QC7つ道具 (その7) 層別

1.層別とは

 前回のQC7つ道具、その6 チェックシートに続いて解説します。対象となる分布が複数の母集団の混成で構成されている場合、この分布を同じ項目の層に分ける事を層別と言います。例えば年収の調査を行った場合、男女や年代別、職業別にデータを分けてみると層別前には見えなかった傾向が現れる事が多々あります。その為ばらつき原因や異常源発見の迅速化になる非常に有用な方法です。

 層別は他の統計ツールと違い、独自の手法では無く他のツールと組み合わせて使う方法です。ヒストグラム、散布図、管理図、パレート図等の他のQC7つ道具は層別と組み合わせる事で個々のツールの効果をさらに高めます。層別に用いる項目としては以下のようなものが挙げられます。

(1)層別に用いる項目例

 
層別
 事象は複合的な要因で起こっている事が多いので一つの層だけでは無く考えられる様々な層で分類し傾向の有無を観る事が重要です。

(2)ヒストグラムでの層別

 
ヒストグラムでの層別
 一見双山のヒストグラムに見えますが、層別を行ったところ2つの異なる分布が重なったものだとわかりました。 2つの装置の差が統計的に有意であれば、ハードの調整を行い量機の合わせ込みを検討する必要があるでしょう。

(3)散布図での層別

散布図での層別
  
 これは相関が無い打点の集合に見えますが、原材料メーカー別にみるとそれぞれ相関がある事がわかります。 原料に依存し難い工程設計をするか原料別の管理が必要でしょう。

(4)管理図での層別

管理図での層別
 一見安定している管理図に見えますが2つの号機のトレンドがミックスしていました。 この場合、装置個別の動きはもっと小さい振幅なので号機別に管理限界を計算し別々に管理する方が妥当です。統合された管理図では2つの異なる母集団の管理限界となっているので、本来よりも広く且つセンターラインも一致していません。

 この様に層別解析を行う事で埋もれている傾向を見出すことが出来ますが、その為にはデータを採取する場合に予め項目と紐付しておく必要があります。年収調査であれば調査対象者の性別年齢、職業等を一緒にパッケージにしておかなければ後で層別に分類しようと思っても出来ません。
  

2.層別利用の注意点

 統計的手法の重要な点は、データの解析より寧ろデータの収集を如何に上手くやるかにかかっていると言えます。 また解析は、エクセルなどの表計算ソフトでも問題無く行えますが、統計ソフトを使用すると極めて簡単に層別でグラフを描くことが出来ます。

この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

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