作業分解事例 (その2) メンテナンス作業へのパート社員活用

1.収益性が悪化したメンテナンス事業

 前回のその1に続いて解説します。train鉄道メンテナンス業のB社は、従業員20名(全て正社員)の中小企業です。長年、大手鉄道会社のメンテナンス業を受託していましたが、受託作業内容が年々増加しているにもかかわらずメンテナンス単価は長年据え置きされている状況でした。そのため、メンテナンス事業は年々収益性が悪化していて、早急に抜本的な対策が必要な状況でした。
 
 そこでメンテナンス業務にパート社員を活用することがアイデアとして出されましたが、今まで正社員で実施してきたメンテナンス業務を如何にパート社員に任せるかが課題となっていました。また同社は残業が常態化し非効率な作業を続けていることが想定されましたので、単なるパート社員の活用だけでなく、メンテナンス業務の効率化もあわせて行うことが必要な状況でした。このような状況に対して、作業分解による作業の効率化とパート社員採用に向けた支援を実施しました。
 

2.従業員への改善意識の醸成  

 社員が実施しているメンテナンス作業は、当初作業マニュアルに従い実施はしているものの、広い作業場で移動距離が長く、作業自体も機敏性が感じられずゆったりとした動作であり、多くのムダも見かけられました。そこで、従業員への改善意識醸成の必要性を強く感じ、改善を通じて「現在より作業工数を半減」すること、また残業の常態化を解消することを目標に掲げ、抜本的な作業改善が必要なことを理解させました。
 
 次に、社員全員を集めメンテナンス業務の作業分解を行い、改善ポイントの抽出のために要素作業を作業工程毎に明確化していきました。さらに、作業分解するなかで、付加価値を生む作業やムダな作業など作業改善の勘所を随時解説しつつ、メンテナンス作業方法・移動を短くする手段・作業手順としての妥当性かなど改善ポイントを見つけました。
 

3.抜本的な作業の見直し    

 作業分解した結果をもとに、各作業工程の所用時間を測定し改善の目安を工程別に設定しました。社員しかできない作業とパートに任せる作業を識別すると同時に、付加価値を生まない移動を最小限にするため作業順序の見直しを行いました。さらに作業時間がかかっている作業に対し、具体的な改善アイデアを全社員から募り、効果が高い実現可能なアイデアを実践した結果、パート社員...

1.収益性が悪化したメンテナンス事業

 前回のその1に続いて解説します。train鉄道メンテナンス業のB社は、従業員20名(全て正社員)の中小企業です。長年、大手鉄道会社のメンテナンス業を受託していましたが、受託作業内容が年々増加しているにもかかわらずメンテナンス単価は長年据え置きされている状況でした。そのため、メンテナンス事業は年々収益性が悪化していて、早急に抜本的な対策が必要な状況でした。
 
 そこでメンテナンス業務にパート社員を活用することがアイデアとして出されましたが、今まで正社員で実施してきたメンテナンス業務を如何にパート社員に任せるかが課題となっていました。また同社は残業が常態化し非効率な作業を続けていることが想定されましたので、単なるパート社員の活用だけでなく、メンテナンス業務の効率化もあわせて行うことが必要な状況でした。このような状況に対して、作業分解による作業の効率化とパート社員採用に向けた支援を実施しました。
 

2.従業員への改善意識の醸成  

 社員が実施しているメンテナンス作業は、当初作業マニュアルに従い実施はしているものの、広い作業場で移動距離が長く、作業自体も機敏性が感じられずゆったりとした動作であり、多くのムダも見かけられました。そこで、従業員への改善意識醸成の必要性を強く感じ、改善を通じて「現在より作業工数を半減」すること、また残業の常態化を解消することを目標に掲げ、抜本的な作業改善が必要なことを理解させました。
 
 次に、社員全員を集めメンテナンス業務の作業分解を行い、改善ポイントの抽出のために要素作業を作業工程毎に明確化していきました。さらに、作業分解するなかで、付加価値を生む作業やムダな作業など作業改善の勘所を随時解説しつつ、メンテナンス作業方法・移動を短くする手段・作業手順としての妥当性かなど改善ポイントを見つけました。
 

3.抜本的な作業の見直し    

 作業分解した結果をもとに、各作業工程の所用時間を測定し改善の目安を工程別に設定しました。社員しかできない作業とパートに任せる作業を識別すると同時に、付加価値を生まない移動を最小限にするため作業順序の見直しを行いました。さらに作業時間がかかっている作業に対し、具体的な改善アイデアを全社員から募り、効果が高い実現可能なアイデアを実践した結果、パート社員を活用することが可能な状況になり、また全体の作業時間を約半分まで削減することができ、大きな成果をあげることができました。
 
 今までこのような改善活動を実施していなかったところに、改善の考え方やヒントを与えた結果、社員自身が改善活動に関して前向きにとらえ、また改善を進めることで自らの作業がラクになることが理解でき、モチベーション向上に役立つことができました。延3回の検討により社員への改善意識を醸成できたこと、今後も改善活動を続けるための礎をつくれたことが、今回の活動の最大の成果といえます。
 

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この記事の著者

野中 帝二

労働人口が減少する中、生産性を維持・向上しつつ、収益性を向上するための支援を行います。特に自律的な改善活動の醸成や少子高齢化での経営など労働環境変化に対応した解決策をサポート致します。

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