荷受場と出荷場の改善:物流倉庫の改善に取り組もう(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

  

◆ まずは物流倉庫の荷受場と出荷場の改善から

 前回の物流倉庫のレイアウト改善:物流倉庫の改善に取り組もう(その1)に続いて解説します。

 物流倉庫改善の取り組みにおいて、倉庫の荷受場と出荷場の改善は真っ先に取り組むべき場所ではないでしょうか。この場所で物が詰まると、清々とした物流を構築することはできません。この2つの場所で共通するキーワードは「分かりやすい」です。なぜなら、トラックドライバーや納入業者など、外部の人たちが来て作業する場所でもあるからです。

 外部の人たちが初めて来た時に迷わず、作業ができるエリアづくりに努めましょう。例えば出荷場であれば、トラックドライバーが積むべき荷物・商品がすぐ分かるようにしておくことです。そのためには「トラック単位の荷揃(そろ)え」を行い「納品書を準備」し、分かりやすい「表示」を設置して効率化を図ります。荷受場であっても同様です。どこに荷降ろしをしたらよいのかが瞬時に判断できるよう、大きな表示を付けておくようにしましょう。

 そして2つの場所でともに改善しなければならないのが、トラックからの距離でしょう。荷役時に長距離運搬が求められるとそれだけ時間がかかり、トラックの滞留時間を延ばしてしまいます。また荷降ろし時に、あまりにも多くの分散されたエリアに、荷を仕分ける作業もトラック滞留時間を延長させてしまいます。

 物流倉庫の改善ポイントは「第三者の立場」で倉庫を見て判断することです。そこで効果的だと思われる方法は、社内で普段あまり現場と接点のない部署の人から意見を聞いてみることです。その人たちは倉庫という物流現場にとっては、どちらかというと第三者に近いため、外部の人の意見に近いものが得られる可能性があります。

 

 荷受場、出荷場でもう一つ気を配らなければならない場所があります。それは通箱(容器)とパレット置場です。これらは納入業者に返却する必要があります。また...

サプライチェーンマネジメント

  

◆ まずは物流倉庫の荷受場と出荷場の改善から

 前回の物流倉庫のレイアウト改善:物流倉庫の改善に取り組もう(その1)に続いて解説します。

 物流倉庫改善の取り組みにおいて、倉庫の荷受場と出荷場の改善は真っ先に取り組むべき場所ではないでしょうか。この場所で物が詰まると、清々とした物流を構築することはできません。この2つの場所で共通するキーワードは「分かりやすい」です。なぜなら、トラックドライバーや納入業者など、外部の人たちが来て作業する場所でもあるからです。

 外部の人たちが初めて来た時に迷わず、作業ができるエリアづくりに努めましょう。例えば出荷場であれば、トラックドライバーが積むべき荷物・商品がすぐ分かるようにしておくことです。そのためには「トラック単位の荷揃(そろ)え」を行い「納品書を準備」し、分かりやすい「表示」を設置して効率化を図ります。荷受場であっても同様です。どこに荷降ろしをしたらよいのかが瞬時に判断できるよう、大きな表示を付けておくようにしましょう。

 そして2つの場所でともに改善しなければならないのが、トラックからの距離でしょう。荷役時に長距離運搬が求められるとそれだけ時間がかかり、トラックの滞留時間を延ばしてしまいます。また荷降ろし時に、あまりにも多くの分散されたエリアに、荷を仕分ける作業もトラック滞留時間を延長させてしまいます。

 物流倉庫の改善ポイントは「第三者の立場」で倉庫を見て判断することです。そこで効果的だと思われる方法は、社内で普段あまり現場と接点のない部署の人から意見を聞いてみることです。その人たちは倉庫という物流現場にとっては、どちらかというと第三者に近いため、外部の人の意見に近いものが得られる可能性があります。

 

 荷受場、出荷場でもう一つ気を配らなければならない場所があります。それは通箱(容器)とパレット置場です。これらは納入業者に返却する必要があります。またこれらは汎用的に活用が可能であるため、紛失防止のための管理も必要になります。

 時々、特定の会社の名前が入ったパレットを、その会社とまったく関係のない場所で見掛けることがありますが、これは本来のルートから外れ、流出してしまった可能性があると考えられます。多くの会社でパレットや容器の流出(紛失)に悩んでいるようです。しかし、これは会社の管理方法に問題があると考えられます。

 

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その9)

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...


荷姿の考察 物流改善ネタ出し講座 (その4)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


サプライチェーン情報ネットワークインフラの重要性

 サプライチェーンにおけるネットワーク情報化は、部品メーカーの激しい自然淘汰による巨大企業出現の可能性を促進します。販売工程を延長し最終顧客に納入するまで...

 サプライチェーンにおけるネットワーク情報化は、部品メーカーの激しい自然淘汰による巨大企業出現の可能性を促進します。販売工程を延長し最終顧客に納入するまで...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
コミュニケーション不足がロスを生む 物流情報の一元化でコスト削減(その1)

◆ 社内コミュニケーションの大切さ  物流を効率化するための原則に物量確保があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。そこで、ものを...

◆ 社内コミュニケーションの大切さ  物流を効率化するための原則に物量確保があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。そこで、ものを...


点、線、面の改善とは 物流における作業・工程改善(その3)

◆ ものの流れの改善  物流はものを動かす業務ですから「ものの流れの改善」は得意分野だといえなければならないでしょう。ものづくり改善の中ではどうして...

◆ ものの流れの改善  物流はものを動かす業務ですから「ものの流れの改善」は得意分野だといえなければならないでしょう。ものづくり改善の中ではどうして...


経費把握:購買業務の要点(その9)

  ◆「経費」把握の留意点   経費はその製品にかかる直接・間接コストのことです。この範囲は広範かつ複雑です。会社によっても...

  ◆「経費」把握の留意点   経費はその製品にかかる直接・間接コストのことです。この範囲は広範かつ複雑です。会社によっても...