受注生産型部品加工工場の生産管理システムはどうあるべきか(その4)

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 前回のその3に続いて解説します。

2. 何が生産管理システムの利用を難しくしているのか

 前回のその3に続いて解説します。

(5)リードタイムの大半が待ち時間となっている

 部品加工会社の製造リードタイムについては実際に加工している正味製造時間を積算した合計時間をイメージする人が多いようです。そうした人は正味製造時間の短縮活動を進めたり、IoT システムで製造時間管理を徹底したりすればリードタイムも削減できると考えがちです。

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図2.製造リードタイムと待ち時間

 ところが、部品加工工場の正味製造時間はリードタイム全体の10~30% 程度に過ぎません。残りの時間は図2に示した何らかの待ち時間(滞留時間)などです。

 生産管理システムを使って製造リードタイム短縮や納期遵守率向上を目指す場合は、製造時間以上に待ち時間の管理が重要となります。ここまで部品会社にはどんな生産管理システムが必要か、生産管理システム活用の難しさについて説明してきました。

 次に部品会社に求められる生産管理や生産管理システムはどんなものなのかを紹介します。ただし、その前に注意していただきたいことがあります。

 工場関係者やコンサルタントの中には、加工時間を短縮さえすれば製造原価が安くなり利益が増えると思われている方がおります。これは大きな誤解です。この考え方は高度成長期のように右肩上がりに売上げが増えていた時代の名残でしょうか。現在のような低成長時代には加工時間を短くしただけでは原価低減も利益創出も実現できません。

 利益創出にもっとも効果が上がるのは生産平準化による生産性(一人当たり付加価値額)向上です〔詳しくは拙著「誰も教えてくれない工場の損益管理の疑問」(日刊工業新聞社)〕をご覧下さい)。この誤解を放置したまま生産管理システムや原価管理システムを導入しても利益は増えていかないのです。

 次回は、3.生産管理システム導入を成功させるためには何が必要か。から解説を続けます。

 この記事は、『プレス技術』2020年1月号に掲載の内容を筆者が改編したものです。


この記事の著者

本間 峰一

高額投資したにもかかわらず効果の上がっていない生産管理システムを利益に貢献するシステムに再生させます!

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