会社収支の掌握と人財育成 物流業センター長の役割(その1)

投稿日

 
  SCM
 
 物流業に限らず現場の長の役割は非常に重要です。その長のマネジメント次第で現場のパフォーマンスそして会社の収益が全く違ったものになります。ただし残念ながら物流業界では現場の長たる物流センター長が満足に育っていないケースが見受けられます。ということで物流センター長の役割について再認識するとともに、現場をマネジメントできる人財をどのように育てていかなければならないかについて考えてみたいと思います。
 

(1) 会社収支の掌握

 第一に挙げられることはその現場の収益を向上させることではないでしょうか。各現場の集合体が会社になりますので、それぞれの現場がきちんと営業利益を確保しないと会社が儲かることはありません。そこでセンター長は自らの現場がどれくらいの売り上げを確保でき、その売り上げのためにいくら経費をかけたのかがわかっていなければなりません。
 
 当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、意外とこれができていない現場がたくさんあるのです。何となく仕事をしたら結果としてこれだけの利益が出た、というような場当たり的な現場があることは見過ごせません。
 
 まさにサラリーマン的な発想のセンター長が自分の配下の現場の収益を気にしない典型例です。本来であれば日々の収益がどれくらいなのかを把握したいところですが、月次でも場当たり的、成行きでの結果が出ている状態は望ましくありません。もしこのようなセンター長がいるのであれば改めて教育をし直さなければならないでしょう。これは会社の責任です。
 

(2) 人財育成

 第二の役割は人財育成でしょう。センター長に限らず管理者であれば誰しもやらなければならないのが部下の育成です。現場のパフォーマンスを最大限に発揮するためには良い人財を揃える...
 
  SCM
 
 物流業に限らず現場の長の役割は非常に重要です。その長のマネジメント次第で現場のパフォーマンスそして会社の収益が全く違ったものになります。ただし残念ながら物流業界では現場の長たる物流センター長が満足に育っていないケースが見受けられます。ということで物流センター長の役割について再認識するとともに、現場をマネジメントできる人財をどのように育てていかなければならないかについて考えてみたいと思います。
 

(1) 会社収支の掌握

 第一に挙げられることはその現場の収益を向上させることではないでしょうか。各現場の集合体が会社になりますので、それぞれの現場がきちんと営業利益を確保しないと会社が儲かることはありません。そこでセンター長は自らの現場がどれくらいの売り上げを確保でき、その売り上げのためにいくら経費をかけたのかがわかっていなければなりません。
 
 当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、意外とこれができていない現場がたくさんあるのです。何となく仕事をしたら結果としてこれだけの利益が出た、というような場当たり的な現場があることは見過ごせません。
 
 まさにサラリーマン的な発想のセンター長が自分の配下の現場の収益を気にしない典型例です。本来であれば日々の収益がどれくらいなのかを把握したいところですが、月次でも場当たり的、成行きでの結果が出ている状態は望ましくありません。もしこのようなセンター長がいるのであれば改めて教育をし直さなければならないでしょう。これは会社の責任です。
 

(2) 人財育成

 第二の役割は人財育成でしょう。センター長に限らず管理者であれば誰しもやらなければならないのが部下の育成です。現場のパフォーマンスを最大限に発揮するためには良い人財を揃える必要がありますが、それは人財育成のプロセスを通して実施しなければなりません。
 
 物流センター長は自職場でどのようなスキルが必要かを整理し、今の部下の実力を把握します。そしてその部下への要求水準と比較し不足している部分を明確化する必要があるのです。この要求水準とのギャップについてどのように埋めていくのかが「教育・トレーニング計画」になるということです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンのモデル化

 欠品を生じさせず、しかも在庫を少なくできるように、業務の足腰を鍛えて速度を制御する能力を磨く「熟練」もサプライチェーンの重要な法則です。この時...

 欠品を生じさせず、しかも在庫を少なくできるように、業務の足腰を鍛えて速度を制御する能力を磨く「熟練」もサプライチェーンの重要な法則です。この時...


バリューチェーンとは

   企業活動は製造業であれ、流通サービス業であれ、物の流れであるサプライチェーンを経ながら付加価値が加わっていき、このことをバリューチェ...

   企業活動は製造業であれ、流通サービス業であれ、物の流れであるサプライチェーンを経ながら付加価値が加わっていき、このことをバリューチェ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その6)

第6回 道具4「物流会社選定ツール」(下) 前回のその5に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ6】回答...

第6回 道具4「物流会社選定ツール」(下) 前回のその5に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ6】回答...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
標準作業を守らない物流現場 物流品質管理 (その1)

 日本の物流品質は高いと考えられてきました。荷物が無くならない、指定日にきちんと届く、宅配という極めて高度な物流を民間企業が実施している、こういった評判が...

 日本の物流品質は高いと考えられてきました。荷物が無くならない、指定日にきちんと届く、宅配という極めて高度な物流を民間企業が実施している、こういった評判が...


容器類の勝手利用の禁止:パレット管理と容器管理(その2)

  ◆ 容器類の勝手利用の禁止 荷物の混載を考えると、たとえ会社が違っても混載する可能性がある会社間ではパレットや容器の形状は統一した方...

  ◆ 容器類の勝手利用の禁止 荷物の混載を考えると、たとえ会社が違っても混載する可能性がある会社間ではパレットや容器の形状は統一した方...


日常活動:エンジニアリングとしての物流(その3)

  ◆荷姿改善と倉庫の有効活用 エンジニアリングとしての物流は、オペレーション開始後はそれをご破算にしてやり直すことは困難なので、現在の...

  ◆荷姿改善と倉庫の有効活用 エンジニアリングとしての物流は、オペレーション開始後はそれをご破算にしてやり直すことは困難なので、現在の...