QC7つ道具 (その3) 特性要因図

1.特性要因図とは

 前回のQC7つ道具、その2 パレート図に続いて解説します。特性要因図を英語では、Cause and Effect Diagram とか、形状が魚の骨に似ている事からFishbone Diagramと呼称されます。 ある事象(特性)に対する原因(要因)を系統的に整理して関連付けるために使用します。

 下の図1のように、一次要因に対し二次要因、三次要因として何が考えられるかを掘り下げて行きます。 原因を掘り下げていくことにより大要因に関連する中小の要因を見つけ出し関係性を整理する事が出来ます。

特性要因図とは


図1.特性要因図

 特性要因図は定量的解析が主なQC7つ道具の中で唯一定性的な言語データを扱います。
  

2.特性要因図の使い方

 特性要因図を作成するときは、まずある不適合を引き起こす現象を考えます。 次にその現象を引き起こすであろう要因やそれに関連する子・孫要因の関係を整理し突き詰めていく事により現象の元となっている関連因子が浮かび出て来ます。その後に、特性要因図の中から効果がありそうな要因をピックアップして対策を検討するのです。

 特性要因図だけで原因が正しいかどうかを特定できません。 過去に実績があって解っている場合を除けば可能性がある要因について熟考し、効果的且つ検証可能と思われるものに対して更なる調査や解析、実験を行い確認して行く事になります。

 特性要因図の作成は”MECE“な思考で漏れなくあらゆる可能性を網羅するのに効果的なワークフローであると言えます。例えばスリップ事故の原因を掘り下げてみてみます。

表1.あるスリップ事故に対する要因抽出結果


一次要因二次要因三次要因
人要因 ハンドル操作ミス 運転中通話の片手運転
前方不注意
急ブレーキ オーバースピード
対向車認知遅れ
ワイパー操作 弱にして運転
車要因 タイヤライフ 摩耗により溝が無い
スリップ防止機能弱 ALBシステム無
スリップデフ無
環境 雨天 路面がぬれ摩擦低下
路面状況 砂泥上の降雨で滑りやすかった
対向車 カーブで接近してきた
運転計画 ルート カーブの多い細い裏道を選択
時間 到着時間までの余裕が無かった

(1)特性にはQCD(Quality Cost Deivery)に関連して次のようなものがあります。

  • 品質に関するもの  長さ、重量、欠陥数、不純物量、耐熱性
  • コストに関するもの 原材料費、副資材費、メンテナンス費、人件費、倉庫費
  • 納期に関するもの  工数、生産日数、納入日数、装置スループット
  • その他       交通事故、労働災害、離職率、有給取得率

(2)要因には一般的に4Mと呼ばれるカテゴリーを主の枝骨として分類します。

  • Material  材料、もの
  • Machine  機械、設備、計器
  • Method  方法
  • Man    人的関係
      

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3.特性要因図作成の注意点

 特性要因図を作成する時は、一人では出てこないアイデアを多く捻出する為に、関連部署複数人でブレインストーミングを利用して行うことが効率的です。 大きな白紙に付箋紙で思いつく要因を書き出して、アイデアが出尽くした後で特性要因図の形に整理する方が、滞らず良いでしょう。 その時に類似の要因は束ねて整理しながら行います。

 作成時の注意点としては、要因を掘り下げすぎて関連が曖昧になったり、複数の要因にまたがる子要因を出しすぎて複雑化しすぎたりと、何を目的として作成していたか解らなくなりがちな事です。

 特性要因図の作成に慣れないうちは、図2のように4Mを基本として行うとほぼ万遍なく要因を思いつく事が出来ます。 一度完成したら、さらに現場を回って不足や見直すポイントが無いかをチェックすると、会議室だけで完結させるよりも完成度が高くなります。

特性要因図作成の注意点

図2.4Mを配置した特性要因図

 特性に対する効果ある要因を見つけ出したらそれを制御する子要因との関係を別の解析手法を用いて分析してみます。

 特性要因図は、ある結果に対する原因を漏れの無いよう突き詰めて行く手法です。 大きな要因に対して、対策が打ちやすい小さな要因を見つけ出して手を打つことが重要となります。 特性要因図を作成する事が目的になってしまわないように、目的を見失わず解析を行ってください。

 アイデアを掘り下げ細分化するのは、ある程度の経験と慣れが必要です。 色々な特性要因図を描いてみて、図から得られる情報を上手く活用してください。


この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

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