物流現場監督者の役割とは 本当の見える化で効率向上(その5)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 管理ボードとセンター長

 物流現場を管理状態に置くことで、今何をしなければならないかといったアクションにつながります。逆にこれが分かっていないと、異常に対して手を打つことが遅れ、会社に大きな損失をもたらすことにもつながりかねないのです。こういった管理を行っていくことこそが「物流現場監督者」の役割だといえるのです。時々、実作業を行っているセンター長を見掛けますが、これは感心できません。

 センター長は現場のすべての責任を負う立場にありますから、なぜ自分まで現場作業をしなければならないのかは分かっているはずです。自ら作業を行うことではなく、そうならざるを得ない要因をつぶすことがセンター長の仕事なのです。

 センター長のマネジメントの成績が管理ボードに表れるのです。今の物流現場の安全、品質、納期、コスト(SQDC)の状況が管理ボードで分かりますから、作業者もそれを目にすることで自分たちがどういった行動をとらなければならないのかが判断できるのです。

 経営層にとってみれば、今のその物流現場が「正常な運営ができているのか否か」が管理ボードから読み取ることができます。つまりこのボードは経営層にとってもアクションにつながる情報源だといえるのです。いちいち管理監督者にヒアリングしなくても状況を把握できるからです。

 管理ボードの別の活用方法として「従業員のモチベーション向上」が挙げられます。ボードには作業者ごとの「品質の誓い」や「安全の誓い」などを掲示していきましょう。また、良い改善アイテムが出てきたら、その提案者の名前とともに改善内容を掲示するのです。これによってその提案者たる作業者のモチベーション向上が図られるのです。

 ...

サプライチェーンマネジメント

◆ 管理ボードとセンター長

 物流現場を管理状態に置くことで、今何をしなければならないかといったアクションにつながります。逆にこれが分かっていないと、異常に対して手を打つことが遅れ、会社に大きな損失をもたらすことにもつながりかねないのです。こういった管理を行っていくことこそが「物流現場監督者」の役割だといえるのです。時々、実作業を行っているセンター長を見掛けますが、これは感心できません。

 センター長は現場のすべての責任を負う立場にありますから、なぜ自分まで現場作業をしなければならないのかは分かっているはずです。自ら作業を行うことではなく、そうならざるを得ない要因をつぶすことがセンター長の仕事なのです。

 センター長のマネジメントの成績が管理ボードに表れるのです。今の物流現場の安全、品質、納期、コスト(SQDC)の状況が管理ボードで分かりますから、作業者もそれを目にすることで自分たちがどういった行動をとらなければならないのかが判断できるのです。

 経営層にとってみれば、今のその物流現場が「正常な運営ができているのか否か」が管理ボードから読み取ることができます。つまりこのボードは経営層にとってもアクションにつながる情報源だといえるのです。いちいち管理監督者にヒアリングしなくても状況を把握できるからです。

 管理ボードの別の活用方法として「従業員のモチベーション向上」が挙げられます。ボードには作業者ごとの「品質の誓い」や「安全の誓い」などを掲示していきましょう。また、良い改善アイテムが出てきたら、その提案者の名前とともに改善内容を掲示するのです。これによってその提案者たる作業者のモチベーション向上が図られるのです。

 誰がどのようなスキルを持っているか理解してもらうためにスキルマップを掲示してもよいでしょう。それと共に教育訓練計画も掲示します。不足しているスキルをどのような方法で向上させていくのかが分かるようにしていきましょう。

 作業者にとってみると、自分に対する投資を会社が行ってくれていることが分かり、その意味でもモチベーションがアップするかもしれません。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンにおける収益向上のメカニズム

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その3)

  1.「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」はSCMの行動指針    行動指針の見方・考え方については、その1、その...

  1.「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」はSCMの行動指針    行動指針の見方・考え方については、その1、その...


ヒューマンエラーと物流品質 物流品質の向上 (その2)

1.ヒューマンエラーの類型  工場において物流品質不良が発生した場合、その要因が往々にしてヒューマンエラーによるものであることが多いようです。ではヒ...

1.ヒューマンエラーの類型  工場において物流品質不良が発生した場合、その要因が往々にしてヒューマンエラーによるものであることが多いようです。ではヒ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流にはすべての活動の結果が表れる 物流側からの情報発信の重要性(その3)

  ◆ 構内で滞留するトラック  朝積み込みに行ったものの、荷主の構内で待たされて出発が夕方になったというとんでもない話もあるようですが...

  ◆ 構内で滞留するトラック  朝積み込みに行ったものの、荷主の構内で待たされて出発が夕方になったというとんでもない話もあるようですが...


契約内容を改善する千載一遇のチャンス 物流会社の交渉術(その3)

        契約内容を改善する千載一遇のチャンスが訪れました。物流会社の皆さんにとっては顧客との交渉への...

        契約内容を改善する千載一遇のチャンスが訪れました。物流会社の皆さんにとっては顧客との交渉への...


RFIの実施:物流購買の勘所(その6)

  ◆RFI(Request for Information)の実施 有名な会社だから発注する、といった短絡的なソーシングはやっていない...

  ◆RFI(Request for Information)の実施 有名な会社だから発注する、といった短絡的なソーシングはやっていない...