問題はモチベーション

更新日

投稿日

 今年は、今年度は、今期は、絶対に
 
「ランニングして体重を落とす」
「部屋の整理整頓を忘れずにやる」
「月に2冊は本を読む」
「毎週ブログを書く」
「会議では必ず発言する」
 
 と何かをはじめたり、また、何かをはじめようと決心したりしたことはないでしょうか? でも、なかなか続かないし、なかなかやる気にならないことは多いものです。
 
 人的資源マネジメント
 
 こういうときに、「やる気が起きないのはどうしてだろう?」「どうしたらモチベーションが上がるんだろう?」というように、モチベーションの問題と考えてしまいがちです。どうしたらやる気が起きるのかと、いろいろな人に相談したり、インターネットでいろいろな記事を読んだりするかもしれませんが、そのときはやる気になっても行動には移せないことがほとんどです。そして、実際には行動を起こせないという現実に、「自分はモチベーションの低い人間だ」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
 
 これは、モチベーションの問題だと考えていることが間違いなのです。「やる気の素(もと)」書いたように、自分で何かご褒美を用意する外発的動機づけでは長続きしませんし、先ほどの「在り方のたい」というような内発的動機づけで解決することも難しいからです。内発的動機づけによるモチベーションは強力なのですが、意識がもとになっているので、頭の中で次のような言葉が聞こえてしまいます。
 
「今日は起きるのが遅くなったし、ランニングは明日からでもいいや」
「今は部屋の掃除よりも急ぎの用事があるから、それが片付いてからにしよう」
「読む本は買ったから、明日の通勤時間にでも読めば大丈夫」
「面白いことが思い浮かばないからブログを書くのは明日にしよう」
「こんな発言しても意味ないから、無理しなくてもいいよね」
 
 やろうと思った途端に、できない理由、やらない方がいい理由が次々と聞こえてきますよね。この声を聞いてしまうと、意識が働かなくてはいけないモチベーションはこの声の裏側に隠れてしまいます。
 
 必要なのはこの頭の中の声を消すこと。この声を聞こえないようにするか、聞こえても無視することが必要なのです。モチベーションの問題ではなく習慣の問題と考えることであり、日常的な工夫で習慣を変えることが問題を解決することにつながります。たとえば、次のようなことを実行することです。
 
・ランニング用のウェアを着て寝る。寝るときに横にウェアを置いておく。
・掃除をする...
 今年は、今年度は、今期は、絶対に
 
「ランニングして体重を落とす」
「部屋の整理整頓を忘れずにやる」
「月に2冊は本を読む」
「毎週ブログを書く」
「会議では必ず発言する」
 
 と何かをはじめたり、また、何かをはじめようと決心したりしたことはないでしょうか? でも、なかなか続かないし、なかなかやる気にならないことは多いものです。
 
 人的資源マネジメント
 
 こういうときに、「やる気が起きないのはどうしてだろう?」「どうしたらモチベーションが上がるんだろう?」というように、モチベーションの問題と考えてしまいがちです。どうしたらやる気が起きるのかと、いろいろな人に相談したり、インターネットでいろいろな記事を読んだりするかもしれませんが、そのときはやる気になっても行動には移せないことがほとんどです。そして、実際には行動を起こせないという現実に、「自分はモチベーションの低い人間だ」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
 
 これは、モチベーションの問題だと考えていることが間違いなのです。「やる気の素(もと)」書いたように、自分で何かご褒美を用意する外発的動機づけでは長続きしませんし、先ほどの「在り方のたい」というような内発的動機づけで解決することも難しいからです。内発的動機づけによるモチベーションは強力なのですが、意識がもとになっているので、頭の中で次のような言葉が聞こえてしまいます。
 
「今日は起きるのが遅くなったし、ランニングは明日からでもいいや」
「今は部屋の掃除よりも急ぎの用事があるから、それが片付いてからにしよう」
「読む本は買ったから、明日の通勤時間にでも読めば大丈夫」
「面白いことが思い浮かばないからブログを書くのは明日にしよう」
「こんな発言しても意味ないから、無理しなくてもいいよね」
 
 やろうと思った途端に、できない理由、やらない方がいい理由が次々と聞こえてきますよね。この声を聞いてしまうと、意識が働かなくてはいけないモチベーションはこの声の裏側に隠れてしまいます。
 
 必要なのはこの頭の中の声を消すこと。この声を聞こえないようにするか、聞こえても無視することが必要なのです。モチベーションの問題ではなく習慣の問題と考えることであり、日常的な工夫で習慣を変えることが問題を解決することにつながります。たとえば、次のようなことを実行することです。
 
・ランニング用のウェアを着て寝る。寝るときに横にウェアを置いておく。
・掃除をする時間と場所(部屋のどこか)を予定表に入れる。
・本の感想を伝える勉強会を作る。
・パソコンを開いてブログを書くエディターも開いておく。
・会議室の一番前の席に座る。
 
 モチベーションは大切ですが、すべてをモチベーションのせいにしても行動を変えることができないこともあります。まずは頭を柔らかくして、習慣を変える工夫ができないかを考えてみましょう。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
人材育成、階層別教育とは

  1. 人材育成の必要性    今の時代、商品で他社と大きな差別化を図るのは非常に難しいことです。商品で差をつけることができな...

  1. 人材育成の必要性    今の時代、商品で他社と大きな差別化を図るのは非常に難しいことです。商品で差をつけることができな...


技術企業の高収益化: 伝えたつもりの経営者

◆ 高収益経営者は、モノゴトをどの程度徹底して実施するのか  「今度、私がビシッと言いますから」。A社社長(以下、A社長)の数年前の発言です。コンサ...

◆ 高収益経営者は、モノゴトをどの程度徹底して実施するのか  「今度、私がビシッと言いますから」。A社社長(以下、A社長)の数年前の発言です。コンサ...


中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その5)

  【第2章 中国工場の実状を知る】  前回のその4に続いて解説します。   【作業者について】  中国工場で働いている...

  【第2章 中国工場の実状を知る】  前回のその4に続いて解説します。   【作業者について】  中国工場で働いている...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
人的資源マネジメント:技術者育成のパフォーマンス(その2)

   前回は「学習」を通じて「成長」することの重要性をお伝えしました。実務を通して人はもっとも成長するものであり、そのための仕組みを作るこ...

   前回は「学習」を通じて「成長」することの重要性をお伝えしました。実務を通して人はもっとも成長するものであり、そのための仕組みを作るこ...


スタティスティシャンは、データ解析のプロ

 欧米系の外資系企業には統計分析を主業務としているstatisticianという下を噛みそうな名前のポジションがあります。 品質管理や技術部に所属している...

 欧米系の外資系企業には統計分析を主業務としているstatisticianという下を噛みそうな名前のポジションがあります。 品質管理や技術部に所属している...


人的資源マネジメント:リーダーを育てる製品開発(その2)

 前回のその2に続いて解説します。   3. 過酷な環境下で会社を辞める技術者    このような状況下でどのような取り組みをし...

 前回のその2に続いて解説します。   3. 過酷な環境下で会社を辞める技術者    このような状況下でどのような取り組みをし...