きれいな工場は最高のセールスマン! 「5S」の目的(その1)

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1. 「5S」活動が経営に寄与する

 「5S」活動を徹底的に行うことで業績が向上したというお話は、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。掃除をすれば儲かるとか・・・。しかし、半信半疑といったところが本音ではないかと思います。私は「5S」活動が間違いなく経営に寄与する活動であると断言します。

 今回は、経営に寄与する「5S」のふたつの目的である、【売上を増やして、コストを下げる】ことと、【良い組織文化の醸成】の中のひとつ、【売上を増やす】目的に寄与する、効果①「きれいな工場は最高のセールスマン」を説明します。

 

2. 効果①「きれいな工場は最高のセールスマン」とは・・・

 効果①「きれいな工場は最高のセールスマン」とは、端的に表現すると会社自体のショールーム化を意味します。具体的には、整理・整頓・清掃が行き届いている現場(生産現場、倉庫、物流現場、あるいは事務所等)は、お客様の信頼を得るための最高の武器になるということです。すなわち、お客様に品物と共にそれが造られている現場、仕分けられている現場、あるいは事務処理や情報加工をする現場を見ていただくことで、100の言葉よりもその会社の姿勢を雄弁に伝えることが可能であるということです。見学受入れに熱心な企業の業績が良いのは、得心できるところではないでしょうか。

 

3. 「5S」によってお客様に伝わることとは

 まず、現場をお見せするということは、それなりの自信がなければ、なかなかできないことでもあり、この点からも安心につながる効果があります。そのために、改めて「5S」の言葉の意味を考えると、これまでとは違った側面が見えてきます。

 

 まずは整理ですが、安全と品質を確保するためには必要最低限のものしか置かないことが基本となります。それ故に、職場に本当に必要なものを明確にした上で、不要なものを排除することが重要になります。次に整頓ですが、整理によって明確になった必要なものが、決められた場所に、使いやすいように置かれている状態にすることを意味しています。これは、安全・品質・生産性の確保には必要不可欠な状態であることには異論はないと思います。また、清掃ができていない職場(設備や治工具、倉庫から机の上まで)では、安全面や品質面はもちろんのこと、保全の観点からも本当に納期が守れるかという不安を抱かせてしまいます。お客様は必ずこのよう...

 
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1. 「5S」活動が経営に寄与する

 「5S」活動を徹底的に行うことで業績が向上したというお話は、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。掃除をすれば儲かるとか・・・。しかし、半信半疑といったところが本音ではないかと思います。私は「5S」活動が間違いなく経営に寄与する活動であると断言します。

 今回は、経営に寄与する「5S」のふたつの目的である、【売上を増やして、コストを下げる】ことと、【良い組織文化の醸成】の中のひとつ、【売上を増やす】目的に寄与する、効果①「きれいな工場は最高のセールスマン」を説明します。

 

2. 効果①「きれいな工場は最高のセールスマン」とは・・・

 効果①「きれいな工場は最高のセールスマン」とは、端的に表現すると会社自体のショールーム化を意味します。具体的には、整理・整頓・清掃が行き届いている現場(生産現場、倉庫、物流現場、あるいは事務所等)は、お客様の信頼を得るための最高の武器になるということです。すなわち、お客様に品物と共にそれが造られている現場、仕分けられている現場、あるいは事務処理や情報加工をする現場を見ていただくことで、100の言葉よりもその会社の姿勢を雄弁に伝えることが可能であるということです。見学受入れに熱心な企業の業績が良いのは、得心できるところではないでしょうか。

 

3. 「5S」によってお客様に伝わることとは

 まず、現場をお見せするということは、それなりの自信がなければ、なかなかできないことでもあり、この点からも安心につながる効果があります。そのために、改めて「5S」の言葉の意味を考えると、これまでとは違った側面が見えてきます。

 

 まずは整理ですが、安全と品質を確保するためには必要最低限のものしか置かないことが基本となります。それ故に、職場に本当に必要なものを明確にした上で、不要なものを排除することが重要になります。次に整頓ですが、整理によって明確になった必要なものが、決められた場所に、使いやすいように置かれている状態にすることを意味しています。これは、安全・品質・生産性の確保には必要不可欠な状態であることには異論はないと思います。また、清掃ができていない職場(設備や治工具、倉庫から机の上まで)では、安全面や品質面はもちろんのこと、保全の観点からも本当に納期が守れるかという不安を抱かせてしまいます。お客様は必ずこのような視点で見ています。「5S」を徹底するということは、お客様の信頼を得て、新たな受注につながる可能性が高いという訳です。

 

4. 「5S」効果のまとめ

 会社内部にいては当たり前の風景になりがちですが、自分自身が外に出た時にどのような視点で周囲を見ているのかを想像してみてください。意外と、厳しい目で見ているものです。キーワードは「お客様視点」です。常に視られていることを意識したときに、「5S」の持つひとつめの効果がよくわかるのです。

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この記事の著者

大串 隆史

成功のカギは「現地・現物・現実」です!三つの「現」を極めて、企業の利益と競争力を増強します。

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