情報収集の3原則とは

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

1.情報収集の3原則は「規・即・集」

 創造とは「課題を情報の結合により新しい解決をはかる事」と定義できます。我々は解決のために各種の情報を獲得しようとするわけですが、情報はさまざまな媒体、あらゆる場面から入ってきます。情報そのものには、何ら規格がありません。紙、映像、音、あるいは味覚、人の感覚器官のすべてから、われわれは情報を入手しているのです。

 そこで、情報収集の第1の原則は「規格化」です。新聞、雑誌の切り抜きはすべてA4サイズの用紙に貼る、作成文書は全てパソコンに入れる、などはその端的な例です。

 第2の原則は「即時化」です。情報は、どこにいつ転がっているか、わかりません。街でふと見たポスターの言葉がヒントになったといった経験はあなたもお持ちでしょう。アイデアのひらめきも時と所かまわずです。となると、私たちはあらゆる時、あらゆる場所で情報を即座に記録するメモ用紙やカメラなどの手段を手にすることが必要です。

 第3の原則は「集中化」です。情報マニア達は、「人の講演」は必ずテープに記録したり、新聞、雑誌をクリッピングし、ファイルしています。しかし、それらを用いて何かを創造はしません。これでは何のための情報収集かわかりません。情報は何かを創造するために集めるものです。だから創造のためにすぐ情報が出せるよう集中化が必須です。創造のための情報収集は、自分のテーマを確立し、「規・即・集」で集めましょう。

 

2.記録メディアから情創メディアへ

 人が創造のために情報を利用する現代では、大量の情報を活用して創造するのが常識です。ところがVTRやサウンドテープのように、再生に必ず一定の時間を取られるメディアは、情報側が主体であって利用者側が主役とはなりえません。これらは記録のためで、再利用には制約の多いメディアなのです。

 私は情報収集のメディアを、記録メディアか情創メディアかに区別します。保存のためや繰り返して利用する記録メディアは、音声レコーダー、留守番電話、ビデオレコーダー、ビデオカメラなどです。しかし、情報創造には再生が即座にできる「静止画」が基本となります。だから、情創メディアとしては電子黒板やデジタルカメラなどが、有効なマシーンです。

 時間を食うメディアは、あとで全く同じ時間をとられるということを、くれぐれも忘れてはなりません。記録メディアのビデオレコーダーは場面を後で再生できますから、詳細な情報収集用として使用すべきです。だから倍速が何倍かで言葉が明確なモデルや、必要な場面をコピーできるモデルは情創メディアとして有効なものといえます。

 

3.情創メディアの基本はメモ

 情報収集のメディアは大きく分けて、携行型と設置型に分けられます。

 携行型のメディアとしては、手帳、デジタルカメラ、メモノートやノートパソコンがあります。設置型のメディアには、切り抜きファイルやDVDやBDのビデオレコーダー、デスクトップ型パソコンなどがあります。

 メモは、カード派の阿久悠さん(...

技術マネジメント

 

1.情報収集の3原則は「規・即・集」

 創造とは「課題を情報の結合により新しい解決をはかる事」と定義できます。我々は解決のために各種の情報を獲得しようとするわけですが、情報はさまざまな媒体、あらゆる場面から入ってきます。情報そのものには、何ら規格がありません。紙、映像、音、あるいは味覚、人の感覚器官のすべてから、われわれは情報を入手しているのです。

 そこで、情報収集の第1の原則は「規格化」です。新聞、雑誌の切り抜きはすべてA4サイズの用紙に貼る、作成文書は全てパソコンに入れる、などはその端的な例です。

 第2の原則は「即時化」です。情報は、どこにいつ転がっているか、わかりません。街でふと見たポスターの言葉がヒントになったといった経験はあなたもお持ちでしょう。アイデアのひらめきも時と所かまわずです。となると、私たちはあらゆる時、あらゆる場所で情報を即座に記録するメモ用紙やカメラなどの手段を手にすることが必要です。

 第3の原則は「集中化」です。情報マニア達は、「人の講演」は必ずテープに記録したり、新聞、雑誌をクリッピングし、ファイルしています。しかし、それらを用いて何かを創造はしません。これでは何のための情報収集かわかりません。情報は何かを創造するために集めるものです。だから創造のためにすぐ情報が出せるよう集中化が必須です。創造のための情報収集は、自分のテーマを確立し、「規・即・集」で集めましょう。

 

2.記録メディアから情創メディアへ

 人が創造のために情報を利用する現代では、大量の情報を活用して創造するのが常識です。ところがVTRやサウンドテープのように、再生に必ず一定の時間を取られるメディアは、情報側が主体であって利用者側が主役とはなりえません。これらは記録のためで、再利用には制約の多いメディアなのです。

 私は情報収集のメディアを、記録メディアか情創メディアかに区別します。保存のためや繰り返して利用する記録メディアは、音声レコーダー、留守番電話、ビデオレコーダー、ビデオカメラなどです。しかし、情報創造には再生が即座にできる「静止画」が基本となります。だから、情創メディアとしては電子黒板やデジタルカメラなどが、有効なマシーンです。

 時間を食うメディアは、あとで全く同じ時間をとられるということを、くれぐれも忘れてはなりません。記録メディアのビデオレコーダーは場面を後で再生できますから、詳細な情報収集用として使用すべきです。だから倍速が何倍かで言葉が明確なモデルや、必要な場面をコピーできるモデルは情創メディアとして有効なものといえます。

 

3.情創メディアの基本はメモ

 情報収集のメディアは大きく分けて、携行型と設置型に分けられます。

 携行型のメディアとしては、手帳、デジタルカメラ、メモノートやノートパソコンがあります。設置型のメディアには、切り抜きファイルやDVDやBDのビデオレコーダー、デスクトップ型パソコンなどがあります。

 メモは、カード派の阿久悠さん(作詞家)、ノート派の柳田邦男さん(作家)と二派に分かれますが、メモ作成のコツは同じで、以下がポイントです。

   ① すぐその瞬間にメモする
   ② 1件を1カードか1ページに
   ③ 日付と情報源を記入する
   ④ 常に整理分類する

 私は今、メモ用にポストイットを使っています。思いついたときすぐメモし、スケジュールや連絡などは手帳に、アイデアや重要情報はノートに貼ったり転記します。メモ用紙は静止画そのものであり、立派な情創メディアです。

 ともあれ、情報創造のためには、基本的には静止画で、すぐ大量に取り出して利用できる情創メディアが便利といえます。

◆関連解説『アイデア発想法とは』

◆関連解説『アイデア発想法とは』

   続きを読むには・・・


この記事の著者

髙橋 誠

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
アイデア発想の基本とは

商品企画の現場でよく用いられる「アイデア発想」ですが、その現場でよく耳にするのは、次のような発言です。 「売れる商品」のアイデアを出しましょう。 「画...

商品企画の現場でよく用いられる「アイデア発想」ですが、その現場でよく耳にするのは、次のような発言です。 「売れる商品」のアイデアを出しましょう。 「画...


商品開発のための発想法とは【連載記事紹介】

  商品開発のための発想法が、無料でお読みいただけます!   ◆こんな方におすすめ!=商品開発のための発想法を知りたい!= ...

  商品開発のための発想法が、無料でお読みいただけます!   ◆こんな方におすすめ!=商品開発のための発想法を知りたい!= ...


何を作ったら良いか分らない状態での新商品開発法とは(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   3.新商品開発を進めるための方法(S2D)   (2)10年後の未来素案の作成 &n...

 前回のその2に続いて解説します。   3.新商品開発を進めるための方法(S2D)   (2)10年後の未来素案の作成 &n...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
しつこく繰り返して、発見や発明を生んだ事例1-噴射式復水器、蓄音機-

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット    産業革命を推進する原動力となった蒸気機関...

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット    産業革命を推進する原動力となった蒸気機関...


屋内外で発見したことからの発想事例1 -蛍光紙、牛の解体-

1.暗い部屋の片隅で蛍光紙が発光しているのを見て、X線を発見した、ドイツの物理学者 ウィルヘルム・コンラッド・レントゲン    X線の発見は...

1.暗い部屋の片隅で蛍光紙が発光しているのを見て、X線を発見した、ドイツの物理学者 ウィルヘルム・コンラッド・レントゲン    X線の発見は...


必要は発明の母-万年筆とボールペンのアイデア発想事例

1.万年筆のアイデア発想   万年筆の逸品として名高いウォーターマン。これを開発したのがアメリカ人の発明家にして製造業者のルイス・エドソン・ウ...

1.万年筆のアイデア発想   万年筆の逸品として名高いウォーターマン。これを開発したのがアメリカ人の発明家にして製造業者のルイス・エドソン・ウ...