得ません。
 私たちの生活は物流で成り立っています。つまり生活に必要なすべてのものは物流によって運ばれている事実があります。それにも関わらず、物流の認知度は高くありません。震災や大雪などの天災があると、生活必需品が手に入らなくなります。その時だけは「物流は大切だ」という論議がなされます。しかし、それも一段落するとまた物流は忘れられてしまうのです。
 
 季節の食べ物があります。その季節に食べてこそ、美味しさは100倍、それを楽しむ雰囲気も最高ですね。しかし今やその季節を超えて手に入れることができます。 それは物流の技術があってこそ成り立つものです。物流の重要機能として保管というものがあります。簡単にいうと倉庫で一定期間ものを留め置く機能のことを指します。
 
 季節の食物は高度な保管技術、すなわち、温度や湿度管理などを適正に行い、品質を保ちながら季節を外れて出荷することができます。また、産地から遠く離れたところにも物流をもって届けることができます。これは物流の輸送機能によって行います。
 
 今では日本の高品質食物が、東南アジアに輸出されています。これも航空機を使った輸送機能で可能になります。このような高度な物流は消費者にとても喜ばれます。どちらかというと、これらは「目立つ物流」ですから、消費者に喜ばれやすいのです。
 
 しかし、その他多くの物流は、目立つことなく、淡々と仕事をしているのです。それだけに注目を浴びることなく何となく地位が低いままなのです。この影響が悪循環を生んでいます。
 
 物流の地位が低い⇒優秀な人を採用できない⇒人財育成ができる人がいない⇒仕事が進化しない⇒注目されず地位は低いままで、物流の地位向上が進まない状況です。
 
  ではこの状況をどう打破していったらよいでしょうか。次回から、解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
面積原価(その1)

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その3)

  1.「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」はSCMの行動指針    行動指針の見方・考え方については、その1、その...

  1.「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」はSCMの行動指針    行動指針の見方・考え方については、その1、その...


精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その10)

 前回のその9に続いて解説します。   5. ブルウィップ克服の組織:SCMセンターについて    日本でSCMの導入が本格化...

 前回のその9に続いて解説します。   5. ブルウィップ克服の組織:SCMセンターについて    日本でSCMの導入が本格化...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
売上高物流コスト比率を把握する 自社物流の実態を知る(その1)

        自社の物流の実態について正しく語れる人は多くいません。メーカーであればものづくりが本業、小売業であれば販売が本業のため、あまり物流に...

        自社の物流の実態について正しく語れる人は多くいません。メーカーであればものづくりが本業、小売業であれば販売が本業のため、あまり物流に...


受注と納入 物流リードタイム短縮を考えよう(その1)

  1、受注リードタイムはどれくらいか  物流がコストだけを追求する時代は終わり、現在は『サプライチェーン全体の効率化』が求められていま...

  1、受注リードタイムはどれくらいか  物流がコストだけを追求する時代は終わり、現在は『サプライチェーン全体の効率化』が求められていま...


会社収支の掌握と人財育成 物流業センター長の役割(その1)

        物流業に限らず現場の長の役割は非常に重要です。その長のマネジメント次第で現場のパフォーマンスそして会社の収益が全く違ったものになりま...

        物流業に限らず現場の長の役割は非常に重要です。その長のマネジメント次第で現場のパフォーマンスそして会社の収益が全く違ったものになりま...