見える化でタイムマネジメント 本当の見える化で効率向上(その3)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 物流業務の計画と実績の掲示は必須

 仕事が多ければ必死に体を動かし、少なければゆったりとしたスピードで仕事をこなす。いかがでしょうか。多くの物流現場がこの状態になっており、意識ある現場監督者やセンター長だけがこの状態を何とかしたい、と気づいているのです。

 「今日の5時までにすべてを終わらせればよいことになっています」という表現はピッキング現場だけではなく、梱包場や出荷準備作業などあらゆる物流現場で聞く回答です。この回答は朝聞いても、夕方聞いても同じように返ってくるのです。なんか変だと思いませんか?

 この回答は仕事が多かろうが少なかろうが、午後5時には終了できればよい、ということを示しています。つまりその間のタイムマネジメントはできていないのです。
 
 望ましい見える化の方法はデジタル表示で現時点の「計画数」と「実績数」が現場に掲示されることでしょう。時々刻々とこの数字が更新されていくので、それが作業者のペースメーカーになるからです。

 いつも申し上げていることですが、作業者に仕事のペースを任せてはならないのです。本来なら5分で終わる仕事が15分かかってしまうからです。作業者は手待ち時間があると恥ずかしいという意識を持っています。そのため仕事が終わりそうになるとわざとゆっくりとしたスピードにペースを落とすのです。

 デジタル表示までいかずとも、本日のピッキング件数や梱包箱数をタイムチャートにして「今」いくつ終了していなければならないかを明記して現場に貼り出すことに取り組んでみましょう。

 15分刻み程度のスケールをつくり、その中に目標数量を入れていきます、たとえば10時30分までは1...

サプライチェーンマネジメント

◆ 物流業務の計画と実績の掲示は必須

 仕事が多ければ必死に体を動かし、少なければゆったりとしたスピードで仕事をこなす。いかがでしょうか。多くの物流現場がこの状態になっており、意識ある現場監督者やセンター長だけがこの状態を何とかしたい、と気づいているのです。

 「今日の5時までにすべてを終わらせればよいことになっています」という表現はピッキング現場だけではなく、梱包場や出荷準備作業などあらゆる物流現場で聞く回答です。この回答は朝聞いても、夕方聞いても同じように返ってくるのです。なんか変だと思いませんか?

 この回答は仕事が多かろうが少なかろうが、午後5時には終了できればよい、ということを示しています。つまりその間のタイムマネジメントはできていないのです。
 
 望ましい見える化の方法はデジタル表示で現時点の「計画数」と「実績数」が現場に掲示されることでしょう。時々刻々とこの数字が更新されていくので、それが作業者のペースメーカーになるからです。

 いつも申し上げていることですが、作業者に仕事のペースを任せてはならないのです。本来なら5分で終わる仕事が15分かかってしまうからです。作業者は手待ち時間があると恥ずかしいという意識を持っています。そのため仕事が終わりそうになるとわざとゆっくりとしたスピードにペースを落とすのです。

 デジタル表示までいかずとも、本日のピッキング件数や梱包箱数をタイムチャートにして「今」いくつ終了していなければならないかを明記して現場に貼り出すことに取り組んでみましょう。

 15分刻み程度のスケールをつくり、その中に目標数量を入れていきます、たとえば10時30分までは120件、15時45分までに260件というように累計値で示すのです。スケールは作業者個人単位でもよいでしょうし、ピッキングライン単位でもよいと思います。最も現場に合ったやり方にすればよいのです。

 この計画に対して各作業者が行った結果を実績として監督者が記入していくようにします。常に作業者はこの数字を見ながら仕事をしていくようにするのです。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その12)

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...


経営判断のための会計法「スループット会計」について

   スループット会計とは、キャッシュフローベースの会計システムで、需要の変化と製造から販売までのサプライチェーンのマネージメントとオペレ...

   スループット会計とは、キャッシュフローベースの会計システムで、需要の変化と製造から販売までのサプライチェーンのマネージメントとオペレ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その9)

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
内部統制 物流と管理技術(その2)

  ◆ 標準作業書とガバナンス  製造会社では標準作業書が無ければその作業をしてはならないというルールをつくり、それを徹底している会社が...

  ◆ 標準作業書とガバナンス  製造会社では標準作業書が無ければその作業をしてはならないというルールをつくり、それを徹底している会社が...


会社経営の改善 物流品質管理(その6)

  ◆ 流出不良と工程内不良  標準作業の順守を前提に、工程内不良についてはすべて申告させ罰しないようなルールにした方がよいでしょう。 ...

  ◆ 流出不良と工程内不良  標準作業の順守を前提に、工程内不良についてはすべて申告させ罰しないようなルールにした方がよいでしょう。 ...


サプライチェーン全体を俯瞰する 誤解されがちな物流マンの知識(その3)

  ◆ 生産知識と環境知識  サプライチェーンの中にあってリードタイムといえば「生産リードタイム」も重要な要素の一つです。この生産リード...

  ◆ 生産知識と環境知識  サプライチェーンの中にあってリードタイムといえば「生産リードタイム」も重要な要素の一つです。この生産リード...