コミュニケーション不足がロスを生む 物流情報の一元化でコスト削減(その1)

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サプライチェーンマネジメント

◆ 社内コミュニケーションの大切さ

 物流を効率化するための原則に物量確保があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。そこで、ものを発送するときにはできるだけまとめた方がコスト的に有利になるのです。同一方面に同じタイミングで送る場合は荷物を合わせて出すことが基本だと考えましょう。

 こういった原則があるにも関わらず、まとめるべき荷物があることに気づかず、ばらばらに物流を行っているケースが多いのです。その例として次のようなケースが考えられます。

 例えば、同じ会社に営業一部と営業二部があったとします。営業一部では日用雑貨を、営業二部では食品を扱っています。各部ではそれぞれ倉庫内でピッキングを行い、出荷しています。同じ倉庫ですが、一部は一階、二部は二階と三階で保管とピッキングを行っているのです。

 それぞれの部ではできるだけトラックに積めるように工夫はしていますが、平均積載率は65%程度となっています。この時点でこの会社では非常に重要な点を見落としているのです。それは日用雑貨も食品も「同じ届け先」があるという事実です。

 得意先からは日用雑貨と食品が別々のオーダーで入ってきていますが、納品先は同じ店舗なのです。しかし、それぞれの部ではこの点に気づくことなく別々に配車しています...

サプライチェーンマネジメント

◆ 社内コミュニケーションの大切さ

 物流を効率化するための原則に物量確保があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。そこで、ものを発送するときにはできるだけまとめた方がコスト的に有利になるのです。同一方面に同じタイミングで送る場合は荷物を合わせて出すことが基本だと考えましょう。

 こういった原則があるにも関わらず、まとめるべき荷物があることに気づかず、ばらばらに物流を行っているケースが多いのです。その例として次のようなケースが考えられます。

 例えば、同じ会社に営業一部と営業二部があったとします。営業一部では日用雑貨を、営業二部では食品を扱っています。各部ではそれぞれ倉庫内でピッキングを行い、出荷しています。同じ倉庫ですが、一部は一階、二部は二階と三階で保管とピッキングを行っているのです。

 それぞれの部ではできるだけトラックに積めるように工夫はしていますが、平均積載率は65%程度となっています。この時点でこの会社では非常に重要な点を見落としているのです。それは日用雑貨も食品も「同じ届け先」があるという事実です。

 得意先からは日用雑貨と食品が別々のオーダーで入ってきていますが、納品先は同じ店舗なのです。しかし、それぞれの部ではこの点に気づくことなく別々に配車しています。

 情報が分断されていることでこのような現象が発生しているのですが、営業一部と二部で届け先情報の共有が取れていれば最初から混載で届けていたことでしょう。

 実はこのような事例が山ほどあるのです。ただ単に気づいていないだけで、物流ロスを発生させてしまっています。

 次回に続きます。

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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