物流の生産性とは 管理業務に精力的に取り組む(その2)

投稿日

 
  SCM
 
 数ある管理業務の中でも「生産性管理」は収益にも直結する仕事のため特に重要であると思われます。では「生産性管理」といっても何を実施していけばよいのでしょうか。例を挙げて考えてみましょう。
 

(1) サプライチェーン:トラック輸送の生産性管理

 トラック輸送のケースで考えてみます。トラックという資源をいかに有効に活用していくかは会社収益にとってはずせないポイントです。一つに「トラック積載率」があります。トラックについてはいかに保有する能力を十分発揮するかを考えなければなりません。
 
 そこでトラックに荷を積むにあたり、重量的にも容積的にも満載に近づけることが求められます。これをデータとして蓄積し、この積載率を向上させる改善活動につなげていくことが重要なのです。
 
 当日積載する荷の重量的積載率、容積的積載率はKPIとして把握します。計画値と実績値の両方で把握していきましょう。これは配車担当者または出荷担当者の評価項目として設定してもよいと思います。つまり積載率が高ければ担当者の評価も上がるということです。
 
 積載率は必ずしも配車や出荷の担当者だけの行為の結果であるとは限りません。しかしあえて彼らの評価項目とすることで、本来の責任部署にも積載率向上への協力を働きかけることにつなげていきたいのです。そうすることで会社全体で積載率への意識が高まり、収益向上にもつながるのです。
 

(2) サプライチェーン:トラック回転率管理

 トラック輸送ではトラック回転率管理も重要です。積載率と同様にトラックという資源を無駄なく使いこなすことで会社収益向上につながるからです。結果としての回転率を把握することも重要ですが、その率に影響を及ぼす要因管理が大切になってくるのです。たとえば荷降ろしや積み込みなどの際に時間をかけすぎるとトラックが滞留してしまい、本来の走行という能力を発揮できなくなってしまいます。
 
 そこでトラック滞留時間の管理を行い、極端にその時間が長ければ...
 
  SCM
 
 数ある管理業務の中でも「生産性管理」は収益にも直結する仕事のため特に重要であると思われます。では「生産性管理」といっても何を実施していけばよいのでしょうか。例を挙げて考えてみましょう。
 

(1) サプライチェーン:トラック輸送の生産性管理

 トラック輸送のケースで考えてみます。トラックという資源をいかに有効に活用していくかは会社収益にとってはずせないポイントです。一つに「トラック積載率」があります。トラックについてはいかに保有する能力を十分発揮するかを考えなければなりません。
 
 そこでトラックに荷を積むにあたり、重量的にも容積的にも満載に近づけることが求められます。これをデータとして蓄積し、この積載率を向上させる改善活動につなげていくことが重要なのです。
 
 当日積載する荷の重量的積載率、容積的積載率はKPIとして把握します。計画値と実績値の両方で把握していきましょう。これは配車担当者または出荷担当者の評価項目として設定してもよいと思います。つまり積載率が高ければ担当者の評価も上がるということです。
 
 積載率は必ずしも配車や出荷の担当者だけの行為の結果であるとは限りません。しかしあえて彼らの評価項目とすることで、本来の責任部署にも積載率向上への協力を働きかけることにつなげていきたいのです。そうすることで会社全体で積載率への意識が高まり、収益向上にもつながるのです。
 

(2) サプライチェーン:トラック回転率管理

 トラック輸送ではトラック回転率管理も重要です。積載率と同様にトラックという資源を無駄なく使いこなすことで会社収益向上につながるからです。結果としての回転率を把握することも重要ですが、その率に影響を及ぼす要因管理が大切になってくるのです。たとえば荷降ろしや積み込みなどの際に時間をかけすぎるとトラックが滞留してしまい、本来の走行という能力を発揮できなくなってしまいます。
 
 そこでトラック滞留時間の管理を行い、極端にその時間が長ければ短縮する方策を練らなければなりません。よくある例として、フォークリフト待ちやポート待ち、積載荷待ちなど定刻に行っても待ち時間があることがあります。これらを荷主、輸送会社で連携して改善していくのです。
 
  ・ ・ ・ ・ ・
 
 このように物流に関連するさまざまな管理業務に取り組むことは会社収益に大きな影響を与えることになるのです。物流実作業だけに目が行きがちですが、こういった管理業務も同じ重みで考えていくことが重要です。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その7)

第7回 道具5「物流評価シート」(上) 前回のその6に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.物流評価の目的を理解し...

第7回 道具5「物流評価シート」(上) 前回のその6に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.物流評価の目的を理解し...


セットメーカーのサプライチェーン経営課題

 製造のサプライチェーンの中で完成品セットメーカーは、図1に示すようにアンカーです。  製造業において市場を支配するのは、通常プロセス上で最終組立を...

 製造のサプライチェーンの中で完成品セットメーカーは、図1に示すようにアンカーです。  製造業において市場を支配するのは、通常プロセス上で最終組立を...


収益を決定するサプライチェーンの関係性

1.サプライチェーンの同期化と能力  個々の業務スピードが高くても、そのスピード自体がバラバラだと在庫が溜まるため、機会損失が発生します。そういった機会...

1.サプライチェーンの同期化と能力  個々の業務スピードが高くても、そのスピード自体がバラバラだと在庫が溜まるため、機会損失が発生します。そういった機会...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
工場内物流と生産管理のスキル グローバルサプライチェーン(その3)

   1. メーカー物流と工場内物流  生産のコントロールについても理屈は机上で学ぶことが可能です。しかし生産過程では品質や設備の...

   1. メーカー物流と工場内物流  生産のコントロールについても理屈は机上で学ぶことが可能です。しかし生産過程では品質や設備の...


物流サプライヤーの要望とは:物流購買の勘所(その11)

  ◆物流サプライヤーの要望 物流サプライヤーへの委託業務の場合、共同改善すべき分野は購買側の効率化だけとは限りません。「共同改善」です...

  ◆物流サプライヤーの要望 物流サプライヤーへの委託業務の場合、共同改善すべき分野は購買側の効率化だけとは限りません。「共同改善」です...


安心在庫の削減 メーカー物流の勘所(その5)

◆ 在庫管理への積極的関与を  在庫はいろいろな活動の結果として顕在化するものです。メーカーの場合は物の買い方や生産の仕方が在庫という結果になって表...

◆ 在庫管理への積極的関与を  在庫はいろいろな活動の結果として顕在化するものです。メーカーの場合は物の買い方や生産の仕方が在庫という結果になって表...